• 日. 12月 22nd, 2024

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『万引き家族』撮影現場での “ハラスメント疑惑”――安藤サクラは突然「前貼り」指示に困惑

 6月11日、是枝裕和監督が手がけた映画『万引き家族』(2018年公開)が、フジテレビ系「土曜プレミアム」枠で放送される。是枝監督といえば、3月に“映画界の暴力行為や性加害問題”について、有志で集まった映画監督6名からなる声明を発表して話題になったが、「実は『万引き家族』においても“ハラスメント疑惑”があった」(映画誌ライター)ようだ。

 『万引き家族』の主人公は、日雇い労働者の柴田治(リリー・フランキー)と、その妻でクリーニング店のパート従業員・信代(安藤サクラ)。治と万引きをする息子・祥太(城桧吏)や、信代の妹で“JK見学店”に在籍する亜紀(松岡茉優)も一緒に、表向きは“独居老人”である治の母・初枝(樹木希林)の家で暮らす中、両親から虐待を受けていた少女(佐々木みゆ)を保護する……というストーリーだ。同作は、「第71回カンヌ国際映画祭」において、最高賞であるパルム・ドールを獲得し、世界中で話題になった。

「今月24日に是枝監督の最新作『ベイビー・ブローカー』が公開される記念として、今回、『万引き家族』がテレビ放送されます。そんな是枝監督は、今春、榊英雄監督などによる女優への性行為強要報道が問題になった際、諏訪敦彦、岨手由貴子、西川美和、深田晃司、舩橋淳の5人の監督と連名で『私たちは映画監督の立場を利用したあらゆる暴力に反対します』という声明を出し、世間から注目を集めました」(同)

 この声明では、問題の報道に対して「被害にあわれた方々がこれ以上傷つくことがないこと、また当該の映画監督の作品において権限のある立場の関係者は、その現場で同様の問題がなかったかを精査すること、もしあった場合には被害者のために何ができるかを検討することを望みます」と記されたほか、「映画監督はその暴力性を常に意識し、俳優やスタッフに対し最大限の配慮をし、抑制しなくてはならず、その地位を濫用し、他者を不当にコントロールすべきではありません」など、あらためて映画監督の在り方とは何かを示すものだった。

「しかし、実は是枝監督の『万引き家族』撮影時にもハラスメント疑惑が浮上していたんです。18年に映画ウェブマガジン『FILMAGA』のインタビューを受けた安藤は、予定されていなかった裸での撮影があったと告白。“事後”のシーンで『映しませんから、大丈夫です』と説明されていたにもかかわらず、『現場に行ったら、「前貼りで」と言われて』と対応を迫られ、『「どうしよう。でも、もう今日だし、どうしよう」とオロオロ』したものの、諦めて撮影に応じたとか。今年、映画業界のハラスメント問題が取り沙汰された際、一部SNS上でこのインタビューが掘り起こされ、裸になるというセンシティブな演技を、当日になって突然伝えるのはおかしいと、物議を醸しました」(同)

 また、松岡も同年のウェブサイト「リアルサウンド」のインタビューで、JK見学店のシーン撮影時、登場予定のないリリーがその場にいたことに言及。同インタビューの対談相手だった安藤が、松岡と共演者・池松壮亮のJK見学店のシーンに触れながら、「私とリリーさん、2人(松岡と池松)がテストしている場にいたんだよね。イヤだろうなと思ったから私は見てはいなかったけど」と話すと、松岡は「いましたよね?」と反応し、当時のやりとりを振り返った。

「JK見学店とは、男性客が、制服姿の女の子をマジックミラー越しに見学できるというお店なのですが、松岡はそのセットでのシーンを見られるのが嫌だった様子。当時、安藤とリリーに『やだ! なんでいるんですか!』と言ったものの、リリーからは『別に見に来たわけじゃないよ』と返されたといいます。しかし、松岡によると『やっぱり見てたんですよね、リリーさん(笑)』といい、やはりこの件も、ここ最近、映画界のハラスメント問題が物議を醸す中、SNSで問題視されました」(同)

 そんな『万引き家族』でのハラスメント疑惑が浮上する中、是枝監督は、映画界の問題をめぐって声明を出したわけだが、Twitterでは、監督本人が釈明を投稿したことも。

「是枝監督は4月16日に自身のTwitterで、松岡の件に関し、『これは謂わゆる「濡れ場」ではなく膝枕のシーンのことだと思いますが、家のセットと同じスタジオ内にこのシーンのセット(四方を壁で囲んだ個室)があったのでリリーさんは自分の撮影終わりに松岡さんに声を掛けて帰られただけで「関係ないのにわざわざ見学に来た」わけではありません』(原文ママ、以下同)と説明したんです」(芸能記者)

 松岡と是枝監督の言い分には食い違いが見られるが、その後、是枝監督は上記投稿を引用しながら、「ただ、先日インティマシーコーディネーターの方とお話させていただいて、露出度の問題ではなく役者さんから繊細な対応を求められるシーンに関してはセットを別にするなど、より丁寧な対応が必要だとアドバイスいただきました。努力します」と、対応の改善に努めることを表明したのだった。

「是枝監督が、日本映画界のハラスメント体質を変えなければいけないと思っているのは事実でしょう。過去のことを含め、俳優やスタッフの声に耳を傾けながら、まずは自らがお手本となって、その改革に取り組んでくれると期待したいです」(同)

 今後、日本の映画監督は、作品の出来栄えだけでなく、いかに健全な制作現場を実現できるかを問われる時代になりそうだ。

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