去る5月31日、東京・帝国劇場で千秋楽を迎えたKinKi Kids・堂本光一主演ミュージカル『Endless SHOCK -Eternal-』。今作について、ライバル役に抜てきされたSexy Zone・佐藤勝利や、かつて同役を演じたジャニーズタレントが振り返った。
4月10日に開幕した同作は、本編『Endless SHOCK』の3年後を描いたスピンオフ。主演の堂本は作・構成・演出も担当し、故・ジャニー喜多川氏がEternal Producer(エターナル・プロデューサー)として名を連ねている。
過去、堂本のライバル役は屋良朝幸、内博貴、中山優馬、KAT-TUN・上田竜也らが務めてきたが、今回の東京公演では、佐藤が初挑戦。2月に行われた制作発表会見では、14歳でジャニーズ事務所に入所後、「初めて生で触れたエンタメ」が同作だったと佐藤は回顧。「僕にとって、ものすごく憧れの舞台です」と感慨深げに述べていた。
こうして始まった『Endless SHOCK -Eternal-』は、5月31日に閉幕。佐藤は自身のラジオ『VICTORY ROADS』(bayfm、6月5日)で千秋楽について振り返った。コンサートでも、客席に向けてあいさつをしていると「思いが込み上げてきちゃう」という佐藤は、『SHOCK』最終日も、最初の登場シーンから泣いてしまうのではないかと心配していたとか。
「これは芝居に影響出ると思ってるから。もちろん泣かなかったし。あいさつで泣いちゃうかなとも思ったんですけど。やっぱ、ジャニーさんが、泣くとスゴい怒るんだよね~。俺、ライブでめっちゃ泣いてるけど。見てたらたぶん怒ると思う。もし泣いちゃったら、『うれし泣きです』って言おうと思ってたぐらい、言われてきたことがやっぱ染み付いてるから。(中略)やっぱ、怒られちゃうから。おじいに(笑)。おじいがスゴいね、スゴいおじいがいたからさ(笑)」
結果的に涙はあふれなかったそうで、泣かなかったのは当日のステージが「楽しい感じの雰囲気ってのもあった」からだとか。「それがやっぱジャニーさんの言ってきたことが、みんなそうなんだなってあらためて思いますね。寂しくとか悲しく終わらせるということを絶対にしないんですよね、僕らね」と“ジャニーイズム”の継承を実感したようだ。
また、これまで帝国劇場ではジャニー氏が演出を手がける舞台が数々上演されてきただけに、「やっぱジャニーさんへの思いも強いですから。僕の中で、帝国劇場」としみじみ。
主演の堂本やふぉ~ゆ~・松崎祐介&越岡裕貴らキャストのサポートに感謝しつつ、「終われると思ってなかったから、終わってみたら、やればできるんだなっていうのは、すごく思いました。光一くんの言葉が。最初に言われたんですよ。『勝利だったらできる』。できました!」と明るい声で報告していたのだった。
一方、2018年・19年の『Endless SHOCK』で佐藤と同じくライバル役を務めた中山は、ラジオ『中山優馬の世紀末に生まれて』(同、6月7日放送)で佐藤の演技や、新たな演出も加わったスピンオフ作に対してコメントした。
話のきっかけは、5月12日に中山の近くで『Endless SHOCK -Eternal-』を観劇したというリスナーからのお便り。「真剣に観劇している姿が印象的でした」との声を受け、「いや~、面白かったですね」「本編ももちろん面白いんですけど。本編を知ってる人がほとんど見てるからこそ、『Eternal』ってスゴい良かったなって思う瞬間もあったりとか」と絶賛した。
なお、『Endless SHOCK -Eternal-』の公演時間は休憩を省くと約2時間で、本編よりも時間は短縮されているが、出演者からすると「『Eternal』になって結構キツくなった」と言う人も多いという。
「っていうのは、『Endless SHOCK』ってホントに体力勝負の舞台なんですけど。それが短くなったらラクになるかなと思いきや、やっぱ見どころ、メインディッシュがバーっと集まってギュッと凝縮されたわけなんで。もちろん、体力的にキツいところが一気にバーっと並ぶようになって。結構、『休憩時間がなくて大変だ』っていう意見もね、聞いたりとかして。その分、見てるほうとしては見応えが本当にある作品」
そんな中で、過去に出演した中山が観劇中にどこを見てしまうかというと、やはり自分が担当したライバル役だったとか。
「見る時に感情がより動いちゃうというのはあるんですけど。そこを佐藤勝利が演じてて。勝利の若さの中のギラギラさと、思い通りにならない未熟な自分との向き合い方みたいなところが、僕はスゴく良かったなというか。感動するポイントもたくさんあって」
ちなみに、今回は公演期間中に一部の演出を調整。楽曲「Higher」を披露するシーンで、本編のライバル役は「踊れない」といった感情だったが、『Eternal』バージョンでは佐藤が途中から踊る展開に変わったのだ。中山が見に行ったのは変更後だったため、
「そこを見た時に、もう完全に踊ってるほうが良くて。スゴい、踊るのって、これが正解やんって僕の中では思ったんですね。っていうのは、踊ることでコウイチっていう人物に対しての敬意だったりとか、抱えてたものが吹っ切れる瞬間に僕には見えて。もちろんそれは、光一くんの演出で。ここまでやってきて、そこを変えてくるのってスゲーなって思うんですけど。それぐらいでも、素晴らしかったですね」
とベタ褒めしていた。
また、中山は同作ならではの殺陣、オーケストラによる生演奏にも感動したほか、『SHOCK』の代名詞ともなっている“階段落ち”のシーンは特別な気持ちが芽生えたようだ。
「最後に見た階段落ちは、俺は上からだったなと思って。僕が(主人公・コウイチを階段に)落としてると言っても過言ではない役なんで。その光一くんが落ちてく姿を僕はずっと見てたんですよ。(大阪の)梅田芸術劇場で、最後に。それで何十回も見てて。こないだ下から見た時に、あ、俺、上から見てた……って。それで一気にその時の感情と、リンクして。あの時の感情を思い出したというか。『SHOCK』のね、大変なことも楽しかったこともいろんなものを思い出した瞬間でしたね。総称していうと、『Eternal』はホントに素敵だった」
なお、『SHOCK』ファンの佐藤にとっては念願の初出演となったが、中山は「それがやっぱ功を奏してたというか、情熱がすごく伝わってきて、素敵でしたね」と健闘を称えていた。
9月5日~10月2日にかけては、福岡県・博多座に場所を移し、ライバル役はKis-My-Ft2・北山宏光にバトンタッチする。6月6日、同劇場の公式サイトは「まん延防止等重点措置が解除されて2か月以上が経過し、福岡県内の新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いた現状に鑑み、安心安全を最優先に感染症予防対策を実施の上、『Endless SHOCK』本編(作・構成・演出・主演 堂本光一)の上演に変更させて頂くことといたしました」とアナウンス。しかし、今後の状況によって上演形態を再度検討する場合もあるという。
再び、佐藤のライバル役が見られる機会にも期待したいものだ。