今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
山口組分裂から7年
8月の終わりは、2015年の山口組分裂から7年、21年の五代目工藤會・野村悟会長の死刑判決(福岡地裁)から1年ということで、不良の世界も様変わりしているなあと、しみじみしていました。少し前なら、大組織のこんなに長期の分裂状態や、指定団体の当代の死刑求刑など、ありえませんでしたからね。
私のオットは、いろんな意味で長生きできると思ってはいませんでしたが、生きていたらかなり困惑していたと思います。
神戸山口組の若頭が独立!
それにしても、分裂からもう8年目に入るのですね。
15年に分裂した時は、数年で解決するといわれていましたが、お互いトップに責任が及ばないようにすることで、かえって長引いてしまっているのでしょう。
また、溝口敦御大が指摘されているように、これまで六代目山口組と神戸山口組との間で起こった事件については、「ほとんど実行犯のみの逮捕・起訴に終わり、上部の指揮命令権者が野放しになった」点が特徴ですね。
「野放し」という言い方は微妙ですが、警察と検察がこの状況を放置していたからで、これは今後も変わらないでしょう。つまり、決着も遠いということになります。
などと考えておりましたら、8月22日に神戸山口組の若頭だった俠友会・寺岡修会長が「離脱」を表明、なんと独立組織を立ち上げることが報道されました。
実は、わりと前から会長の引退説は出ていました。「デイリー新潮」などは若頭が「メンタルヘルス関連の病気」とか書いていて、そこまで書いちゃうかなと話題になっていました。
ところが、いつ頃からでしたか「寺岡若頭は引退しないで独立する説」も出てきて、「これ以上群雄割拠になってどうするんだ」みたいな話をオットの元若い衆としていたんです。
寺岡会長は、神戸山口組発足当初からのメンバーで、井上邦雄組長の信頼も厚いはずです。狙ったのかどうかはわかりませんが、8月22日は組長のお誕生日だったそうで、臆測が臆測を呼んでいます。
「週刊実話WEB」によると、俠友会の会合の席上で離脱を発表したそうで、関係者はかなりショックを受けたそうです。映画みたいですね。
寺岡会長に限らず、一切「カエシ(報復)」をさせない方針の井上体制に不満が出ている、というのは前からあるようです。やられたらやり返すのがヤクザですから、組織防衛のためとはいえ「カエシは一切禁止」と言われたら、不満は募りますよね。
ちなみに寺岡会長は事務方としても優秀で、組織の運営にかなり貢献していたそうですから、神戸山口組としてはすごいダメージだそうです。
寺岡会長の離脱に先駆けて、20年7月には、池田組を率いる池田孝志組長も神戸山口組を離脱、一本独鈷(いっぽんどっこ=大組織に所属せず独立を維持している組織)となりました。
豊富な資金力を誇る池田組長は、神戸山口組の金庫番として資金面を支えてきましたから、この時も大騒ぎでしたね。この池田組長の離脱で山口組再統合は一気に進むといわれていましたが、そうもいきませんでしたね。思えば、もう2年前です。
俠友会の独立で、山口組をルーツとする六代目山口組、神戸山口組、絆會、池田組と5派が乱立する構図となりました。まあ五代目山口組時代までも「全・山口組関係者が仲良し」ということはありえませんでしたが。
最初は2つに分かれた山口組が、いつの間にか5派! ってすごいことになってますが、当分の間は様子見になりそうです。