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テレビ界の人気者になったひろゆき、ブレーク要因は“フラット”さと“記号化”のしやすさ? マツコとの違い 

 YouTubeチャンネルの登録者数159万人、Twitterのフォロワーは212.5万人(10月17日現在)。『サンデー・ジャポン』(TBS系)『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)『マッドマックスTV』(同)などに出演する、今やテレビ界に欠かせない人気者が、匿名掲示板「2ちゃんねる」創設者で実業家のひろゆきこと西村博之氏だ。

 コロナ禍の影響でリモート出演が常態化する中、それを追い風に移住先のフランス・パリから各番組に出演。その巧みな弁舌から「論破王」という称号も手に入れた。気づけばネットのみならずテレビでも影響力を持つようになった同氏。ブレークの要因はいったどこにあったのだろうか?

 1996年、中央大学文学部教育学科心理学コースに入学したことで、結果として「心を読み取ろうとしないほうがいい」「直接、聞けばいい」ことを逆説的に学んだと、ビジネス情報サイト「ダイヤモンド・オンライン」の連載で明かしている。また、文系に欠けている視点として統計学を挙げ、その重要性も指摘している。

「ひろゆきがYouTubeで行っている生配信には、人々が悩み相談を次々に持ちかけています。心理学の知識や統計学的見地を生かしているかはわかりませんが、悩みに回答する様子はまるでマツコ・デラックスのよう。マツコがもし生相談のコーナーを開いたら、同じような雰囲気になっているのでは。ただ、マツコとひろゆきが違うところは、『私なんて……』と卑下から始まるマツコに対し、ひろゆきは極めてフラット。感情を見せることなく、機械的に次々斬っていきます」(放送作家)

 一方、同氏といえば2ちゃんねるが若者の犯罪を助長するとしてメディアから厳しく批判され、誹謗中傷の書き込みを放置したという管理責任を問う裁判を多数抱えたことがあるなど、後ろ暗い部分も持つ存在でもある。しかし、それもまたネットがもたらす影響の良し悪しを両方知る人物として、悩める現代のネットユーザーから信頼を得ているのかもしれない。

ひろゆきのモノマネ芸人によりメジャー化?

 ネットユーザーの間ではかねてより抜群の認知度を誇るひろゆきだったが、一躍その名がお茶の間にも知られるようになったきっかけとして、モノマネが挙げられる。

 2018年からモノマネをしているYouTuber「西村ひろゆかない」のほか、ガリベンズ矢野、さらにはチョコレートプラネット・長田庄平は、『新しいカギ』(フジテレビ系)で「おさゆき」としてパロディ化している。

 それらモノマネのスタイルはどれも、ビールを飲みながら生配信しているひろゆきをマネしたもの。コンデンサーマイク、ノートパソコン、そして両耳にイヤホンをつけて黄色のパーカを羽織れば、ひろゆきっぽい“絵”が出来上がる。あごひげをつければ完璧だ。

「こういう記号化しやすい人物は、人の記憶に残りやすい。さらに、テレビやネットでの接触回数が増えるほど、記憶が強化されていきます。芸人がひろゆきに乗っかり、それがひろゆき自身にも返ってくる形で知名度が上がり、ちょうどチョコプラの松尾駿がIKKOのモノマネをしたときの好循環と同じなのでは」(芸能ライター)

 こうしてテレビや視聴者にキャラクターが浸透していったひろゆきだが、10月3日のツイートが大炎上を起こした。

ひろゆき、辺野古投稿で大炎上でも「テレビでの起用に影響はない」

 沖縄・名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前を訪れた際、「新基地断念まで座り込み抗議 3011日」と記載された看板の前に座り込む人がいなかったことから、その写真をTwitterに掲載。「誰も居なかったので、0日にした方がよくない?」と指摘したことが問題視されたのだ。

 ネット上はまさに賛否両論で、「基地問題の本質を理解していない発言」「座り込み主催者に事前に連絡をするべき」といった否定的な意見や、「1日数十分座るだけならば、事実と異なると指摘されても仕方ない」「沖縄の歴史認識や運動を揶揄したわけではなく、単に看板の正確性を疑問を呈したのだろう」とひろゆきを支持する声が上がっている。

「今も辺野古についてTwitterで持論を述べ、議論が続いていますが、テレビでの起用に影響はないものとみられます。このところ移住先のフランスから日本へ頻繁に帰ってきているので、今後も日本の現状について問題視する投稿や発言が増えることが予想されますが、そうした言動に期待する層がいるのも確かです」(前出放送作家)

 ネットの検索で「ひろゆき」と打ち込むと、関連キーワードに「ひろゆき 名言」が示される。賛否両論を呼ぶ言葉の持ち主として、多くの注目されている同氏だが、今後もこれまで通りの活動を貫くのだろうか?

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