下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
鳴り物入りで行われた岐阜市での“キムタク信長”イベント。応募者が大殺到するなどその盛り上がりぶりが大きく報じられ、また当日の模様も盛んにテレビで放映された。退所などネガティブ情報が続くジャニーズ事務所にあって、“腐ってもキムタク”。なんだかんだいいながら、その安定ぶりを改めて感じさせてくれた。解散、脱退騒動の先輩だしね(関係ないか)。
第625回(11/3〜11/8発売号より)
1位「平野紫耀 キンプリ脱退! 『もう王様は卒業』発表3週間前の覚悟の涙に懊悩1627日」(「女性自身」11月22日号)
同「King & Prince 分裂の裏で滝沢新事務所設立」(「週刊女性」11月22日号)
2位「滝沢秀明 けが人続出で後輩悲鳴――『限界超えろ!』スパルタ指導の闇」(「女性自身」11月22日号)
3位「小室圭さん 争奪戦勃発で『年収5千万円も』」(「女性自身」11月22日号)
同「小室眞子さん またも不義理 祖父の一周忌にも『帰らない』」(「週刊女性」11月22日号)
※女性セブンは合併号休み
最初から敗北宣言をしてしまっているのが今週の女性週刊誌だ。何に対してかって? King & Princeの脱退、退所騒動に対して。しょっぱなから「それは、まさに青天の霹靂だった」(週刊女性)、「寝耳に水の発表」(女性自身)と、その兆候や情報を事前にまったくキャッチしていなかったことを“告白”してしまっているのだから。まあ、それほど芸能マスコミもびっくりの事態だったが、だからなのか、キンプリ騒動を取り上げる2誌の内容の薄さといったら――。
「週女」は脱退メンバーの平野紫耀と岸優太の海外進出という“夢”の強さを強調、さらにTravis Japanに世界デビューを先取りされ、また、なにわ男子の台頭に焦ったのではと、その原因を記している。でも、これって忖度だらけの地上波テレビでも指摘できる程度のお話だ。
記事ではさらに、キンプリ退所発表の3日前にジャニーズ退社発表のあった滝沢秀明氏が新事務所を立ち上げる情報を記載しているが、「これからの滝沢さんに注目が集まっています」と、その詳細など特に具体的情報はない。
「自身」も似たりよったり。平野が10月16日のツアーで“泣いた”ことが異変の予兆ではと推察していることが「週女」との違いくらいで、これといった新情報や舞台裏はない。そして、あの人の存在を指摘するどころか匂わせてもいない。そう、今回のキンプリ分裂とタッキー退社の原因として巷間ささやかれているジャニーズ事務所社長の藤島ジュリー景子氏の存在を、だ。
それはSMAP騒動以前にまで遡る話だが、簡単に言えば故・ジャニー喜多川社長VSその姉故・メリー喜多川氏&メリー氏の娘で現在のジャニーズ社長・藤島ジュリー景子氏との確執にある。そもそもジャニー氏は姪のジュリー氏の手腕を認めず、逆にSMAPの育ての親・飯島三智氏を評価重用し、結果、SMAP独立騒動が起こった。
そして、ジャニー氏は後継者としてタッキーを事務所副社長に据え、ジュニアの育成などを任せようとした。その確執ぶりは、晩年のジャニー氏がジュリー氏と会おうともしなかったということでも明らかだ。そんなジャニー氏が最後に手掛け、手塩にかけデビューさせたのがキンプリだ。
その後、ジャニー氏、メリー氏が逝去すると、その確執の構図はジュリーVSタッキーに引き継がれたといわれる。その間、人望もあり、政治力もあるといわれたタッキーも力を振るったが、しかしジュリー氏がジャニー派(タッキー派)を冷遇する傾向はやむことはなかった。そして創業ルーツのジュリー氏が勝利して――こうした構図の延長上に、タッキー退社とキンプリ分裂はある。
こうした構図を芸能マスコミは百も承知だ。でも書かない。書けない。思いっきり忖度する。今回もいろんな意味で、最初から負けている芸能マスコミである。
そしてジャニーズ事務所への忖度が十二分に発揮されたのが、2位の「女性自身」による滝沢秀明の退社特集記事ではないか。すっごいディスってる、もちろんタッキーを。
例えば完全無欠だとタッキーを持ち上げたように見せて、こうこき下ろした。
「滝沢さんのもとで働いていたスタッフが、滝沢さんの細かな指示についていくのに必死で白髪だらけになってしまったことがあったそうです」(テレビ局関係者のコメント)
さらにSnow Manの宮舘涼太は『滝沢歌舞伎』の稽古で7キロ痩せてしまったとか、タッキーが演出を担当した舞台『虎者』ではスパルタ指導が過ぎてTravis Japanの吉澤閑也が疲労骨折し、ほかのメンバーもけがや不調を訴えるものが多数などと指摘。こうしたタッキーの指導や、それを美徳だと思う姿勢は“時代錯誤”だとすら批判するのだ。
まだまだある。タッキーはアメリカのミネラルウォーター輸入会社の取締役になっているが、それに関して疑惑があり(詳細は記事を読んでも不明)辞任したのではと、よくわからない臆測疑惑を紹介。揚げ句、退社時にタッキー本人からのコメントがなかったことをもって「社会人としていかがなものでしょう」と匿名のスポーツ紙記者に語らせている。
しかもコメントがなかったと非難する一方、関係各所にタッキーから届いたあいさつ状が誌面に掲載されているのだ。社会人として立派に礼を尽くしていると思うが、「自身」、そして匿名のスポーツ紙記者はそうは思わないらしい。
なんでもかんでも恣意的に批判する。一旦権力の座から落ちると、こんな仕打ちを受けるのか。懇意にしていたはずのマスコミから。しかもタッキーはジャニーズ事務所の副社長だったのに、関連会社「ジャニーズアイランド」の社長だったのに!
でも物事を恣意的に見て判断してバッシングするのは、マスコミの得意中の得意な所業でもある。それは小室圭・眞子さんのケースを見れば明らかだ。今週もやってます、女性週刊誌の小室夫妻へのバッシング。それは圭さんがニューヨーク州司法試験合格の後、マスコミが圭さんを直撃、しかし圭さんは無言を貫いた。それについての論評がこうだ。
「顔色ひとつ変えずに黙殺」「いかなる事情があるにせよ、圭さんの対応を疑問に思った国民が少なくないだろう」「夫妻にとって、周囲の視線はどうでもいいのかもしれません」(週刊女性)
「無言を貫くにせよ、メディアへの敵意をあからさまに見せてしまうような態度は得策ではないと思います」「日本メディアの取材にも堂々とした態度で沈黙しているのは、“法律家としての自信”が芽生えているからなのだろうか」(女性自身)
よく言うよ。これまで圭さんがマスコミに対し会釈したり微笑んだりの対応をした際には、“ドヤ顔”“有頂天”“高笑い”なんていう、すっごい主観的表現でバカにし、批判していたくせに。だから圭さんも無表情になるのも当然だと思うが。マスコミの我田引水、ご都合主義もここに極まれり。