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『silent』『エルピス』……視聴率からは見えてこない「フジドラマ」の突出した話題性

 民放各局のゴールデン/プライム帯の10月期ドラマが出そろった中、マスコミ関係者の間では“フジドラマの突出ぶり”が話題になっているという。

 各局ドラマの初回世帯平均視聴率を見てみると、トップ3はテレビ朝日系の作品が独占しているというが、「フジのドラマには、数字からは見えてこない話題性がある」(テレビ誌ライター)そうだ。

 フジテレビは今期、吉沢亮主演『PICU 小児集中治療室』、Hey!Say!JUMP・山田涼介主演『親愛なる僕へ殺意をこめて』、川口春奈主演の『silent』、長澤まさみ主演『エルピス-希望、あるいは災い-』の4作品を放送中。初回視聴率はそれぞれ、10.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、4.5%、6.4%、8.0%となっている。

「初回2ケタを獲得できたのは『PICU』だけ。しかも『親愛なる僕へ殺意をこめて』と『silent』は全体のワースト1位、2位という厳しいスタートを切っています。また『エルピス』も、長澤の4年ぶりの連ドラ主演作としては、パッとしない数字といえるでしょう。しかし業界内外で注目を集めているのは、むしろ『PICU』以外の3作品です」(同)

 特に現在、抜群の話題性を誇っているドラマといえば『silent』だろう。

「同ドラマは、主人公・青羽紬(川口春奈)が、若年発症型両側性感音難聴を患い、聴力のほとんどを失ってしまった高校時代の恋人・佐倉想(Snow Man・目黒蓮)に、8年の時を経て再会するラブストーリー。ネット上では、『作品の質が高い』『映画を見ているようだ』と評価されるとともに、目黒の演技力も絶賛されています」(同)

 ジャングルポケット・斉藤慎二やパンサー・向井慧、ナインティナイン・岡村隆史など、芸能人も同ドラマにハマッていることを明かしている。

「Twitterでは、ドラマ名が毎週“世界トレンド1位”に輝き、民放公式テレビ配信サービス『TVer』の“お気に入り”登録者数も169.6万人(10月26日現在/以下同)まで数字を伸ばしています。なお、フジテレビは今月21日、『silent』の第1、2話が連続で『TVer』の“見逃し配信”の歴代最高記録を更新したとも発表していました」(同)

 一方、今期ドラマの初回世帯平均で最低となる4%台でスタートを切った『親愛なる僕へ殺意をこめて』は、連続殺人事件の容疑者という父親を持つ二重人格の大学生・浦島エイジ(山田)が主人公の物語。第2話は3.5%、第3話も3.7%と、かなりの苦戦を強いられているようだが……。

「“拷問”のシーンなど、残酷描写が物議を醸しており、ネット上にも『山田くんは好きだけど、見るのが怖い』『グロ表現が苦手だから、ツラい』といった声が寄せられています。しかし、『TVer』の“お気に入り”登録者数は64.7万人と、『silent』には遠く及ばないものの、今期初回視聴率第1位の『相棒 season 21』(テレビ朝日系)の38.1万人を大きく引き離し、若年層の人気を集めている様子がうかがえます」(スポーツ紙記者)

 また、『エルピス』は“攻めの姿勢”が評価されている模様。同作は、スキャンダルで失脚した女子アナウンサー・浅川恵那(長澤)が、若手ディレクター・岸本拓朗(眞栄田郷敦)らと“冤罪事件”の真相を追っていく社会派ドラマだ。

「第1話から“骨太”な内容だったとしてドラマファンは歓喜しています。作中、報道番組出演前の副総理・大門雄二(山路和弘)に対し、報道局官邸キャップ・斎藤正一(鈴木亮平)が、番組内で『森友』に関する質問が出るのを『止めてます』と伝えるシーンがあったんです。現実の森友学園問題を“ぶっ込み”、暗に政権批判を行う脚本は、ネット上で『攻めてる』『これぞ社会派ドラマ』と大絶賛。また、大門はダミ声でハットをかぶっていることから、現自由民主党副総裁・麻生太郎氏を意識したキャラクターのように見えると、話題を呼びました」(前出・芸能ライター)

 かつては「トレンディドラマ」と呼ばれる恋愛ものを中心にヒット作を連発していたフジテレビ。しかし近年はドラマ分野が低迷し、「業界内外で“終わった”とまで言われていましたが、“復活”の兆しを感じる」(同)との声も。今後もこの調子で、視聴者を喜ばせる良作を世に送り出してほしいものだ。