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おぎやはぎ・矢作兼、小倉優子の元夫に苦言――「人を見抜く目がある」と自信満々な人に思うこと

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今週の有名人>
「俺が見てやるって言ってんのよ」おぎやはぎ・矢作兼
『おぎやはぎのメガネびいき』(7月28日、TBSラジオ)

 タレントの“ゆうこりん”こと小倉優子が、離婚を発表した。2019年の年末に身重のゆうこりんを置いて、夫が家を出て行ったという別居報道がなされたが、2年半の別居を経て、離婚となったようだ。

 ゆうこりんは、料理上手なママタレとして人気を得たものの、これでバツ2の身に。普通ならイメージが悪化して、仕事を失うこともありそうだが、2番目の夫とは別居期間が長かったため、離婚しても世間に与える衝撃はそれほどないだろうし、今の芸能界は、少しイジられる要素を持っているほうが重宝されるものだ。

 それに、小倉は今『100%!アピールちゃん』(TBS系)の企画で、早稲田大学教育学部の受験を明らかにするなど、新たなキャラを獲得しつつある。なので、ゆうこりんは今回の離婚で、“タレントとしては”損をしていないといえるのではないか。

 離婚は夫婦2人の問題だからいいとして、私が気になるのは、ゆうこりんは今後も親友・ギャル曽根と変わらぬ付き合いを続けるのだろうか、という点だ。

 過去の話を蒸し返してなんだが、19年11月放送の『人生最高レストラン』(同)に出演したゆうこりんは、歯科医である2番目の夫と出会ったのは、「ママ友の紹介だった」と明かしていた。ゆうこりんは好印象を持ち、2回目のデートにはマネジャーとギャル曽根を伴って出かけたという。

 ギャル曽根は、「今日は、彼がゆうこりんのことをどれだけ真剣に考えているか、私が確かめるから。任せて」と、相手の男性を面接することを申し出、実際、元夫に対して「芸能界って良い時もあれば悪い時もある。稼ぎがゼロになる可能性だってある。その時にあなたは養えますか? それぐらいの覚悟でお付き合いを考えていますか?」など質問。そこで、誠実な人であることがわかったといい、「ゆうこりんをよろしくお願いします」と、交際を認めるあいさつをしたそうだ。

 親友に代わって、結婚相手の候補にあれこれ聞きにくいことを聞いてくれるなんて、美しい友情だと思う人もいるだろうが、私はギャル曽根に「『自分は人を見抜く目がある』というその自信は、どこから来るのだ」と聞きたい気持ちになった。

 社会人が日常会話で人格の欠陥を感じさせるとは考えづらいし、お金の話なんてクチだけなら何とでも言える。結婚の場合、男女としての相性もあるし、ある程度の年月を一緒に過ごそうと思うなら、人間的な相性も見逃せない。

 特にゆうこりんの場合、最初の夫との間に男児が2人いるわけだから、その再婚相手には彼らと関係を築く必要もある。また、イメージ商売の芸能人、かつ主にママタレとして売っていたゆうこりんは「ダメだったら離婚すればいい」という軽いノリで結婚することは難しいだろう。そんな「考えることが多い人」に向かって、よく知りもしない人を「この人はいい」と認めるのは危険すぎやしないか。

 11年に結婚したテレビディレクターと円満な結婚生活を送っているというギャル曽根だけに、「自分は人を見る目がある」と思って、ゆうこりんのために一肌脱いだのかもしれない。でも、ゆうこりんとギャル曽根は違う人間だから、“いい人”の基準は違うはずだ。ギャル曽根が思う“いい人”が、ゆうこりんにとって“いい人”である保証はない。今回の離婚を経て、ゆうこりんもそのことに気づいたと思うが、ギャル曽根に不信感を抱かないものかと、気になってしまった。

 しかしながら、「人を見抜く目があれば、円満な結婚生活が送れる」と思っている人は芸能人、一般人含めて多いことだろう。7月28日深夜放送のTBSラジオ『おぎやはぎのメガネびいき』では、矢作兼がゆうこりんの離婚について言及。ギャル曽根が歯科医の元夫にOKを出したことについて、「ギャル曽根もそん時、すげえ食ってただろ。あんなに食ってんのに、(相手がどんな人物か)判断できないだろ」と茶化した後で、「結局またダメかよ。俺が(相手のことを)見てやるって言ってんのよ。すぐわかるよ」と「見る目のある人」に名乗りを上げた。

 「人を見抜く目がある」と言いたがる人は、「離婚に至るのは、どちらかが悪い」と犯人捜しをしたがる傾向があるのではないだろうか。実際、矢作は離婚の原因を、歯科医の元夫側の覚悟のなさだと思ったようで、「ゆうこりんと結婚してるんだから、ガマンしろよな。忍耐が足らないよな」と苦言を呈していた。

 どちらか一方に、不倫や暴力など、明らかな有責行為があるなら話は別だが、欠点のない人間はこの世にいないので、犯人捜しをすると、どちらも悪いことになってしまう。

 しかも「人を見抜く目がある」と自負する人の犯人捜しは、助言する相手の将来にも有害といえる。例えば、「元のパートナーはこういうところがダメだった」と指摘を受けたことで、当人は次のパートナーを探すとき、相手の欠点を見抜こうと疑い深くなり、相手に要求するものがより多くなってしまうだろう。

 夫婦の間で何か起こったか他人は知る由もないが、ゆうこりんの場合、再婚を急ぎすぎたのではないだろうか。40代の初婚男性が交際半年でいきなり2児の父となるのは、ちょっと無理があったように思うし、交際期間が短かったので、2人ともお互いに対する理解を深めるまでいかなかった可能性もある。どちらが悪いという話ではなく、単に2人は「合わなかった」とも考えられそうだ。

 そういえば、矢作が歯科医の元夫にダメ出しをした際、相方の小木博明も「そう、そうなのよ。タレントと結婚するって、そういうことだからね」と同意していた。

 小木は森山良子の娘で、元タレントだった女性と結婚し、森山直太朗と親戚関係になっているから、芸能人と結婚し、芸能一家の一員になる不自由さを、身をもって知っているのかもしれない。一方、矢作の妻は一般人女性だったはず。いよいよ、なぜ矢作は自信満々に、ゆうこりんのパートナーを「見てやる」と名乗り出たのかと不思議に思うが、やはり他人様の結婚相手に口を出すのは、ほどほどにしたほうがいいのではないだろうか。