――北海道から沖縄まで、それぞれの地域でロングセラーを誇るローカルな調味料や、地元に根ざした注目の調味料をピックアップ。調味料ソムリエ/野菜ソムリエ・MICHIKOさんが紹介していきます。
和歌山県の味【お手間とらせ酢】
今回は、お寿司の発祥の地ともいわれる和歌山県にある、創業百余年、酢と酒を醸す蔵元が造る「お手間とらせ酢」(株式会社九重雑賀)の紹介です。
その名の通り、手間いらずでおいしい酢の物料理が作れる万能「だし酢」。だし醤油は数多くあるけど、だし酢はあまりないですよね。
材料は良い素材こそが良いものづくりの基本だという思いから、国産素材にこだわっています。地元紀州の豊かな自然の中で、酒米から栽培して日本酒をつくり、その酒粕から酢をつくる、という“一貫造り”を行っています。よく酒のふたを開けっ放しにしておくと、酢になる、といわれますが、食酢と酒を一緒に作っているメーカーはほとんどなく、気を配り、手間暇をかけることでおいしい酢が出来上がります。
だしには鰹節や昆布をふんだんに使い、造り酒屋でもある技術を生かし、大吟醸を搾る時に行う「袋吊」をアレンジしてじっくりと引いた、濃厚な自家製の一番だし。ほかに、上品な甘みのあるてんさい糖を使うことで酢のツンとした香りを抑え、本醸造のうすくち醬油を加えて色合いを淡くしています。
つけるだけ、かけるだけで、そのまま酢の物料理として使える万能だし酢。一口味わえば、だしの風味と旨み、優しい酸味と甘みがほどけるように広がります。保存料や着色料はもちろん、化学調味料、だしエキスも一切使わずに、手作りにしか出せない味わいを大切にしています。
【お手間とらせ酢】アレンジレシピ:ゴーヤとチーズのだし酢和え
ゴーヤの苦みはチーズの味わいでマイルドに♪ ダブルのだしとかつお節の効果、日本酒に合う一皿。
【材 料】(2人分) | 分量 |
ゴーヤ | 1╱2本(100g) |
枝豆(さやから出す) | 25g |
モッツアレラチーズ(ひとくちタイプ) | 50g |
かつお節 | 3g |
お手間とらせ酢 | 大さじ1.5 |
【作り方】
1)ゴーヤは縦半分に切り、スプーンで種とワタを取り、薄切りにする。塩(分量外)少々を加えて混ぜ、数分置き、サッと水で洗って水けをとる。
2)枝豆は塩ゆでし、さやから出しておく。モッツァレラチーズは半分に切る。
3)ボウルに1)と2)、かつお節の3╱4量とお手間とらせ酢を加えて、混ぜ合わせる。
4)器に盛り、残りのかつお節をトッピングする。
*ゴーヤはサッと湯通ししても。
【お手間とらせ酢】アレンジレシピ:サーモンとほたてのだし酢マヨサラダ
プリプリの魚介類を使い、和洋風なおつまみに、丼にも♪
【材 料】(2人分) | 分量 |
サーモン(刺身用) | 100g |
ホタテ貝柱(刺身用) | 80g |
みょうが | 2個 |
大葉 | 3枚 |
A)お手間とらせ酢、マヨネーズ | 各大さじ1 |
【作り方】
1)サーモンとホタテ貝柱は1.5cm角に切る。みょうがと大葉は千切りにする。
2)ボウルに、A)、1)を加えて混ぜる。
3)器に盛る。
*お好みでバケット等に添えても。
「お手間とらせ酢」、オススメは味噌をまぜて酢味噌!
「お手間とらせ酢」は、タコ、カニ、ジャコなどの魚貝類、もずくやわかめなどの海藻類、キノコや山菜、おろし大根やキュウリなどの野菜類、焼魚や炒めた肉などに、上からかけたり。洋風マリネや、ごま油をプラスして中華風酢の物や南蛮漬けにも。ところてんにも。
オススメは味噌をまぜて酢味噌に。お好みで一味唐辛子を加えても。何にでも、かけるだけ、つけるだけ、まぜるだけで使える万能だし酢です。
ほかに、炊いたご飯に混ぜるだけで、柚子の皮入りすし飯ができる「雑賀 柚子 寿司召し酢」などがあります。これ1瓶あれば、あなたも料理上手に♪