日本テレビは6月17日、6回目となる女性芸人限定の演芸コンテスト『女芸人No.1決定戦 THE W 2022』(以下、『THE W』)の開催を発表。現在、女性芸人のエントリーを受付中だが、ネット上では“決勝進出枠の増加”が賛否を呼んでいるようだ。
「WOMAN(女性)」と「WARAI(笑い)」の頭文字を取った『THE W』は、“最も面白い女性お笑い芸人を決めるコンテスト”として2017年にスタート。出場条件はプロ・アマ不問で、芸歴、年齢、人数など制限はないものの、男女コンビのように男性が1人でも所属しているグループは出場不可となる。
なお、前回は、決勝戦で“カニのストーカー”を題材にしたコントを披露したオダウエダが優勝。今年の決勝戦も、例年と同じく12月に生放送を予定しているという。
「歴代優勝者の阿佐ヶ谷姉妹や3時のヒロインがブレークしたことや、第4回大会から1回戦の動画審査のエントリー料が無料になった(2回戦出場者は2,000円支払う)こともあってか、昨年は史上最多の700組がエントリー。今年も優勝者には、賞金1000万円のほかに、副賞として日テレ系番組出演権と冠特番が贈呈されるとか。日テレの手厚いバックアップにより、テレビタレントとしてのブレークが期待できる大会です」(芸能ライター)
また、これまで決勝に進出できるのは10組だったが、今年は12組に増枠するという。これについて、同番組プロデューサーは「1人でも多くの女性芸人がこの大会をきっかけにブレイクし、世の中に笑いを届けてもらえればと切に願っています」とコメントしているが、ネット上では「毎年『つまらない』って言われてるから、日テレは“数打ちゃ当たる”作戦に出た?」「12組に増やしたら、ますますつまらない組が増えるだけでは」と厳しい声も見られる。
「というのも、『THE W』は放送後、決まって『ネタがつまらない』『ほかのお笑い賞レースに比べてレベルが低すぎる』と不満の声が続出し、そのせいもあってか、世帯平均視聴率は19年以降、右肩下がり。第1回大会は『キングオブコント』(TBS系)の9.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を上回る13.1%を記録していましたが、昨年12月の第5回大会は8.9%と1ケタにまで落ち込んでしまいました。今年、ファイナリスト枠を増やした意図は不明ですが、一組一組の存在感が薄まってしまうため、『大会というより、ただのネタ番組っぽくなってしまうのではないか』などと、ネガティブに受け取るお笑いファンも少なくないようです」(同)
女性限定といえば、今月25日にも『まっちゃんねる』(フジテレビ系)で女性タレント限定の大喜利大会『IPPON女子グランプリ』が放送されたばかりだが、ネット上では「そもそも、ほかのお笑い大会は女性も出られるのに、『THE W』はなんで女性以外を排除するの?」「ジェンダーフリーが叫ばれてる中で、なんでお笑いは“女性しばり”が許されるの?」と疑問の声も少なくない。
ちなみに、千原兄弟の千原ジュニアも、2月に公開したYouTube動画の中で、『THE W』への違和感を吐露。「正直、『THE W』って、この時代にちょっと時代錯誤というか、そこの分け方って大丈夫なの? みたいな」などと話していた。
「同様の意見は大会開始当初から出ていましたが、年々強まっているようにも感じます。その一因として、『NHK紅白歌合戦』が、昨年から『紅組司会』『白組司会』『総合司会』という名称を取り止めて『司会』に統一するなど、多様性を意識したテレビ番組が、各局で増えていることもあるでしょう。そういった点では、『THE W』が今年も条件を一切変えずに募集を始めたのは驚きです」(同)
エントリー数が増加傾向にある一方で、「時代錯誤」と批判も多い『THE W』。今年は「つまらない」という声が減るといいが……。