シミやクマの原因は、紫外線や過剰なスキンケアといった「外的要因」であることは、広く知られているでしょう。しかし、血行不良やホルモンバランスが崩れるなどの「内的要因」も、シミやクマができてしまうきっかけになるのだとか。
そこで今回は、体の内側からシミやクマを改善する方法について、薬剤師・竹田由子氏に解説してもらいました。
1.シミやクマの原因は、体の内側にあるかも?
シミやクマの原因となる「体の内側の不調」とは、具体的にどのようなものなのでしょうか? まずは、その「不調」を引き起こす原因について解説していきます。
1-1.シミができる内的要因
シミの正体は、表皮細胞から作り出される「メラニン」。通常であれば、メラニンは肌の新陳代謝(ターンオーバー)によって排出されますが、血行不良やホルモンバランスの乱れなど、さまざまな理由で新陳代謝がうまく行われないと、メラニンが蓄積してシミができてしまうのです。
ホルモンバランスを乱す内的要因は、生活習慣の乱れ(睡眠不足、栄養不足、運動不足など)、飲酒や喫煙、ストレスなどだと考えられています。
1-2.クマができる内的要因
クマができる原因もさまざまですが、内的要因によりできる場合は「血行不良」が多いです。血行が悪くなると、毛細血管を流れる血液が暗い色に変化し、目の下の薄い皮膚から透けて見えることで、クマが発生してしまいます。
疲れや冷え、ストレスによって血行不良になってしまうほか、目を酷使した場合や、睡眠不足もクマができる原因のひとつです。
2.シミ・クマの改善には、漢方もおすすめ
夏は紫外線対策ばかりに気を取られ、体の内側に目を向けることが少なくなりがち。しかし、内臓が疲れやすい夏こそ、体の内側からケアをすることが、お肌のためにも重要になるのです。東洋医学でも「皮膚は内臓の鏡」といわれ、体の不調は皮膚にあらわれると考えられています。
医療機関でシミやクマを取り除く場合、塗り薬やレーザー治療などを行うことが多いですが、原因が体の内側にある場合は、漢方薬を使うのも効果的。特に、血流を改善する漢方を使用することで、シミとクマどちらの原因にもアプローチできるため、肌の状態が良くなっていきます。さらに、疲れにくい体や、ストレスに負けない体質も手に入れられるので、一石二鳥です。
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):比較的体力があり、下腹部痛、肩こり、めまいがある方に
月経不順、月経痛、更年期障害、肩こり、めまい、湿疹の改善などが期待できる漢方薬。なお、薏苡仁(ヨクイニン)を加えた「桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)」は、肌トラブルによく用いられます。
・加味逍遙散(かみしょうようさん):体力中程度以下で肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちがある方に
冷え症、月経不順、更年期障害、不眠症などの改善にも用いられます。
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):冷えがあり、体力虚弱な方に
月経不順、むくみの改善などにも用いられます。
漢方薬は自分の状態や体質に合っていないと、場合によっては副作用が生じることも。しかし、たくさんの漢方薬から自分に合った漢方薬を見つけるのは大変ですよね。そんなときは、「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに一度相談してみるのもいいでしょう。漢方に精通した薬剤師とAIが漢方薬を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれます。
4.夏こそ「体の内側」から美肌を目指そう!
どんなに日焼け対策を徹底しても、シミやクマがあると、肌はくすんで見えてしまいます。シミやクマがなかなか改善しない場合は、外側からのスキンケアだけでなく、視点を変えて、体の内側から体調を整えてみましょう!
薬剤師・竹田由子
元漢方・生薬認定薬剤師。大学院で臨床薬学を専攻、日米で病院研修を受ける。病院薬剤師として10年間入院患者を担当しながら、化学療法・医薬品情報担当としても活動する。患者と関わるうちに、日常のセルフケアの大切さを痛感。転居後は薬局に勤務する傍ら、ライターとしても活動する。病院時代の上司が漢方好きだったことがきっかけで魅了され、「日常の不調はまず漢方」と思い生活している。現在は、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信中。