お笑いコンビ・爆笑問題が、満を持してYouTube界に参入した。開設にあたっては、事前にマスコミ向けの記者取材会を開くといった大物芸能人ぶりを見せつけていたが、早くもネット上では「再生数が寂しい」と話題になっている。
9月9日に開設されたYouTubeチャンネル「爆笑問題のコント テレビの話」は、ワイドショーの制作会社を舞台にした“時事コント”を毎週2回更新。番組ディレクター役の太田光、プロデューサー役の田中裕二のほか、日本エレキテル連合や、ウエストランド・井口浩之らがレギュラー出演し、監修として鈴木おさむ氏の名前も記されている。
「ネタは、爆笑問題が得意とする“時事漫才”のコント版に近い。複数台のカメラを用い、大がかりな撮影を行っているのが特徴的で、かなりお金をかけている印象です。ただ、一般的なお笑いネタは、カメラの切り替えを少なくすることで、流れや空気感を伝えることが重視されますが、同チャンネルはカメラの切り替えがせわしなく、コントをじっくり見せるというよりは、テレビのバラエティ番組のような作りになっています」(お笑い関係者)
20日に公開された最新動画「【テレビの話】爆笑問題のコント#6「ルッキズムに気をつけろ!」では、昨今のテレビ業界のコンプライアンスの厳しさをテーマに、太田がボケを連発。8月に話題となった首相補佐官・森昌文氏の“乱交パーティ”騒動や、田代まさしの薬物ネタをイジるなど、太田らしい毒っけが散りばめられている。
しかし、再生数を見ると、1本目の動画こそ16万回再生(22日時点)を記録しているものの、2本目は8.5万回再生と半減。その後も右肩下がりで再生数が落ち込んでいて、チャンネル登録者数も5.6万人に留まっている。
なお、同じくベテランの参入では、昨年12月に「上沼恵美子ちゃんねる」を立ち上げた上沼恵美子は、初回の動画が1カ月あまりで90万回再生を突破。2020年に「貴ちゃんねるず」を開設したとんねるず・石橋貴明は、開設から1カ月あまりでチャンネル登録者数100万人を達成しており、爆笑問題とは雲泥の差といえる。
「知名度抜群な上、熱心なファンが多いといわれる爆笑問題だけに、この数字は肩透かしをくらった印象。ネット上では、『爆笑問題ほどの大物がYouTubeでコントをやってくれるなんて、うれしい』『太田さんらしさがあふれてて、笑いっぱなしでした』と好意的な声がある一方で、『タイトルやサムネを見ても、なんの動画かわからなくて、クリックする気になれない』『爆笑問題は、漫才やトークのほうが面白い』などの指摘も目立ち、課題は多そう。また、東京03など人気コント芸人の動画は、一度動画を上げると、何年も再生され続けるものですが、爆笑問題の場合は時事ネタを扱っているため、賞味期限が短い。今伸びなければ、この先伸びることもないのでは?」(同)
あえてYouTubeの視聴者に擦り寄らないようにしているのか、はたまたただの勉強不足なのか……。以前から「コント番組をやりたいと思っていた」という太田だが、これで満足できただろうか。