――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。
買い物狂いの私ですが、買い物する上で苦手なものが一つあります。それは、ぐいぐい来る店員さん! 店員さんにぐいぐい接客されると、私は無条件に帰りたくなってしまうのです。お願い、服を選んでいるときに全然違うものをすすめないでー!!(N子、心の叫び)
その日も、私はステディと共に、北上にあるさくら野百貨店を訪れ、「こんなの似合うかなあ?」なんて話しながら、洋服を見ていたそのときでした。
店員「お客様は背が高いので、なんでも似合うと思いますよ!」
突然、後ろから店員さんが話しかけてきました。「あ、ありがとうございます……」と返す私。あたしゃねえ、見ず知らずの店員さんにはコミュ障を発揮してしまうのよ……。
すると、店員さんは「こんなのおすすめですよ。前を開けて着てもかっこいいですし、寒くなったらセーターの中にインして着てもいいです!」と、それまで見ていた服とはまったくタイプの異なるロングシャツを出してきたんです。
あ、あのねえ、あたしゃロングシャツは今年いっぱい買ったからもうおなかいっぱいなの。私が見ていた服と合わせやすいアイテムならいざ知らず、なんで全然関係ないものを推してくるんだろう……。
その答えは、この店がミドル世代向けだからに違いありません。お客様は皆、静かなマダム。このくらいのゴリゴリ接客のほうが買ってもらえるのでしょう。辟易する私に、店員さんはなおも話しかけてきます。
店員「お客様にはかっこよすぎましたかね?」
なにその日本語! 変だし、失礼だろ!! そう思った私ですが、これ以上話していると何か買わされそうな雰囲気だったので、「ちょっと一回りしてから来ます」と言ってそそくさと撤退しました。ふー、危ない、危ない(ちなみに、ステディはその店員さんが山本リンダに似ていたことから、「リンダさん」と呼んでいました)。
その後も、お客さんが来たらすぐに店員さんが飛んでくる店を避け、なんとか良さげなお店を発見……! まさに、砂漠のオアシス~!!
そのお店は、ニットとシャツがドッキングしたワンピースや、丈が異常に長いトップスなど、けっこう尖った洋服を置いているお店でした。その中で、「あら、可愛い!」と運命を感じるグレーのワンピースに出会った私。2万6,400円と、可もなく不可もなくなお値段です。これくらいの値段なら出していいよね、と自分に言い聞かせつつ、とりあえずステディに意見を求めました。
私「ねえねえ、これ可愛いと思う?」
ステディ「うーん、いくらなんだい?」
私「2万6,400円」
ステディ「可愛くないねえ」
それは値段だろ! と心の中でツッコむ私。でも、ステディはいまいちピンとこなかったようで、「可愛いとは思うけど、そこまでの値段を出すほどじゃないかなあ」と言ってきました。ぐむむむ……。
なおも諦めきれず、スカートを手に取って鏡の前で合わせる私。ああ、ここよ、ここ! このタイミングよ、店員さん!! このタイミングでささーっと出てきて「ご試着できますよ」って言ってくれればいいのよ!!!!
しかし、そのお店は店員さんがまったくやる気がなく、私が鏡の前でウロウロしていても、まったく我関せずで、何やら作業をしていました。ぐむむむむ……。もういいざんす! 買わないざんすっ!!
嗚呼、接客って難しい。買う気もないのにガツガツ来られると嫌なんだけど、ここぞというときには背中を押してもらいたくなるもんなのよねえ……。結局、その日は何も買わずに映画を見て帰りました。強気すぎず弱気すぎない、仙台パルコ3Fの店員さんたちの接客が恋しいわ!!
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