山崎賢人が主演を務める日曜劇場『アトムの童(こ)』(TBS系)の第1話が10月16日に放送され、世帯平均視聴率が8.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。同枠の7月期に放送された綾野剛主演『オールドルーキー』の初回11.2%を2.3ポイント下回ってしまった。
同作は、『相棒』(テレビ朝日系)、『この恋あたためますか』(TBS系)などを手掛けた脚本家・神森万里江氏による完全オリジナル作品。若き天才ゲーム開発者・安積那由他(あづみ・なゆた)が倒産危機の老舗玩具メーカーと手を組み、ゲーム業界の大資本企業に立ち向かい、成長していく姿を描く。
なお、山崎のほかに、松下洸平、岸井ゆきの、岡部大(ハナコ)、風間杜夫、ドランクドラゴン・塚地武雅らが出演し、講談師の神田伯山がナレーションを務める。
「日曜劇場の1ケタ発進は、初回が9.8%を記録したTOKIO(当時)・長瀬智也主演『ごめん、愛してる』以来、実に5年以上ぶり。さらに初回が8%台となると、『東芝日曜劇場』から複数社提供の『日曜劇場』に切り替わった20年前の2002年10月期以降を見ても、前例がありません。最近は、見逃し配信などで見ている視聴者も多いとはいえ、日曜劇場枠のブランド価値低下が危惧されるほどの低発進といえます」(テレビ誌記者)
※本記事は『アトムの童』第1話のネタバレを含みます。
初回では、廃業の危機に瀕する老舗玩具メーカー「アトム玩具」が、一発逆転の経営再建をはかるため、かつて「ジョン・ドゥ」の名でゲームを制作していた天才ゲーム開発者(安積)を探し始める。一方、オンラインゲーム事業を手掛けるグローバル企業「SAGAS」は、「アトム玩具」が持つ特許を欲しがり……という展開が描かれた。
ネット上では、「原作は池井戸潤? って思ったら違うみたい。でも、中小企業と大企業の対決は『下町ロケット』風でワクワクする」「池井戸潤テイストで好み。日本が誇るゲーム産業を描くのも面白いね」といった賛辞のほか、「山崎さん、演技うまくなりましたね」「朝ドラの頃はただのイケメンだったけど、今では演技力も増して『日曜劇場』の主演にピッタリ」と、山崎の演技力向上を指摘する声も目立つ。
また、「SAGAS」の興津晃彦社長を演じるオダギリジョーに関して、「オダギリジョーのスマートな見た目と立ち居振る舞いが、IT企業の社長役にはまってる」「主人公と敵対するIT社長に適任すぎる!」と好意的な声が続出している。
「興津は、主人公の“ラスボス”にあたるキャラクターで、初回ではゲームショーのステージ上で新作オンラインゲームのリリースを発表したり、社内を颯爽と歩くシーンなどで登場。スタイリッシュな出で立ちや、刈り上げたヘアスタイルが画(え)的にもIT社長役にはまっています」(同)
だが、この興津というキャラクターは当初、「日曜劇場」ではお馴染みの俳優・香川照之が演じる予定であった。しかし、8月24日発売の「週刊新潮」(新潮社)の報道により、ホステス女性に対する過去の“性加害”が発覚。その後、香川が降板したため、急きょオダギリに白羽の矢が立った経緯がある。
「オダギリが妙に役にはまったせいか、視聴者からは『なんでこの役を香川に頼もうと思ったのか、TBSには甚だ疑問』『香川が演じる風景をまったく想像できない。完全なミスキャストだったと思う』と、制作側の判断を疑問視する声が噴出。香川がIT社長役をどのように演じるつもりであったかは、今となって知る由もありませんが、最近は『香川の演技が過剰でコントに見える』『香川のラスボス役は見飽きた』という声が相次いでいただけに、ドラマ的には結果的に万々歳では?」(同)
第1話は微妙な視聴率となったものの、今後、巻き返しもあり得そうな『アトムの童』。オダギリの“ラスボスぶり”が、視聴率上昇の起爆剤となればいいのだが……。