覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。
清原和博やASKA、羽賀研二も更生
田中聖さん(保釈中)の覚醒剤取締法違反(使用)の初公判は9月22日やそうで、もうすぐですね。
さすがに執行猶予は厳しいかなと思いますが、「保釈金600万円」は妥当なところでしょうか。AOKIの会長さんは3億円やそうですね。
保釈金は、「保釈中にトンズラしたら没収」ですが、トンズラして6億円を没収された方もいてるんですね。ちなみに瑠美は保釈申請が通ったことないので、保釈金を払ったこともありません(苦笑)。
それはさておき、瑠美も自分でクスリ(違法薬物)をやめようと思うまで、けっこう時間がかかりましたから、聖さんの更生も温かい目で見守りたいですね。ご家族の支えも期待してます。
今は清原和博さんとか、がんばって更生してる有名人も多いですよね。ASKAさんも9月11日に松本人志さんたちのテレビに生出演して、大好評だったようです。歌がうますぎて「口パク疑惑」があるそうで、それはすごい(笑)。
あと、クスリではないですが、タレントの羽賀研二さんも徐々に芸能活動を再開されているようです。
瑠美も「人生はやり直せると思いたい派」やから、がんばってほしいです。
社会復帰に必要なもの
何回か書いてますが、クスリをやめるのは自覚しかないです。
瑠美も最後にパクられた(逮捕された)時に、ふと「これでもうやめよう」と思えて、実際にやめられました。
ガチでクスリに溺れてる時は、家族がいてようが恋人に捨てられようが、やめるのはムリです。この時はこの時でやっぱり苦しいんです。他人には、そうは見えへんでしょうけどね。
でも、苦しんでると、ある日突然気がつく時が来るみたいです。「悟り」みたいなもんですかね。
悟れても社会になじめなければ、またムショに逆戻りもありえます。家族や友達のサポートは絶対に必要ですが、政府の更生支援も注目されてますね。
例えば、施行はまだ先ですが、懲役刑と禁錮刑を「拘禁刑」にして、刑務作業だけやなしに社会復帰のプログラムを増やすそうです。
これに合わせる感じで、2020年から札幌に「女子依存症回復支援センター」(札幌刑務所支所)ができました。
これは今どきのPFI刑務所(民間事業者のアイデアやノウハウを活用しつつ、国と事業者が協力して運営を行う刑務所)みたいな感じで、カギがない冷暖房完備の個室やそうです。刑務作業もビニールハウスのイチゴ栽培とかで、かわいいし、出所後に自立した生活ができるような「生活保護の手続き方法」についての指導とか、依存症の人たちのミーティングなどが受けられるそうで、うらやましいですね。瑠美も行きたかったです。
出所しても寂しかったり、働けなくてお金がないと、つらいから売春して、そのお金でクスリに手を出すこともザラです。そうならないように、ムショにいるうちから自分で自分をコントロールできるようにして、社会復帰に備えるんですね。
刑務官がちゃんと指導できる時代に
あと、山口県美祢市のPFI刑務所「美祢社会復帰促進センター」では、「26歳未満の女性の受刑者」17人を2つに分けて集中的に指導する「若年受刑者ユニット」をスタートさせてます。「若い人優先」ですか、そうですか……と思わないでもないですが、いつかは全員を対象にしてほしいです。
懲役(受刑者)は、「普通」なら当たり前にできること、例えば「順序立てて話す」とか、「すぐにキレない」とかができないし、仕事の探し方とかもわからない人が大半です。だいたい成育環境の問題ですが、これやと社会にはなじみにくいです。
今は懲役も少ないから、刑務官がちゃんと指導できるようになりつつあるのでしょう。いい時代になりました。
瑠美もそうでしたが、更生には時間がかかります。皆さんも、がんばってる人を応援したってくださいね。