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おばたのお兄さん、妻・山崎夕貴アナの年収超えた! 格差解消のいま“嫁姑関係”が気になるワケ

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今週の有名人>
「そんなことない」フジテレビアナウンサー・山崎夕貴

『ポップUP!』(フジテレビ系、8月12日)

 お盆に夫の実家に帰ることは、長い間、日本人にとって“当たり前”のこととされてきた。家父長制の名残もあってか、家族のルーツにあたる夫側の祖先の霊を、家族とともに迎え、送り出すことは恒例行事と化している。

 ところが、脱家父長制、多様性の時代だからだろうか、ここ何年かは「夫の実家に帰りたくない」という妻の主張をネット上で見かけるようになった。「女性自身」(光文社)のニュースサイトは2019年に、「夫の実家帰りたくない。妻の帰省ブルー問題がネットで白熱」と報じている。

 確かに、夫は実家ということでくつろげるが、それに比べて多くの妻は、義母の手伝いなど、おさんどんに明け暮れる。揚げ句、義母に子どもの育て方などに文句を言われたら、たまったものではないだろう。加えて、交通費がかさむとなると、さらに憂鬱になるのも頷ける。

 また、仕事を持つ女性が増えた今、休みはとても貴重な時間だ。それなら、そもそも夫の実家に帰省しない、もしくは夫と子どもだけで行ってもらえばよいと考える人が出てきてもおかしくはない。

 義母側の立場から考えてみても、かわいい息子と孫のためとはいえ、息子家族が来るのであれば、家中をきれいにしておかなくてはいけないし、いろいろな出費を強いられるだろう。自分が先頭に立って食事の準備もすることになるから、体力的にも消耗するはずだ。

 とはいえ、今後は「夫の実家に帰らない」ことが日本全体に定着する……ことはないのではないか。なぜなら、家族というのは、女性にとって最大の“ブランド”だと思うからだ。

 自分のほうが相手より優位であると、言葉でもって示す行為を「マウンティング」と呼ぶが、既婚女性の場合、夫の勤務先や年収、子どもの出来で、相手に対して「どちらが上か」を示すことは珍しくない。なぜ自分のことではなく、「夫や子ども」など、家族によって自らの価値をはかるのかというと、「子どもを産んだ女性は稼ぎにくい」日本社会の在り方と無関係とはいえないだろう。

 国立社会保障・人口問題研究所の「第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」(2015年実施)によると、「子育てをしながら、仕事を続けるのは大変だから」という理由で、女性の46.9%が第1子出産後に離職している。

 一方、出産の有無にかかわらずキャリアアップを目指し、仕事を続けても“壁”はある。内閣府「令和3年版男女共同参画白書」によると、日本企業の女性管理職の比率は、20年時点で、部長担当職が8.5%、課長担当職が11.5%と、世界的に見ても低いことがわかっている。

 女性が子育てをしながら仕事をする仕組みがいまだに整っておらず、かつ、働き続けても昇進できない。OECD(経済協力開発機構)によると、男女の賃金格差は、主要国のワースト2位。こうなると「自分で稼げないならば、稼ぐオトコと結婚すればよい」「自分の能力を認めてもらえないのならば、優秀な子どもを育てればよい」という考え方が生まれ、ひいては「夫の年収/子どもの出来で自分の価値をはかる」ことが定着するのではないだろうか。

 「子どもの出来で自分の価値をはかる」という点について、もう一歩踏み込んで考えてみよう。子どもをオリンピックのゴールドメダリストに「育てた」母、子どもを医学部に「入れた」母が脚光を浴び、教育ビジネスを始めることがよくある。ノウハウを知りたい人/教えたい人という需要と供給がマッチしたからこそ、ビジネスとして成立するわけだが、小意地の悪い見方をすれば、こうした母は、子どもの業績を我が物にしているともいえる。

 けれど、子どもを産んだ女性が、仕事を続けて昇進することが難しい日本で、それでも世に出ようと思ったら、優秀な子どもに育て上げるのが、一番手堅い「起業」なのかもしれないのだ。

