TOKIO・松岡昌宏がパーソナリティを務めるラジオ『松岡昌宏の彩り埼先端』(NACK5)。8月14日の放送では、松岡が自身の芝居の仕方や役作りについて語る場面があった。
松岡は、俳優を目指しているという大学生のリスナーから届いた、「役作りの方法など教えていただけましたらありがたいです」という質問メールを紹介。そのリスナーいわく、ドラマや映画を見ていて「キャラクターが振り切っているほうが役者的には役作りがしやすいのかも」と思ったそう。ヤンキー役など、「ある程度観客のイメージが固まっていると(役に)寄り添いやすいのでは、と感じながら」演技の練習をしているという。
この考えに、松岡は「それも一つの方法だと思いますよ」「変に手グセを出さずに、わかりやすく振り切っちゃったほうが面白いっていう場合もありますよね」と同調。また、出演する作品の“作風”にもよるとした上で、「例えば、そのキャラクターがぶっ飛んでるほうが面白い、ほかの人たちがそんなんでもないから、あなたのキャラクターはぶっ飛んでるほうがいいっていうふうになった時は、振り切っちゃったほうが面白いかもしれない」と持論を展開した。
一方で、「『キャラクターが振り切ってるほうが、役作りはしやすいというのはあるのか』という質問に対して、それはあると思うんですが、そればっかりやると、自然な芝居が全くできなくなる」とも告白。「喜怒哀楽があるほうが、自分とのつながり、お芝居の役作りにおけるきっかけにはしやすいかもしれないんですが。例えば、すごく無機質な役とか、あまり表に感情を出さない役とかっていう芝居になると、この手は使えなくなるので、そうするとまた違うアプローチをしていくっていう」としみじみ語った。
そして、「だからいろんな役ができたほうが面白い気は僕はします。僕はあの、振り切った役からこもった役から、もうすごい怖いやつから面白いやつから悲しいやつから……なんでもやりたいタイプ」とコメント。
なお、松岡が一番怖いと感じるのは「役のイメージがつきすぎる」ことだそう。「ありがたいことではあるんですが。オールマイティな芝居をやろうとする役者には、ちょっと致命的になったりもする場合がある」とも語った。
そのため、自身のイメ―ジが固まらないようバランスを考えながら、『家政夫のミタゾノ』シリーズの(テレビ朝日系)の女装した家政夫・三田園薫や、『逃亡医F』(日本テレビ系、22年1月期放送)の元自衛官・八神拓郎など、さまざまな役に挑戦しているという。
松岡はさらに、初めて演じる役への取り組み方について、「どんなに芝居経験があろうがなかろうが、テクニカルなものはおいといて、例えば、“ナントカ”って役来たら、それをやるのは初めてだから、全員1年生になるわけじゃないですか」「そこの鮮度みたいなもの、フレッシュさは大事にしたいなといつも思ってますね」と、自身が心がけていることを明かした。
その後、松岡はメールを送ったリスナーに「これからいろんな役作りをしていく上で、いろんなこと試したほうが面白いと思いますよ」とアドバイスし、「役に立つかどうかわかんないですが、僕が今まで生きてきた、やってきた中で、役作り(を勉強する場)で一番面白いなあと思うのは、電車の中です」とも告白。
「今でも地下鉄とか乗ってると必ずやっちゃうのは、『今日はあのおじさん』ってその人を見て、その人の真似をしてる、ずっと」と、人間観察をしながら演技の練習をしているそう。
松岡は、移動中はもちろん、「ファストフード(店)とかでもいいんだよ」「(自分は)居酒屋でもよくやる。『あっ、あそこにいるお兄ちゃん面白いな』とか」と、周りにいる人々をじっくり観察しながら生活しているのだとか。
この行為はいろいろと得るものがあるそうで、「『これは役作りで役に立つな』っていうときと、『ラジオネタになるな』っていうときと、『ちょっと面白いから今度テレビで言おう』とか、まあそういうふうに、いろんなアンテナを張っとくと、役に立ったりしますんで、ぜひぜひ」とリスナーに勧めていた。
そして最後に、「『あの時の●●です』って言ってください。大学生2年生でしょ? 今、20歳くらいでしょ? ぜひ一緒に現場で芝居しましょうよ。楽しみにしております」とエールを送ったのだった。
この日のトークを受け、ネット上では「役作りのアプローチも役柄によっていろいろなんだね こういう話面白い」「ミタゾノという強烈な役を持ちながら、ほかのドラマでもいろいろな役こなせてるのすごい」「人間観察で役者修行してるんだね」と感心する声や、「アラフィフのダメ男も見てみたい」といったリクエストも寄せられていた。