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あびる優VS才賀紀左衛門、メディア代理戦争で「女性セブン」が「週刊文春」に負けそうな理由

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 今年7月に逝去した女優の島田陽子さんの周辺が騒がしい。逝去後、遺体が引き取られず行政機関に置かれたままと報じられたり、生前用意していた墓も組み立てられず、駐車場代の未納も発覚――。亡くなった後も世間をざわつかせる。だが、これこそお騒がせ女優の真骨頂かも。

第614回(8/18〜8/23発売号より)
1位「あびる優 第二子を極秘出産していた!『それでも一緒には暮らさない』ジレンマ」(「女性セブン」9月1日号)
2位「杉田水脈衆議院議員 『日本が女性蔑視国家に!』」(「女性自身」9月6日号)
3位「大野智を翻弄する『宮古島巨大リゾートビジネス』のきな臭さ」(「女性セブン」9月1日号)

 あびる優と前夫で格闘家の才賀紀左衛門との“親権”をめぐるトラブルに、新たな火種が投入された。この問題は、あびる優&「週刊文春」VS才賀紀左衛門&「女性セブン」というメディア代理合戦の様相も呈しているが、今回、才賀サイドに立つ「セブン」があびるの極秘出産をスッパ抜いたのだ。

 7歳の長女Aちゃんの親権を巡り、家庭裁判所で争っていた昨年2月、あびるは才賀とは別の男性との間に子どもをもうけていた。そして相手の男性とは入籍せず、子どもの認知もなし。さらに現在第2子は、あびるの実家に預けられ養育されているという。

 確かにセンセーショナルではある。でも気に入らない。「セブン」記事の書きっぷりが、だ。そのトーンは第二子を出産したあびるへの非難だから。長女の親権を巡って争っているのに子どもを産んだ。しかし親権をめぐっての調停に影響するからか周囲には極秘だった。妊娠中もタバコを吸い、お酒も飲んでいた。第2子も実家に預けっぱなし――。こんな感じね。

 まあ、これらが事実がどうかさえ、わからない。何しろ「セブン」は才賀サイドにいるから。才賀サイドの恣意的な情報が織り交ぜられているだろうから。

 しかも、もし事実だったとして、子どもを産んで何が悪いのか。あびるは才賀とすでに2019年末に離婚している。もう3年近く前だ。何か問題があるのか。記事には、あびるの第2子出産が調停で不利になると考えたから、あびるが隠したのではと推測しているが、そんな推測自体、差別だ。

 確かに日本では長らく女性だけ、離婚後6カ月の経過後でないと再婚できないという民法が存在した。しかし、15年、最高裁が法の下の平等を定めた憲法違反だと認定、その後、再婚禁止間は100日に短縮された。こうした流れがあるにもかかわらず、マスコミはいまだ女性差別を繰り返している。しかも「セブン」は女性のための女性週刊誌ではないのか。

 しかも、前夫で男性でもある才賀は、事実婚にあるパートナー女性が現在妊娠中(9カ月)と伝えられている。しかし、才賀がこれを責められている報道は見たことがない。もちろん「セブン」もスルー。なのに、なぜ女性であるあびるだけ批判されるのか。さらに、才賀は親権を失ったのに子どもをあびるに返してはいない。これは“違法”であり、もし欧米だったら“誘拐”に当たる可能性すらあるにもかかわらず、だ。

 そして「セブン」は都合の悪いことをスルーしたままだ。同誌8月11日号に掲載された“あびるの泥酔写真”だが、これは結婚前のものだと「週刊文春」が反論した。また虐待の証拠とされる写真が、裁判所から「証拠となるものでもない」と退けられていたことも「文春」で指摘されている。しかし「セブン」は「文春」の取材にも答えず、今回の記事でもまったく触れずに、あびるの出産を批判トーンで掲載した。やはりこの代理戦争、「セブン」の負けが濃厚だ。

 しかし“女性蔑視”を助長するのは、「セブン」のような女性週刊誌だけではない。今週の「女性自身」では、女性蔑視をする国会議員を糾弾するという素晴らしい記事を掲載している。そのターゲットは杉田水脈衆議院議員だ。

 ご存じの通り、女性蔑視やLGBT差別を繰り返す杉田議員だが、先の岸田政権内閣改造で総務大臣政務官に抜てきされた。総務省のナンバー3という要職だ。さらに、今大きな問題となっている統一教会との関係もあり、「自身」は大きな危機感を抱き、これまでの杉田議員の差別発言、行動を改めて列挙し、その危険性を指摘している。

 14年、国会での「男女平等は絶対に実現しえない反道徳の妄想」発言、18年の「LGBTは生産性がない」発言、20年のジャーナリスト・伊藤詩織さんの性暴力問題に対する「女性はいくらでもウソをつける」発言などだが、しかし記事は、単に杉田議員の差別発言、体質の指摘だけでは終わらない。

 特に瞠目すべきは、杉田議員の差別発言の背後にある故・安倍晋三元首相の存在をクローズアップしたことだ。少し長いが引用したい。

「杉田氏は’17年に自民党に入る前から、国連人権委員会の“女性差別撤廃委員会”に出席し、『日本軍による慰安婦の強制連行はなかった』などの発言をしていました。こうした発言が安倍元首相に気に入られ、杉田氏とは縁もゆかりもない安倍元首相のお膝元である比例中国ブロックで出馬。比例名簿の上位に据えられ、“特別枠”で当選を重ねてきたんです」(同志社大学・岡野八代教授のコメント)

「彼(安倍元首相)にとって女性活躍はあくまで経済政策で、ジェンダー平等には反対。基本的に女性が家事や介護を担い、三歩下がってわきまえるという戦前の家族観をよしとしているのです。これは統一教会や日本会議の思想ともシンクロしていると感じます」(選択的夫婦別姓・全国陳情アクション事務局の井田奈穂さんのコメント)

 女性や性的マイノリティを貶め、差別を助長する発言を連発してきた杉田議員をクローズアップし、“女性蔑視国家になってしまう!”と警告を鳴らす「自身」。これこそ、女性週刊誌の面目躍如だ。

嵐・大野智のきな臭いリゾートビジネス

 「女性セブン」に“きな臭い”スクープが。芸能活動を休止中の嵐・大野智だが、大野の設立したレジャー会社が宮古島に巨大リゾートを開発しているのだとか。実質的には大野が全幅の信頼を寄せる人物がそれを手がけているというが、そのビジネスが“きな臭い”と指摘する「セブン」。

 確かに読むと、結構ヤバそうで、きな臭い。が、しかしジャニーズ事務所と「セブン」の関係から考えると、これは「セブン」というより、ジャニーズ事務所こそが大野の動向に危惧を覚え、諌めるための記事ではないのか。間接的な“警告”か。そう考えると、事務所と大野の距離も“やばい”のかも。