NHK Eテレの人気番組『ねほりんぱほりん』のシーズン7が10月7日よりスタートした。かわいらしいモグラの人形ねほりん(山里亮太)とぱほりん(YOU)が、ブタの人形に扮した“顔出しNG”の訳ありゲストに、聞きにくい話題を“ねほりはほり”聞き出す新感覚トークショーだ。
※本記事は『ねほりんぱほりん』シーズン7「ギリギリFIRE」のネタバレを含みます
『ねほりんぱほりん』ギリギリFIRE、『ヒルナンデス!』もびっくりのガチ節約
10月14日放送回のテーマは「ギリギリFIRE」。決して余裕があるわけではない資産額ながら早期リタイア=FIREを決め、“ギリギリ”の自由生活を送るゲスト2名が登場した。
1人目のカツさんはFIRE歴9カ月の20代後半、900万円を投資信託で運用中。2人目のタイチさんはFIRE歴11カ月の30代後半、3000万円で株を購入し、株主優待を活用しながら生活しているとのこと。このまま一生働かずに生きて行くには心もとない金額だが、その生活は並々ならぬ努力で維持されていることが明かされた。
彼らの過酷な節約はFIRE前から始まっていた。3000万円貯めてから退職したタイチさんは、在職中もガラケーの最安プランで過ごしたり、アパートのガス契約をせず会社のシャワーを使うなどしていたそう。しかし悲壮感はなく、「苦しかったんですけど、節約も結構、楽しい部分もあって。自分の考えで動けるところは楽しいですね」とイキイキ語っていた。
カツさんも「節約をひたすら」で900万円貯蓄。趣味のアニメグッズを売ったほか、同棲していた彼女(交際4年、同棲2年)まで「断捨離」したそう。カツさんにもやはり、切羽詰まった感じはない。「彼女に『私も断捨離するん?』って言われました。うまいこと言いすぎて、彼女も笑ってましたね(笑)」と、ほがらかに回想。その元カノの証言VTRも流れたが、「かわいいでしょ(笑)」「あの子が幸せになってくれたらもういいです」と穏やかに語っていた。
FIRE実現後も節約は続く。タイチさんは首都圏の事故物件に住み、家賃は2万2,000円。光熱費5,000円、食費は飲食店の株主優待を使って月5,000円と切り詰めている。
地方に家を借りたカツさんは、ネット込みで家賃が1万円と激安。朝食は抜き、昼食はお味噌汁・プロテイン・納豆、夕食は玄米・鍋(白菜と鶏肉)というルーチンで、食費を1万円に抑えているそうだ。そのへんの土手に生えている野草も、鍋に入れるなど活用。「普通に散歩してたときはただの草に見えてたんですけど、勉強してわかってくると、『これ野菜売り場じゃない?』みたいな(笑)」と、たくましい。
『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)や『サンキュ!』(ベネッセコーポレーション)の節約企画など甘々に思えてくるガチぶりである。
仕事を辞めて毎日何をしているのか? ヒマじゃないのか!? というのも気になるところだが、アニメ好きのカツさんは「もうひたすらアニメを見てる感じです。多い日だと8時間くらい」「めちゃくちゃ楽しいです」と、充実感にあふれた日々を送っているそう。
一方、アイドルオタクだというタイチさんは、「コーヒー飲みながら、クラシックの音楽とか聞きながら、まず朝を過ごして……」と優雅な朝からスタートし、「そのあとはAKBの子のYouTube見たり、生配信を見たり」と趣味に時間を使っていた。さらに退職後は、オカリナも始めたそう。収録にもオカリナを持参しており、素朴な音色で「大きな古時計」を響かせた。
ぱほりん(YOU)に「音いいよね~」、ねほりん(山ちゃん)に「優しい音」と褒められ、「うれしいです」と喜ぶタイチさん。学ぶ意思さえあれば人はいつでも成長できる――という尊い姿を見せてもらった気がして、心洗われた。
『ねほりんぱほりん』ギリギリFIRE、3,400円で孤独感を紛らわせる
カツさん、タイチさんによれば、FIRE後は女性と話す機会が減るらしい。結婚願望について聞かれると、カツさんは「自分の面倒見るので精一杯。結婚しないと今は決めてます」。タイチさんも「私みたいに無職になってしまった以上、女性にとって価値はゼロ。期待してないです結婚に」と、あきらめている様子だった。
しかしその気持ちが揺らぐときもあるよう。「サンリオピューロランドに株主優待で1年に6回行ける」というタイチさんは、「アトラクション乗ったり、キャラクターと写真撮ったりしているとき、周りの家族連れとかカップルと比較しちゃって……」と、寂しさを感じるとのこと。いや、1人でピューロランドに年6回行き、キャラクターと写真まで撮ってもらう強いメンタルがあるなら、この先もきっとやっていけるよ! と励ましたくなる。
その上、タイチさん、節約中ながらAKB48の劇場公演には足を運んでいるらしい。「推しに自分の名前を呼んでもらえて、すごいうれしかったです。チケット代が3,400円したんで後ろめたかったですけど、名前呼んでもらえたんで満足しました」と納得している様子。3,400円で孤独感を紛らわせるのならば、タイチさんはこの先も絶対大丈夫である。
最後まで見て感じたのは、「ギリギリFIREは勝ち組だ!」ということだった。今回登場した2人は、ギリギリといえども、20代、30代でFIREできるくらいの資産を貯めたわけだが、これは、余程の根性がないとできないこと。節約生活に悲壮感はなく、むしろ「楽しい」とやってのけてしまうのは、もはや才能なのではないだろうか。
また、無職で毎日が休日状態だと、つい自堕落になって、張り合いのない生活を送り、結果、ウツ気味になる人も多いように思う。しかしこの2人は食生活や睡眠時間を自ら律するだけでなく、趣味を楽しみながら、実にイキイキと生活しているようだ。これは、なかなかできることではないだろう。
カツさんは、「月曜のしんどさみたいなのが絶対来ない。土・土・土・土……みたいな」「正直、将来の不安はなくて。それこそ野草を摘んでいれば、お金がいらない生活もできると自信がついた」とも語っていた。将来への不安も仕事のストレスもなく、あるのは永遠の土曜日。これこそ最強の人間では……? カツさんとタイチさんの、今後のギリギリ生活に幸あれ。
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