• 日. 12月 22nd, 2024

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高齢者の友情が途切れる時とは!? 「婦人公論」の友だち特集に見るツライ現実

 「婦人公論」(中央公論新社)の8月号が発売になりました。第1特集は「友だちづきあいは細く長く、自由に」。第2特集は「戦後77年、私たちは語る」です。

 特に第1特集は、寿命が延びている今、年齢を重ねてからの友人関係がどうなっていくのか……と興味を抱きました。読み進めていくと、同誌読者世代にも「夫」「介護」「認知症」「コロナワクチンへの意見の相違」など、さまざまな友情危機があることに気づかされます。さっそく中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎読者アンケート「『続く友情』『途切れる友情』その差はどこに!?」
◎読者体験手記「友よ、さようなら!」
◎佐藤愛子 近況短信

“元気な夫”は友情の足かせになる!?

 まずチェックしていくのは、読者アンケート「『続く友情』『途切れる友情』その差はどこに!?」。総勢235人、平均年齢64.6歳の読者にアンケート調査を行った結果が紹介されていて、リアルなシニア世代の友情が見えてきます。特に、友情が途切れるきっかけについての回答に興味を引かれました。

 「大半が連れ合いを亡くしている」(79歳)ので、元気な夫が後ろめたくて友人と距離が生まれたという理由をはじめ、「定年夫がうるさい。(中略)私が1人で出かけるのを嫌がる」(59歳)ために、友達と会えないといった“夫が足かせ”系の理由、また「耳が遠いので、電話も昔のようにはいきません」(87歳)「認知症になった友人のパートナーから『もう電話も手紙も対応できないので、連絡や誘いを控えてほしい』と言われてしまった」(83歳)など、老化が理由の切ない別れもありました。

 一方、「子育て中は連絡がなかなか取れなかったが、少しずつ会う機会が増えてきた」(58歳)「これからを楽しもうと考えられる友だちが残ったような気がします」(72歳)といった前向きな声も多く、希望も感じられます。友人関係の足かせにならない“程よく元気な夫”つまり、“いい感じに存在感を消してくれる自立した夫” が増えれば、シニア女性の友情はもっと長く続くのかもしれません。

 続いては読者体験手記のコーナーです。今月の募集テーマは「友よ、さようなら!」。紹介された2通には、それぞれ“友人関係に終止符を打った瞬間”がつづられています。

 1通目の女性(63歳)は、大学時代に仲が良かった友人と“専業主婦VS兼業主婦”問題などで、40代前半からギクシャクするようになり、やがて関係を絶ったそう。しかし20年がたって60代になった頃、「学生時代の楽しかった思い出までなかったことにしたくない」と思い、彼女の誕生日に「よかったら一度会いませんか」と書いたカードを送付。返事はなかったため、翌年の誕生日にもう一度、ダメ元でバースデーカードを送ると、その元友人からなんと返事が!

 しかし、そこには「達筆な手紙が重かった。もう送らないでほしい」「P.S.この手紙を読んでも落ち込まないでね」と書かれていたそうです。ツライ……。こんな返事をもらったらもう無視していいぞ! と思いますが、この投稿者は「書きにくい手紙を書かせてしまい、ごめんなさい」で始まる手紙を返送しています。

 映画や小説であれば20年という時間がいろいろ解決してくれそうですが、現実では時がたっても埋まらないモノがあるのだなぁ……と、学びました。

断筆していた98歳・佐藤愛子が電撃復帰!

 今月号で特集以外に気になったのは、作家・佐藤愛子さん(98歳)の近況が紹介されたページです。昨年5月に断筆宣言していた佐藤さん。しかし、今号の「佐藤愛子 近況短信」と題されたページによれば、来月号から「婦人公論」でのエッセイ連載を再開させるとのこと! 断筆後の生活は「ヒマで退屈」だったため、原稿執筆を再開していたそうです。

 98歳にしてカムバックとは、その気力・体力、恐れ入ります。タイトルは「思い出の屑籠(くずかご)」とのこと。エッセイや小説にも書かず屑籠に入れて来た小さな思い出をつづっていくそう。100歳を迎える記念すべき2023年まで、ぜひ続けていただきたいです!

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