• 日. 12月 22nd, 2024

犯罪データベース

明日あなたが被害にあうかもしれない

『さんま御殿』袴田吉彦のトークに考える、自称「さみしがり屋」男の厄介なところ

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今週の有名人>
「妻も仕事しているんで」袴田吉彦
『踊る!さんま御殿!!』(9月13日、日本テレビ系)

 週刊誌によって、有名人の狼藉が明らかにされ、SNSやワイドショーで“裁判”が始まる。「番組を降板せよ」「活動を自粛しろ」など、私からするとちょっと言いすぎじゃないかなと思う発言も見られるが、変だなぁと思うのが、“悪いこと”をしてもペナルティが一様でないところだ。

 例えば、俳優・渡辺謙は、女優・南果歩と2018年5月に離婚を発表。渡辺は17年3月、一般人女性との不倫を「週刊文春」(文藝春秋)に撮られており、記事を読むと、南の乳がん闘病中も不倫をしていたことがわかる。夫に不倫をされてうれしい妻はいないだろうが、特に妻が大病をしている時の不倫というのは、最悪のタイミングだろう。

 しかし、渡辺には「活動を自粛すべき」といった声はSNSにほとんどなかったと記憶しているし、当時『バイキング』(フジテレビ系)の司会・坂上忍は「謙さんでも不倫はダメなの?」と、国際派俳優であれば不倫を容認するかのような発言をしていた。

 また、こうした例もある。9月10配信のニュースサイト「文春オンライン」は、球界の不祥事を報道。球界を代表するスター選手である読売ジャイアンツの坂本勇人選手が、肉体関係を持つ一般人女性に対し、避妊をしなかったそうで、妊娠すると「本当は今すぐおろせよって言いたい」と逆ギレしたそうだ。中絶を強要された女性はうつ病に陥り、自殺未遂したという。

 読売ジャイアンツといえば、「巨人軍は常に紳士たれ」が球団創立者・正力松太郎氏の遺訓として知られるが、坂本選手は主力選手だからか、紳士とは真逆の鬼畜的行動を取っても、球団が試合に出さないなどのペナルティを科す様子はない。それだけでなく、スポーツ新聞やワイドショーも、この件に触れていないのだ。

 世間一般には、「不倫はいけないこと」「女性を傷つけるのは許されない」と言われているものの、結局、人によってSNSユーザーもメディアも態度を変えているわけだ。こうなると、有名人の不祥事に対するバッシングは、場合によって、単なるいじめと変わらなくなってしまうが、SNSやメディアの不平等裁判を自身に有利な形でうまーく切り抜けた人がいる。俳優・袴田吉彦だ。

 17年5月、グラビアアイドルとの不倫を「週刊新潮」(新潮社)に報じられた袴田。人気俳優でありながら、密会場所はアパホテルで、しかもポイントまで貯めていたという。そのショボさが功を奏したのか、今は不倫をネタにしてバラエティに出演。なお、不倫騒動が起きた後、妻とは離婚をし、昨年、一般女性と再婚している。

 そんな袴田が、9月13日放送の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)で、危うい発言をしていたのが気になった。「独身者の言動にイラッとしたことはあるか?」というトークテーマに対し、袴田は「嫁とケンカした時に、後輩に電話をするけれど、独身の人のほうが出ない」と回答。

 いまいち意味のわからない答えだが、袴田いわく「基本さみしがり屋で、結構電話するんですよ」とのこと。タレント・矢部みほが「そもそも、結婚したのに、なんでそんなにさみしくて電話するんですか?」と質問すると、「嫁も仕事しているんで」と、妻が仕事で不在の時間は、さみしさを感じていることを匂わせた。

 袴田が話したかったことは、「妻とケンカをした、もしくは妻が仕事でいないなどの理由でさみしくなると、後輩に電話をするが、電話に出てくれなくてイライラする」ということだろう。

 「さみしがり屋」というと、ちょっと聞こえはいいけれど、この人の場合、単に自己中心的というか、自分の衝動を抑えきれないタイプなのではないか。なぜなら、前妻は小さいお子さんのいる専業主婦で、おそらく仕事のために家を空けることはなかったと推測するが、そんな「さみしくない」状態でも、袴田は不倫をしていたわけだから。

 自称「さみしがり屋」な男性の厄介なところは、恋人や妻に罪悪感を抱かせることがあるところだ。例えば、「さみしいから、浮気した」と言われたら、真面目な女性は「さみしいというのは、私のことを愛しているからだ」「私がさみしくさせなかったら、浮気をしなかったのではないか」と自分を責めてしまうだろう。しかし、ご自分に置き換えてみればわかると思うが、たとえさみしくても、大人であればそれを解消する手段はいくらでもあるし、相手のことを思いやれる人なら、浮気はしないはずだ。

 若い人たちならともかく、50歳に手の届こうとしている人が、いまだに「さみしがり屋で、人に電話してしまう」「電話に出てもらえないと、イライラする」といった話をしているのを聞くと、これまで周りに甘やかされてきた過去が忍ばれる。いつまでも自分に都合のいい人を求めるのはやめて、いい加減オトナになってくれよと言いたくなるのだ。

 不平等裁判をうまーく切り抜けることに成功した袴田だが、また何かしでかさないかという危うさを感じてしまった。ただ幸いというべきか、番組内で、袴田は妻に金銭管理を任せていると話していたが、こういうしっかり者の妻なら、夫に「さみしい」と言われたくらいで動じることはないだろう。今度、不倫がバレたら、前回のようにはいかないのは、袴田本人が一番わかっていると思う。妻を大事にして平穏な結婚生活を送ってほしいものだ。

By Admin