小森純、今井華、益若つばさ……さまざまなギャルタレントが現れては消えていったこの10年。その系譜は、藤田ニコル、みちょぱ、ゆきぽよと引き継がれ、2022年は、ゆうちゃみ、その妹のゆいちゃみと続いている。
そもそも、なぜギャルタレントは、長年に渡りバラエティ番組に必要とされ続けているのだろうか。
「単純に“座組み”のバランスでしょう。今や“ひな壇”という言葉も懐かしくなりましたが、大御所がいて、お笑い芸人がいて、キレイどころのバラエティ女優がいる中、人生を楽しく生きていそうなギャルタレントがいるだけで、視聴者はなんとなく安心するのです。もちろん画づらに見栄えが出て、取り込める視聴者層にも幅が持たせられます」(業界関係者)
ギャルタレントといっても、おバカキャラや毒舌キャラ、やんちゃキャラまで千差万別。その中でも使いたい人材とは。
「スタジオを華やかにするという意味では、『ギャルがいる』ということが重要です。ただ、ギャルタレントの一般的なイメージとしてしゃべりが達者で、スタジオを良い意味で荒らしてくれるという期待があるので、そこは超えてほしい。ギャルタレントは往々にしてティーン向けやギャル系雑誌から引っ張ってくるケースが多いですが、何回か出ても印象に残らなかったメンバーはやはり消えていきました」(同)
今残っている面々は、そのハードルを越えて来た一軍メンバー。ニコル、みちょぱはタレントとしての格が上がり、また“めるる”こと生見愛瑠は、出てきた当初のギャルっぽさは消え、キレイ系の天然タレントへのシフトチェンジに成功している。上記のメンバーの次にブレークしており、今もっとも起用したいギャルタレントは誰なのだろうか。
「そうした中で、起用したい旬のギャルタレントとして名を挙げるなら、ゆうちゃみでしょう。東大阪出身で、ギャルタレントでは貴重な関西弁キャラ。また同じくギャルの妹・ゆいちゃみとのセット売りもできるので、重宝されるにも頷けます」(同)
最近はお笑いコンビ・エルフの荒川も注目を集めているという。
「荒川も芸人というくくりでギャルという立ち位置が、珍しがられています。また『ハッシュタグ』というキラーワードを持っており、わかりやすい。また、実は真面目なキャラクターで『ギャルを必死にやっている』という素顔が見え隠れするのでイジりやすいし、スタジオで起こる笑いのワンポイントになっていると思います」(同)
では、こうした面々がブッキングできなかったときに代わりのギャルはいるのだろうか。
「たとえば『egg』(大洋図書)モデルのみりちゃむこと、大木美里亜。7月7日放送の『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)では、『口喧嘩が強いギャルとしてYouTubeで話題沸騰中』と紹介。ただ、トークの見せ場は多くなく、その中の一つは『方向音痴のため駅ナカで迷子になり、出口を駅員に聞くも超早口、超タメ語で言われてムカついた』と言う話でしたが、繰り出す言葉が弱いためか、その後、松本人志やアインシュタイン稲田直樹にトークのターンを奪われてしまいました」(同)
最後に、ゆきぽよは現在、業界内でどのような評価を受けているのだろうか。一時期、テレビで見ない日はないほど大活躍していたものの、21年1月、当時親密にしていた男性が彼女の自宅でコカインを使用して逮捕され、自らも強制捜査を受けたことが明るみに。ゆきぽよ自身は“シロ”だったが、この件が発覚して以降、仕事は激減し完全復活とはなっていない。
「彼女の良さは、ほかのギャルタレントに比べて、もともとブラックな香りがあったところ。『元カレの5人中4人が刑務所暮らし』という、まことしやかなエピソードを語るなど、その虚実入り混じったところで我々も面白がっていたのですが、図らずも、親密にしていた男性の真っ黒な事実が出てしまい、これまでの話も『シャレにできない』と、いまだにテレビ界も起用に腰が引けてしまっています」(同)
いつの時代も一定の需要があるギャルタレント。今後は誰が天下を獲るのだろうか。