• Sat. Oct 1st, 2022

アプリやSNSで大麻や覚醒剤が気軽に買える時代に……元女囚が考える「子どもたちの薬物依存」

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

コロナデビューしました

 この夏は猛暑の上に大雨で、すごかったですね。ゆっくりお休み取れましたか?

 実は、瑠美は7月にコロナデビューしておりました。仕事柄いろんな方に会うから、気をつけてるつもりでしたが、やっぱりどっかでうつりました。思い当たるところはないのですが……。

 呑みすぎた次の日に、なんとなく手首や足首が痛くて、「呑みすぎやな」と思うてたら、微熱が出てきて、すぐにドーンと上がりました。最高は39度4分……。子どもの熱ですね。何も食べられずに激痩せしましたが、おかげさまで今は嗅覚も味覚も戻っております。

 コロナもいろんなタイプがあるようで、瑠美の場合はノドの痛みより頭痛がひどくて、もう寝てるしかなかったです。ただ高齢の親が陰性やったのは不幸中の幸いでした。瑠美の陽性判定が出る日の朝に、母に会うてたんです。

 この連載は隔週やから、これも大丈夫でしたが、編集者さんに言うたら、当たり前ですがびっくりされました。

 今は誰がいつかかってもおかしくないし、「株」が違えば何度もかかりますから、気をつけようがないです。感染したら、ゆっくり休んでくださいね。

「自転車」=「コカイン」の理由

 熱や頭痛がひどくなければ寝ながら本も読めますが、今回はムリでした。編集者さんから勧められた『スマホで薬物を買う子どもたち』(新潮社)は、今月に入ってから少しずつ読んでます。著者は元マトリ(厚生労働省・麻薬取締官)の瀬戸晴海さんです。女性らしい名前ですが、なかなかのイケオジでした(笑)。

 ネタバレしない程度に書きますと、生まれた時からインターネット環境にある子どもたちは、特に罪悪感もなく、スマホでいわゆる闇サイトからクスリ(違法薬物)を買えてしまう……ちゅうことですね。

 それにしても、瀬戸さんだけでなくいろんな人が細かく書いてるのに、まだまだツイッターには「野菜」や「アイス」、「自転車」などが画像付きで売られていますね。野菜は大麻、アイスは覚醒剤、自転車はコカインです。瀬戸さんの本には、もっといろいろ紹介されています。

 まあ大麻は「大麻草」という草やから野菜、覚醒剤は使うと血管が冷たくなる感じがするからアイスとか「冷たいの」とかになるんですが、なぜか自転車やチャリはコカインです。

 理由は知らなかったのですが、チャーリー・シーンという俳優さんが前にコカインでパクられた(逮捕された)からチャーリー→チャリ→自転車、となったそうです。チャーリーはベトナム戦争の映画『プラトーン』とかが有名なんですね。しかも映画でも大麻を吸ってるんですか。

 ちなみにツイッターは広告だけで、連絡は「テレグラム」や「シグナル」を使います。これはLINEみたいな通信アプリで、履歴を簡単に消せて、足がつきにくいから人気があります。売人はテレグラムのIDやQRコードをツイッターに載せているので、そこから連絡を取るんですね。

 でも、履歴を消さずにまた使う人も多くて、けっこうパクられてるようです。意味ないですけど、たしかに同じものを買いたい時は履歴があったほうがラクですよね。

 あと「手押し」も出ていますが、これは「手渡し」の意味です。渋谷駅のモヤイ像前なんかで待ち合わせて、やりとりするんです。

 もちろん知らない人とのやりとりなので、表沙汰になっていないトラブルも多いです。よくあるのは、先にお金を振り込んだのに届けてもらえないとか、商品が思っていたのと違うとかですが、買うほうも悪いので泣き寝入りですね。

 あと、こういう闇サイトには、クスリだけやなくて拳銃や児童ポルノ関連の画像や動画などいろんなものが売られていますし、強盗やオレオレ詐欺とか、いわゆる闇バイトや、殺人の代行業なんかも紹介されています。

 こんなカオスになる前に足を洗っておいて、ホンマによかったです。そもそも今も、スマホの進化についてけてません。

 子どもたちはスマホをノーストレスで使いこなせますが、トラブルは避けられません。親だけでなく周囲のオトナたちも含め、みんなで守っていくしかないです。