整理収納アドバイザーの伊藤まきが、片付けに訪問した現場で「よくやる作業」「よく伝えるおすすめ収納法」を紹介していきます!
プロの技シリーズ25回目は、「入らない問題」を解決する方法を紹介。洋服がクローゼットに入らない、タオルが収納スペースに収まらない、靴が下駄箱に入らない……などなど、不便な悩みを抱える方は少なくありません。
そんなときは、モノの置き方と入れ方を変えれば大丈夫。衣類、タオル、靴など「かさばる布モノ」をコンパクトにする方法を15パターンにまとめました。
クローゼット収納:硬い衣装ケースより、柔らか布ケース
硬質のプラスチック衣装ケースより、衣類をコンパクトに収納できる布製ボックス。筆者は「衣替えの洋服入れ」や「使用頻度の低い衣装入れ」にダイソーの「フタ付き収納 BOX」をよく使います。ファスナー付きなので、洋服を圧縮しながら収納することが可能。
また「圧縮ビニール袋」より繰り返し使える点もおすすめです。かさばる衣類を保管するときは「ファスナー付きの布ケース」を選ぶとコンパクトですよ。
クローゼット収納:スリムなハンガーに全てチェンジ
クローゼットの収納力を上げたいときは、「スリムなハンガー」にすべて取り替えます。同じサイズのハンガーにそろえるだけで、収納力が倍増します。
おすすめは、ニトリ「すべりにくい省スペースハンガー レディースサイズ」。ハンガーループ付きなので、スカートやワンピースも掛けることができます。もっと予算を減らしたい場合は、セリア「すべりにくいノンスリップハンガー」5本で110円(税込)も。ただし、在庫切れが多いので一気に揃えるのが難しいこともあるので要注意。
クローゼット収納:長い服とセーターは「掛け方」を変える
セーターの肩まわりが伸びにくい「ハンガーの掛け方」があります。引き出しに収納するよりコンパクトになる場合もあるので、ハンガーパイプに余裕があるときはハンガーに掛けても◎。
また、クローゼットの長さが足りないなら、「ワンピースを短く吊るす方法」も。セータもワンピースも、その家の空間と状況に応じたダウンサイズになります。それぞれ、調べてみると新アイデアが見つかりますよ。
ただし、ハンガーパイプに吊るさない服装小物もあります。筆者の場合は、バッグです。次に、バッグ収納法をまとめました。
クローゼット収納:バッグは「2カ所収納」
バッグは「1軍と2軍の場所別収納」がおすすめです。写真上は、クローゼット内のサイドの隙間に「1軍のバッグ」を用意した例。筆者宅では、IKEAのキッチンレールを設置しています。賃貸の場合は、突っ張り棒で作ります。
2軍は、クローゼット天袋(上段)に置いています。ここで注意したい点が、ひとつ。レザーバッグを吊るすとハンドル部分に負荷がかかるため劣化を招きます。レザーの場合は、布袋に入れると安心です。
[別パターン]
身長が高い方なら、サイドの隙間を使わないパターンも。クローゼット上段にカラーボックスや、コの字ラック、収納ボックスなどを使って、「前から手を伸ばして取れる」配置で収納を作ります。「2軍バッグ」は、その上に置くだけ。
最近は、ハンガーパイプに掛ける「ハンギングバッグ」や「バッグハンガー」のタイプもありますが、パイプに掛けると場所(写真*印参照)をとります。筆者的には「サイド」か「上段」をおすすめします。
引き出し内を整理するときは、薄手の仕切りボックスを活用します。ドサッと入れるほうが収納力としては勝るのですが、「仕切りボックス」を使うと「タテ入れ」で詰め込むことができます。また、モノの量も一定数に管理できるので、より簡単な出し入れができます。
[別パターン]衣類収納は「靴の空き箱」を使うと◎
衣類を収納する時は、靴の空き箱を「仕切りボックス」に使います。靴の空き箱ひとつで、「種類分け」と「タテ入れ」の収納ができます。
最近は、靴を買う時に「箱無し」を選べますが、引き出し整理ができていない方は、ぜひ、箱付きを選択してください。引き出しのケースに入らない場合は、サイドやトップをカッターで切るだけで調整できます。
クローゼット収納:洋服小物はワイヤーネットで壁収納
ベルト、スカーフ、ネクタイ、アクセサリーなどの服装小物は、クローゼットのサイドに設置した「ワイヤーネット」で解決。壁のサイドに凹凸がない場合は、100均のピンフックを壁につけてワイヤーネットを設置することもあり。
クローゼットの扉が大きい場合は、ドア用「ウォールポケット」も便利です。狭い空間でも、裏と隙間サイドを使うことでスッキリできます。
クローゼット収納:「ブランコハンガー」で収納力2倍
スーツ、スカート、ワンピースなど「シワを作りたくない洋服」が多い場合は、「クローゼットパイプ」を2段にします。写真上は、アメリカ製のWhitmor社「Double Closet Rod」という「ブランコハンガー」です。日本の商品より圧倒的に安くて頑丈なので、アメリカのアマゾンで購入(送料約12ドルで)しています。
