覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。
「元ジャニーズ」は一生ついて回る
6月20日、覚醒剤取締法違反(使用、所持)などの疑いで逮捕されていた「元KAT-TUN」の田中聖さんの判決が出ましたね。
懲役2年の求刑に対して懲役1年8月・執行猶予3年。想定内です。しかし「8カ月」てハンパやなと思たら(普通は「6カ月」ですよ)、危険ドラッグの「ラッシュ」所持の「医薬品医療機器法違反(指定薬物所持)」の分のようです。
あと場所が名古屋地裁のせいか、各メディアの使用していた画像が古いのも気になりました。現地で写真を撮ったのは名古屋の中日新聞だけみたいです。編集者さんに聞いたら、「ジャニーズをやめて10年近いから、あんまりニュースバリューないんでしょうか。もう『元KAT-TUN』も気の毒じゃないですか」と言われました。
いや、それはちがうと思いますよ。瑠美は自分にも言い聞かせてますが、前科も経歴も一生ついて回ります。「元」をつけられる「現実」に向き合ってほしいです。
あとクスリ(違法薬物)に手を出した理由は、「ジャニーズ事務所を辞めたら忙しくて……」みたいですが、そしたら「10年も前からクスリをやってたのんかい!」と思われるかもしれません。弁護人は、もう少しマシな言い訳を考えるべきでしたね。
それにしても、ここまで騒ぎになっても坊主頭にはしないんですか? 昔は坊主頭が似合ってたのに。瑠美はジャニーズは詳しくないのですが、聖くんはかっこいいですよね。ちなみに懲役太郎さんも同じ意見でした。
執行猶予でよかった?
インターネットのええところでもあり、悪いところでもあるんですが、この判決もいろんな人がいろんなことをネットに書いてますよね。
高知東生さんはツイッターで「執行猶予判決ホッとした」「(聖さんに)必要なのは回復支援だと思う」「本当に彼の再犯防止を願い、一人の人間を救いたいと思うなら今騒ぐよりも、彼の回復過程を見てから記事にして欲しいな」と書かれてましたね。
こうゆうコメントは少数派で、冷たい報道や意見が目立ちますね。特に写真週刊誌の「フライデー」(講談社)は「薬物で2度逮捕も執行猶予」「ベロ出し挑発写真」、「フラッシュ」(光文社)は「ホテル代は女性持ち」「“昏睡ドラッグ”も強要」とか、正直微妙です。いい悪いは別にして、薬物の逮捕が2回目でも、起訴は今回が初めてですし、ホテル代は女性が持ちたくて持ったのとちがいますかね。
「執行猶予は必要ない」的な記事もありましたが、クスリ事件は1回目の起訴では執行猶予が「お約束」なんで、いきなり判例を変えるのも裁判所的には邪魔くさいんかなとも思います。
前も書きましたが、「逮捕された時がやめる時」なんで、ここでスパッとやめて、執行猶予期間中にこれからのことを考えてください。
あと、聖さんはご家族と仲がええので、更生の見込みはあると思います。聖さんは、保釈後の3月に自分のYouTubeチャンネルで「今回、大切な人たちを裏切り、キズつけてしまった」「きちんと背負って償っていこうと思っています」と話してますし、裁判には情状証人としてお父さんが出て、聖さんについて「家族思いの優しい子。家族全員が協力します」と話したそうで、よかったですね。
執行猶予であっても聖さんの「覚醒剤依存症」のレッテルは一生取れませんから、聖さんは毎日を大切にして、まずは一日の終わりに「今日もクスリをやらなくて済んだな」と思うことから始めてください。応援してますよ。