下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
参院選挙投票日を控えた7月8日、安倍晋三元首相が狙撃され死亡するという衝撃的事件が起こった。これを受け「女性自身」「週刊女性」が報じている。締め切りを考えるとバタバタだったと思われるが、表紙にも記事タイトルが。週刊誌の執念。
第609回(7/7〜7/12発売号より)
1位「広瀬すず『今カレと元カレは親友』“シン・魔性の女”に山崎賢人が落ちるまで」(「女性セブン」7月21日号)
同「広瀬すずと山崎賢人、“事務所も認めた”ビッグカップル報道が「なぜかすぐに沈静化」した経緯と理由」「週刊女性PRIME」7月11日配信)
2位「なぜ今、電力は無いのか?」(「週刊女性」7月26日・8月2日合併号)
3位「安倍晋三元首相を銃撃した元海自隊員のアブない素顔」(「週刊女性」7月26日・8月2日合併号)
同「安倍晋三元首相 凶弾2発が奪った『愛妻と日本漫遊』 夢の引退後計画」(「女性自身」7月26日・8月2日合併号)
ちょっとびっくりした広瀬すずと山崎賢人の熱愛発覚。スクープしたのは「文春オンライン」で、記事は広瀬の誕生日に東京ドームで開催された『THE MATCH 2022 天心VS武尊』を仲睦まじく観戦するなど、常に行動を共にし、すでに“半同棲”だとも報じている。人気俳優同士のビッグカップル誕生だが、これを後追いした「女性セブン」、そして「週刊女性PRIME」の内容がなかなか興味深い。
まずは「週刊女性PRIME」。記事は広瀬と山崎というビッグカップルの熱愛にもかかわらず、なぜか報道が加熱せず、すぐに沈静化してしまったことを指摘、その背景を探っている。芸能報道の舞台裏、ってやつだ。
そもそも「文春オンライン」に対し、双方の所属事務所は「プライベートは本人に任せております」と熱愛を否定しなかった。にもかかわらず、マスコミは積極的に後追いはしていない。
しかも、広瀬が出席した富士フイルムのイベント取材に多くのマスコミも来ていたが、熱愛には触れなかったこと、また一部スポーツ紙が「熱愛報道の広瀬すず」というタイトルをつけたのに、その後「熱愛報道の」との文言がカットされたという不可解な状況を「週女」は指摘。その上で、マスコミの対応について、事務所からの圧力をこう匂わせた。
「やはり所属事務所としては“変に騒がれたくない”というのが本音。大手事務所の場合はテレビや新聞などメディアに顔が効きますから、後追いさせないよう働きかけるケースもあり、広瀬&山崎の報道にも、そういったことが水面下で行われたのかも。どちらかの事務所、あるいは両事務所が、記事の見出しにまで気を遣うようにしている可能性はあります」(芸能ライター)
芸能界、芸能マスコミではよくあるケースだが、同じく芸能界のしがらみを多く抱えているはずの「週女」がこれを指摘していることが面白い。まあ、雑誌本体ではなくウェブだからこそ、かもしれないが(笑)。
そんな裏話的「週女」に対し、「セブン」は、広瀬の“意外な素顔”について掘り下げた。というのも広瀬は自他共に認める“人見知り”。しかし、その一方で、“人見知り”とは思えないほど数々の浮名(?)を流してきた。うわさになっただけでも成田凌(山崎と親友)、中川大志(同じく山崎と親友)、新田真剣佑、生田斗真と大物ばかり。そしてこんな解説が。
「男性で彼女と会って悪い印象を抱く人はまず聞いたことがありません。人見知りというけど、一度打ち解けると距離を詰めるのも自然で上手」
“男性で”と限定的にエクスキューズするのが少々気になるが――女性に対してはそうではないのか? 男女で対応を変えるのか? だから魔性なのか? と突っ込みたくなるのだが――でも、そういうことらしい。
だが、「セブン」ではさらに驚きの新事実を暴露した。広瀬と山崎が『THE MATCH 2022 天心VS武尊』を観戦した際、そこには「中年女性」と「若い男性」が同席していたと「文春オンライン」は報じている。だが「セブン」によると、この2人は、広瀬の母親と兄だったというのだ。家族にも紹介し、カモフラージュ役にもしていた。
広瀬すず、確かに超やり手かつ魔性かも。
かなり早い異常な猛暑に襲われた日本において、叫ばれたのが電力不足だ。熱中症予防のためエアコン使用が呼びかけられているが、一方で節電を“強要”され戸惑った人も多いだろう。だが従順なこの国の人々は、それでも必死に節電に協力した。
でも、電力不足ってどういうこと? そんな疑問を抱いた人も多いだろう。猛暑はある程度予測できたものだし、先の東日本大震災・原発事故の時のように「計画停電」で脅された記憶もある。
そんな疑問に答え、電力不足説に切り込んでいるのが“社会派”「週刊女性」だ。欧米も猛暑に襲われたが、電力不足は起きなかった。そして日本の状況をこう切り捨てた。
「日本は途上国のような電力不足に見舞われており、完全に“人災”といえる。電力会社と政府の完全なる失敗です」
こう指摘をするのは環境エネルギー政策研究所の飯田哲也氏だ。さらにその背景として、日本の電力の自由化は見せかけだけのもので、依然として電力会社が発電も販売も独占している状態で、そのため途上国のような電力危機を招いたと指摘した。
さらにエネルギーアナリストの大場紀章氏は、逆に自由化によって電力会社が安定供給よりコストを重視、さらに“たぶん大丈夫”との希望的観測が今回の危機を招いたと指摘する。
国民に節電を求めるばかりの政府や電力会社の無策と欺瞞――。甚大な原発事故を起こしたにもかかわらず、この国の政府と電力会社の体質は、改まったわけではないと考えさせられた特集記事だった。
いまだその衝撃がいまだやむことはない安倍晋三元首相への襲撃事件。犯行に及んだ山上徹也容疑者の背景などが徐々に明らかにされているが、「週刊女性」「女性自身」もいち早くこれを報じている。「週女」では容疑者の人物像を周辺取材から、「自身」は昭恵夫人と安倍元首相の夫婦愛、絆について、だ。
もちろんこうした報道も仕方ないが、しかし多くのマスコミ報道を見ていると、これまでの実績や美談が紹介されるケースが圧倒的に多いことを懸念する。強行された安保法制、森友学園、加計学園、桜を見る会など、いまだ未解明な問題の数々が残されている。今後、これらをきちんと検証することは、絶対に必要だ。