たためる洋服は、クローゼットの外側にチェストを置けば良いだけなので衣類収納の使い分けによって「入らない問題」を解決できます。
[別パターン]造り付けクローゼットの場合
写真上は、マンションに多いタイプのクローゼット。「数センチ刻み」でパイプの位置を変えられる「ダボ穴」があります。この場合、ホームセンターで「クローゼット用パイプ受け」とパイプを用意するだけで済みます。
amazonにはオーダーサイズでカットできる「ハンガーパイプ」もあります。
もしくは、IKEAの「コムプレメント(商品番号:702.568.94)」という商品が、追加できる「ハンガーレール」になります。75cmで1,000円ですが、長さ調整はパイプカッターで可能です。
クローゼット収納:冬用コート、小物は玄関近くへ
冬用のコート、小物(マフラー、手袋)など「家を出る前に着る服だけ」の専用クローゼットを用意するのもありです。ただし、玄関に近い部屋のクローゼットが空けられる場合だけになります。子ども部屋、仕事部屋などに使っている場合は可能です。
クローゼット以外でも、タオルが収納できない! 靴が入らない! など収納のイライラはありがち。次ページから、そうした問題を解決していきましょう。
片付け訪問をすると必ず「タオルの量」と「捨てどき」を問われます。景品や贈答品でいただく方も多いので、どの家もたくさんお持ちです。タオルを収納する棚がパンパンで、肌触りがゴワゴワしていたら「タオルのサイズと枚数」を見直すのも◎。
例えば、収納スペースを奪う大判タオル。最近は「50×100cmのスリムバスタオル」が人気です。また、長いハンドタオルの片面ばかりで拭いているようなら「ハンドサイズのタオル」でも良し。干すのも簡単になります。
写真上は、筆者宅のタオルです。安くて小さなタオルを買って「購入日を記入」しています。セール時期を狙ってまとめ買いをすれば「買い時サイン」もわかりやすくなります。
下駄箱収納:「モノ」と「棚板」の高さを調整する
「棚板の高さ」を調整すると収納力が大きく変わります。ポイントは、棚1枚のゾーンを「同じサイズでそろえる」こと。先のタオルも一緒で、高さや横幅が均等にそろうほど収納力が増えます。
モノのサイズをそろえたら、棚板の高さ調整も。ボックス型の空間の場合は、仕切り箱などで整えます。
下駄箱収納:高さのあるモノは、横に寝かす
靴の場合、2〜3個はほかのサイズとそろわない規格外のものをお持ちだと思います。高さがあるものなら、箱に寝かせます。ワイングラスも同じで、数点だけなら「横に寝かす収納」がベスト。一番高さのあるモノに合わせず、平均サイズが多いほうに合わせてセットしていきます。
布団収納:「立てる」ほどスッキリ
大きな押し入れがあれば布団ケースを用意する必要はありませんが、筆者が担当する東京エリアでは押し入れが少なめです。小さな片面扉のクローゼット、屋根裏収納、クローゼットの天袋などに収納することが多いので「タテ入れ収納」でコンパクトに収納します。
最近は、出し入れの簡単さに特化した「円筒型」も人気。布団に限らず、大型の布モノはファスナーや紐付きで圧縮収納します。
ラグ収納:冬用ラグは小さくする
冬用ラグマットが押し入れに「入らない問題」が割と多めです。筆者宅では、ふわふわの「バスマット」をパズルのように合わせて「ラグマット」として使います。お掃除するときに邪魔にならないサイズなのはもちろん、洗濯機で洗える大きさなのでお手入れも楽ちん。
大きなラグマットのころは、処分費や掃除が大変でした。小さなものを使えば、収納もかさばらずに済みます。
マット収納:冬用マットは「洗える布」と使い分け
ジョイント式フロアマットに洗える冬用マットを重ね使いするお家も多いです。どちらもかさばり、掃除や手入れも大変で収納空間を奪いがちです。
この問題の解決案は、ジョイント式フロアマットの上に「イブルマット」をかければOK。イブルマットの表面は綿100%のため洗濯などの手入れがすごく楽なうえ、シーズンオフの際もコンパクトに「たためる」ので収納空間を奪いません。
一時的な収納:メッシュバスケットでスッキリ
布モノを一時的に保管するボックスも、今ではコンパクトなタイプを選ぶことができます。硬質系のボックスを使わないだけで部屋が広く軽く感じます。
とくに、一時的に置きたい「あとでたたむ洗濯物」や「パジャマ入れ」「着脱した衣類」「夏遊び用のタオル」などにおすすめです。入れるモノもコンパクトな「たためるサイズ」が快適。
写真上は、筆者おすすめの「メッシュバスケット」です。使わない時は、冷蔵庫サイドの隙間にも入るほどスリムになります。
[まとめ]衣類や布モノの「入らない問題」をすっきり!
洋服、布モノ、服装小物は「使わないけれど捨てたくないモノ」が多いと思います。なので、どこに入れたら良いですか? なんて声もよく届きます。
基本的には、収納グッズを使って圧縮することが大事。次に、使用頻度によって置く場所を変えるのも効果的です。服装小物なら、ドア裏や壁を使えばよいと思います。