現在放送中のNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』に対する視聴者からの批判が、日に日に強まっている。沖縄の本土復帰50年を記念し、料理に夢を懸ける沖縄「やんばる」地域出身の主人公・比嘉暢子(黒島結菜)の半生を描いた作品だが、「前作の朝ドラ『カムカムエヴリバディ』が業界内外で好評だったのと比較すると、『ちむどんどん』の現状は地獄絵図」(スポーツ紙記者)と指摘されているようだ。
昨年11月1日から今年4月8日まで放送された『カムカムエヴリバディ』は、初回の世帯平均視聴率16.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。同作は、朝ドラ史上初めて3人の女優がリレーする形で、それぞれ別のヒロイン・安子(上白石萌音)、るい(深津絵里)、ひなた(川栄李奈)による、母、娘、孫の3世代の物語が描かれた。
一方、今年4月11日からスタートした『ちむどんどん』は、前作の初回を上回る16.7%で発進したが……。
「ネット上でも評判が良かった『カムカムエヴリバディ』は、中盤以降あたりからテレビ誌やエンタメサイトだけでなく、週刊誌も大々的に取り上げるほどのフィーバーぶりで、同作は大好評のまま終了。しかし、後番組の『ちむどんどん』に関しては、視聴者から内容に対するネガティブな反応が続出しており、それを取り上げたネットニュース記事が乱立している状況です」(同)
『ちむどんどん』が批判されている理由はさまざま。例えば、沖縄の本土復帰50年を記念した作品とうたいながら、今のところ米軍基地問題など、沖縄が抱える課題と正面から向き合っていないストーリーには、視聴者の間で疑問の声が飛び交っている。
「また、登場人物の言動にも批判が多い。開始当初は、暢子の兄である“ニーニー”こと賢秀(竜星涼)の素行の悪さ、また母・優子(仲間由紀恵)がそれをまったく咎めない様子が視聴者を散々いら立たせ、また、暢子の『天真爛漫』という言葉では済まされない、非常識で図々しい言動も、徐々に物議を醸すようになりました」(芸能ライター)
ここ最近では、7月25日放送の第76話で、暢子の婚約者・青柳和彦(宮沢氷魚)の上司であり、視聴者の間で同作“唯一の良心”と言われていた田良島甚内(山中崇)が発した「母親の一番の不幸は、息子と結婚できないことって言うからなぁ」というセリフがネット上で炎上。「そんなことない」「気持ち悪すぎる」といった声が続出した。
このような状況でもっとも心配なのは、やはり主演の黒島の心労。これまで、歴代の朝ドラ女優たちにより“撮影の過酷さ”が語られることも少なくなかったが、黒島の場合は作品へのバッシングも加わるため、なおさらだろう。
「2012年10月1日~13年3月30日まで放送された『純と愛』も、朝ドラファンからクレームが多い作品でした。同作の主演を務めた夏菜は、17年6月放送の『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)に出演した際、『純と愛』は視聴率17~18%台を推移していたのに対し、その前クールに放送されていた『梅ちゃん先生』や次クールの『あまちゃん』が20%超えしていたことを気にして、『それまで楽しく女優をしていたけど、楽しくなくなった』と吐露していました。人気があった『カムカムエヴリバディ』からの流れで『ちむどんどん』を引き継いだ黒島も、同じような重圧を感じているのではないかと懸念されます」(芸能プロ関係者)
せめて視聴率だけでも良い数字を刻んでほしい『ちむどんどん』だが、最近は世帯平均15~16%台を推移中。『カムカムエヴリバディ』は全話世帯平均17.1%でフィニッシュしたが、それを上回ることはできるのだろうか。