下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
「侮辱罪」を厳罰化する改正刑法が成立した。インターネットなどでの誹謗中傷が大きな社会問題となっていることからの流れだが、しかし問題は多い。これが政治家や権力者への正当な監視、批判活動に適用される恐れもあり、表現の自由、言論の自由を妨げるという懸念もあるからだ。恣意的な適用をされる危険性もあり、昨今の腰が引けたメディアはさらに萎縮するだろう。その適用には“監視”の目が必要だ。
第605回(6/9〜6/14発売号より)
1位「マリアン 『元夫とその元愛人と』不気味すぎる同居生活」(「女性セブン」6月23日号)
2位「石田ゆり子と米倉涼子 『共演NG』15年因縁の決着は『安住紳一郎』」(「女性セブン」6月23日号)
3位「市川染五郎 乗り越える“役が来ない”ジンクス」」(「週刊女性」6月28日号)
マリアン、懐かしい名前だ。40代以下の人はほとんど知らないのではないのか。かつてのお騒がせタレントで1980年代から90年代にかけて私生活ネタでワイドショーを騒がせたことも懐かしい。そんなマリアンの現在の状況を「女性セブン」が報じている。
記事は、まずこれまでのマリアンの軌跡を追っているのだが、改めて読んでも波乱万丈だ。少々コンパクトに紹介すると、独身時代には数々の男性と浮名を流したマリアンだが、87年、25歳の時、結婚相手に選んだのは超お金持ちの実業家男性。そして挙式費用は、なんと2億6000万円なり! それから8カ月後、実業家夫の浮気が発覚するも、どうにか夫婦生活は続行し、3人の子どもも生まれ、そのゴージャスな生活も話題に。が、その間もお金持ち夫の浮気癖は直らず、98年に離婚する。
この離婚劇もマスコミを大いに騒がせた。マリアン自身がテレビ番組で夫の不貞を涙ながらに訴えたが、その後、慰謝料5億円と月150万円を請求していたことが発覚し、大バッシングが巻き起こったからだ。さらに夫の両親も参戦し、悪口、暴露合戦。そんなドロドロの離婚劇はワイドショーにとって格好のネタだったため、これを連日大きく取り上げてた。ワイドショーも、まだまだ元気だった時代だ。懐かしい。
そして、ここからが本題だ。マリアンと離婚したお金持ち夫は、その8カ月後ホステスだったB子さんと同棲していることが発覚、その後再婚し子どもももうけた。当時、B子さんとは不倫の関係だったのではとの疑惑も指摘されたが、その後、元夫とB子さんも離婚してしまったらしい。
だが、しかーし、現在、マリアン、元夫、B子さんの3人が同じマンションに同居しているというのだ。確かに「セブン」による仰天スクープだ。しかも、このマンション、元夫の所有で土地だけでも10億円はくだらないという物件。
元夫は今でもお金持ちだ。そしてマンション3階の400平米を超える部屋で、3人が同居しているという。確かにタイトル通り“不気味”だが、「セブン」の直撃に答えた元夫によると、マリアンとの間に生まれた長男夫婦も同居していて、B子さんの子どもも泊まりにくるなど、マリアン一家、B子さん一家の関係も良好らしい。
記事では60歳になったマリアンが老後の生活に不安を感じ、元夫を頼ったのではと推測しているが、それにしても斬新だ。しかも、この同居生活は元夫の財力があってのものだろう。すごいなお金持ちって。そして思った。当時マスコミにバッシングされたが、ここまでわかりやすい成金的、上昇志向的芸能人がめっきり少なくなったな、と。
さらに思った、マリアンネタがトップクラスの特集3ページになっているのが女性週刊誌の現状だと。
芸能マスコミでときおり掲載される共演NGネタ。しかし、その多くが大物俳優やタレントが長年共演したことがなかったというだけで、マスコミが勝手に推測したり、または本人たちは別にNGではないのに、テレビ局や制作サイドが、なんらかの理由で勝手に忖度NGにしていることからマスコミが騒ぎ立てて、というパターンも多い。
そんな中、「女性セブン」がぶち上げたのが石田ゆり子と米倉涼子の共演NGネタだ。2人は15年以上共演がないというが、記事によれば、その理由はいくつもあるようだ。
まず安住紳一郎の存在。石田からの強いラブコールで石田のラジオ番組にゲスト出演した安住。番組中、安住を愛する人たちの話題になったが、安住大好き人間として知られる米倉の名前は一切出なかった。これが一つ。
そして、もう一つが“恋人かぶり”だ。かつて2人は、ともに俳優の岡本健一との熱愛が報じられたことがあった。最後は鈴木京香の存在だ。長年、鈴木と米倉は共演NGとうわさされてきたが、昨年、米倉は自身のディナーショーに鈴木をゲストとして招き、うわさを全否定した。にもかかわらず、石田との共演NG疑惑には現在までも言及されないから、だそうだ。
まあ、どれもこれもこじつけっぽいよね。説得力がない。唯一なるほどと思うのが恋人かぶりくらいか。
そして案の定、この記事が世に出るやいなや、当事者の一人である石田ゆり子が大激怒。自身のインスタグラムに「全く根も葉もないことを書かれて勝手に共演NGと言われるのは非常に困ります。本当に困ります」と全否定、それだけでなく、「こういう根拠の全くないネットニュースを書くかた 何を考えてるんでしょうね…みんなが迷惑ですし、わたしも困りますので」と「セブン」批判も繰り広げたのだ。
石田のおっしゃることは、ごもっともだと思う。単に15年共演していないだけで、こんな特集記事を書いちゃうんだから。そして、タイトルを改めて見て思った。「石田ゆり子と米倉涼子」。米倉より石田のタイトル名前順が先なんだ、上なんだ、と。これって芸能界での順位でもあるわけで。石田ゆり子、恐るべし……。
NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』でも話題になった市川染五郎17歳。若き歌舞伎界のプリンス、素敵です。だが、そんな染五郎には歌舞伎俳優として“弱点”があるらしい。それは「顔が小さい」こと。歌舞伎では顔が小さいと迫力に欠けてしまうのだとか。うらやましいような、かわいそうな、そんな染五郎の“弱点”ネタだった