 仮に、夫や子どもが社会的なブランドを持っていなかったとしても、それでも、やはり家族は女性を「よく見せる」――例えば、「家族から頼りにされている自分」「家族から愛されている自分」をアピールする道具になり得る。

 前述した夫の実家への帰省も、「家族から頼りにされている自分」をアピールすることにつながるだろう(特に「人からどう見られるかを気にしてしまう」タイプの人は、「帰省は面倒くさいといっても、顔を出さないのはまずい」と“いい嫁”の振る舞いをやめられないと思う)。一方、義母にとっても、帰省する人が減ったといわれる中、息子家族が顔を見せてくれたら、近所や友人に「家族から大事にされている自分」をアピールすることができるわけだ。

 このように、微妙な力学が働いて「夫の実家への帰省」が完全になくなることはないと私は思っていたのだが、既成概念をぶち壊す大物が現れて、笑ってしまった。

 8月12日放送の情報番組『ポップUP!』(フジテレビ系)では、配偶者の実家への帰省が話題となった。金曜パーソナリティの相席スタート・山崎ケイは、夫である落語家・立川談洲の実家に帰省するのは「楽しみ」としながらも、義父しかいないことを明かし、「お義母さんがいたら、ちょっと気を使うかもしれないですね」と、義母のいる家への帰省は躊躇するかのような発言をしていた。

 しかし、同番組に出演したフジテレビの山崎夕貴アナウンサーは、「私は全然気を使わなくて、夫(芸人・おばたのお兄さん)がいない状態で、私だけで帰省したりもするんで」「居心地いいです。あんまりお手伝いしないでも怒られないんで」と、帰省するだけでなく、本気で滞在をエンジョイしていることを告白。

 山崎ケイが「実際は(義母が)どう思っているか、わかんないですよ! 本当は『うちの嫁、息子が来ないのに勝手に来て、何もしないのよ』って思ってるかも」とツッコむと、「そんなことない」と笑って否定したのだ。

 山崎アナのお姑さんの本心がどのようなものかわからないが、仮に「手伝ってほしい」と思っていたとしても、なかなかそうは言えないのではないだろうか。だって、山崎アナはフジテレビのエースアナウンサーというブランドを持つ人なのだから。

 そもそも2017年の交際発覚当時、売れていないおばたが人気女子アナと交際しているというだけで驚きだったが、彼は「フライデー」(講談社)に浮気を報じられた過去がある。それでも山崎アナは別れずに結婚した。おばたは、この交際および結婚で名前をあげた部分もあるわけで、いわば山崎アナは“恩人”だ。そんな嫁に対して、お姑さんは強く物を言えないのではないだろうか。

 山崎アナもニブいというか素直というか、お姑さんの気持ちをまるで疑わないところはすごいものの、いつまでこのニブさが許されるかは、ちょっと疑問である。というのも、かつて格差婚と言われたおばたが今年5月、YouTubeチャンネル「おばたのお兄さんといっしょ」で、「付き合ったのが2017年だったんですけど、この時はもちろん奥さんのほうが年収が上で、2018年に並んで、ここ3年間は僕のほうが稼いでいます」と年収アップを明かしたからだ。

 売れていない、しかも浮気を暴かれた息子への負い目から、これまでお姑さんも山崎アナに何も言えなかったかもしれないが、おばたのほうが稼いでいるとなると話は少々変わってくるのではないだろうか。

 姑とは、常に「息子のため」をモットーに、息子の味方に回る生き物であり、また「子どもの出来」は自分の価値、プライドになり得ることを忘れてはならない。

 山崎アナの「悪いほうに想像しない」というニブさは、自意識過剰な人が多い今の時代を生きるうえで、大きな武器になるといえるだろう。けれど、家族間のことというのは、少し悪いほうに捉えて備えたほうがうまくいくこともある。“姑のプライド”を考えて行動することも、円満な家族関係のためには必要なのかもしれない。