韓国の男性7人組音楽グループ・BTS(防弾少年団)が6月14日、公式YouTubeチャンネル「BANGTANTV」を更新。メンバー全員が出演する動画内で、グループ活動休止とソロ活動専念を発表したとして、ファンの間に大激震が走る中、「日本のマスコミ界隈にも大混乱が起きていた」(週刊誌記者)という。
2013年6月に「NO MORE DREAM」でデビューしたBTS。14年6月には日本デビューも果たし、今年で8周年を迎える中、最新アルバム『Proof』が今月13日に発売となったばかりだが……。
「同14日公開のYouTube動画で、メンバーからグループ活動の休止、およびソロ活動に専念する旨が発表されたとの情報が広まり、ネット上のファンは騒然となりました。しかし、日本のマスコミがこの件を正式に報道できるようになったのは、翌15日の昼頃。BTSは世界的アーティストとあって、不確定な情報を発信しないよう、マスコミはレコード会社など関係各所にきちんと確認を取ったうえでなければ、報道できないからです。国内大手芸能プロ所属タレントに関するニュースを伝える際も、かなり慎重な確認作業を行わなければいけませんが、BTSの場合は、それ以上の対応を求められることもあります」(同)
マスコミ関係者は、YouTubeの発表を受けて速報を出そうとしたものの、その確認作業に難航していたようだ。
「メンバーによる発表ではあったものの、“ドッキリ”などの可能性もゼロではないため、そのまま記事化するわけにはいかず。しかし、国内でBTSの窓口を担当しているレコード会社・ユニバーサルミュージックも、こうした内容の発表があることを把握していなかったようで、マスコミ各社からの問い合わせに回答できない状況だったといいます」(テレビ局関係者)
結局、一部メディアが15日未明、関係各所への確認なしで「活動休止」の記事をネット配信し、雪崩のように他社も記事化に踏み切ったという。
「現在、BTSはネットのニュース記事一つとっても、日本の広報担当者に内容の確認が義務付けられているので、今回はかなり異例の展開となりました。そもそもマスコミ各社が、国内ではほぼ前例がない『全媒体の全記事内容を事前にチェックする』というルールを守り続けてきたのは、それだけBTSの存在が大きいということ。ルールを破って、BTSの記事を取り扱えなくなるのは、会社にとって大きな損失だと思われているわけです」(同)
ところが、翌15日には一転、BTSの所属事務所が文面で、正式に“今後の活動計画”を発表。これによると、メンバーが個々の活動に力を入れていくことは事実であるものの、グループ活動を休止するわけではないという。
「メンバーはソロ活動をしながら、グループでの活動も並行して継続する形だそうです。BTSの広報サイドは、マスコミに対し、『活動休止』という言葉を使わないでほしいと通達しているといいます。メンバーのジョングクも同日、ライブストリーミングアプリ『V LIVE』にて生配信を行い、今後もグループ活動を行うと説明し、『グループ活動休止説』を否定。ただ、14日公開の『BANGTANTV』で、リーダーのRMが涙ながらに、BTSの方向性に悩んでいることや、楽曲制作において伝えたいことを見失っていると明かしていたのを見るに、ファンは今後のグループ活動に不安を抱かざるを得ないでしょう」(同)
活動休止ではないものの、メンバーがグループ活動に行き詰まりを感じているのは確かなだけに、マスコミも「どこまで踏み込んで記事を書いていいものか」と頭を悩ませているようだ。
「さらに今回の発表は、最年長メンバー・ジンの徴兵問題が絡んでいるとの見方がある。韓国では原則として、男性は満20歳~28歳の誕生日を迎えるまでに、約2年の兵役に就くことが義務化されているものの、昨年6月の法改正により、BTSは『大衆文化芸術分野優秀者』として、この年齢制限が30歳まで引き上げられていたんです。しかし、ジンは今年12月に30歳を迎えるため、いよいよ入隊しなければならず、メンバー全員でのグループ活動が、事実上難しくなるのではとみられています。ただ韓国の徴兵制度に関する事柄は、日本の一般メディアだとなかなか記事化しづらいようです」(前出・週刊誌記者)
このように、ファンだけでなくマスコミ界隈にも混乱を招いたBTSの発表だが、今はメンバー本人たちの希望に沿った活動が展開されるよう祈るしかない。