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エリザベス女王の半生描く『ザ・クラウン』シーズン5が酷評の嵐! 英大手紙が「星1~2つ」評価のワケ

ByAdmin

Nov 11, 2022

 9月に亡くなったエリザベス女王の半生を描く人気ドラマシリーズ『ザ・クラウン』(Netflix)のシーズン5が、11月9日から配信スタート。しかし、ネット上には「つまらない」という声が続出。現地メディアにも酷評されており、大手紙は「一番おもしろかったのはモハメッド・アルファイドと執事のエピソード」と評論。王室専門家の「歴史を書き換えている」という批判を掲載したタブロイドもあり、話題騒然となっている。

 エリザベス女王の激動の半生を忠実に描いた歴史ドラマとして2016年11月にシーズン1が配信され、世界中で大ヒットした同ドラマ。ファン待望のシーズン5は、女王の長女・アン王女、当時皇太子だった長男・チャールズ3世、次男・アンドリュー王子の離婚、ウィンザー城の火災など、波乱に満ちた90年代が舞台に。予告編ではチャールズ皇太子が女王の生前退位を強く望むシーンやBBCが1995年に放送したダイアナ元妃のインタビューの場面が流れ、ファンの期待感をあおった。

 しかし実際に配信がスタートすると、女王を含む王族全員が自己中心的に描かれており、Twitter上では「昼メロみたいで期待はずれ」「チープな内容」「つまらない」といったネガティブな意見が続出。

 また、皇太子時代のチャールズ3世役を演じる俳優のドミニク・ウエストに至っては「ハンサムすぎる」「似てるのは話し方だけ」と大不評。エリザベス・デビッキ扮するダイアナ元妃に関しては、多くのメディアが「似ている」と称賛したが、英大手紙「デイリー・テレグラフ」は、「前シーズンにダイアナ元妃を演じたエマ・コリンほどのインパクトはなかった」とも批評した。ダイアナ元妃の暴露インタビューのシーンも、視聴者からは「実際のインタビューを何度も見てるから、おなかいっぱい」といった声が多い。

 このインタビューだが、昨年、BBCの記者の取材手法などに問題があったという調査委員の報告書が公表され、ウィリアム皇太子が「母の強迫症や父との関係を悪化させた主要因であり、多くの人々を傷つけた」と批判。「もう二度と放映されるべきではない」と強く主張している。

 今回のシーズン5では、ダイアナ元妃から電話で「友達ができたの。特別な人になりそう」と言われ、少年時代のウィリアム皇太子が「そういう話も僕にしなければならない? 気まずいから聞きたくないよ」と返答する場面があった。ほかにも、会う人全員に夫婦仲の悪さと王室の悪口を言うダイアナ元妃、王室存続の是非を問うテレビ番組投票の「ノー」に狂ったように連続投票する離婚後のダイアナ元妃など、皇太子の心をえぐるような描写が見られ、ネット上では「登場人物の多くが実在しているのに、彼らのへの配慮がまったくなされていない」という指摘も。

 さらに、主人公のエリザベス女王を演じたイメルダ・スタウントンは、映画『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』(2007年)から同シリーズに参加し、冷酷で残忍なドローレス・アンブリッジ役を演じていたため、「女王が嫌な人に見えてしまう」「ハリポタの役がチラついて集中できない」と感じた人も少なくないようだ。

 英大手紙「デイリー・テレグラフ」のレビューは厳しく、各エピソードに対する評価は星1~2つがほとんどで、「フィクションを盛り込みすぎている」「年代をごちゃ混ぜにしている」と酷評。フィリップ殿下が、伯父ルイ・マウントバッテンの孫ノートン・ナッチブルの妻でビルマのマウントバッテン伯爵夫人であるペネロペ・ナッチブルと親しくなるきっかけとして、ノートンとペネロペの間に誕生した末娘(享年5)の死が描かれている点に関しては「不適切にもほどがある」と強く批判した。

 加えて同紙は、感動的だと話題になった「マーガレット王女とピーター・W・タウンゼント大佐が長い年月を経て再会したエピソード」で、そのきっかけとして描かれた「マーガレット王女がBBCラジオの『無人島へ持ってゆきたいレコード』にゲスト出演し、2人の思い出の曲『Smile』を選んだ」ことも事実とは異なると指摘。王女は同番組に出演しているが、1992年ではなく81年であり、選曲も違ったと伝えた。

 マーガレット王女とタウンゼント大佐は破局後に再会しているが、それは王女が最初の夫と離婚した78年に女官の手引きにより実現したもの。この再会はかなり感動的だったとされており、92年にも会った可能性はあるが、78年の再会ほどはドラマチックではなかったとみられている。

 なお、『ザ・クラウン』の制作総指揮を務めるピーター・モーガンは、「歴史的事実をもとに」「創造的な想像力」を働かせて制作していると説明しているが、前シーズンから王室に批判的な描き方になっており、今回の予告編を見た人たちからも「実際にはなかったことを歴史的事実のように描いている」と批判の声が続出。

 ジョン・メージャー元首相も、「自分が描かれるにあたり、断りもファクトチェックもされなかった」と不快感をあらわにし、10月末から予告編の映像には「このドラマは実際に起きた出来事をヒントにドラマ化したフィクションである」という断りが追加された。しかし、9日に配信された本編にそのような記載はなく、「実際に起きたことだとミスリードするような内容なのに」と非難されている。

 一方、「デイリー・テレグラフ」は、ダイアナ元妃の最後の恋人であるドディ・アルファイドの父親、モハメッド・アルファイドとエドワード8世の執事だったシドニー・ジョンソンとの関係を中心に描いたエピソード3「モーモーと呼ばれた男」には星4つをつけ、「最も良いエピソードのひとつ」だと高く評価した。

 シドニーがドディに仕え英王室の文化を伝授したこと、シドニーは90年に69歳で亡くなったことや、モハメッドがシドニーは「紳士の中の紳士」だと敬意を表するなど特別な関係だったことも事実で、Twitter上でも「このエピソードは2時間枠で作ってほしかった」「モハメッドとシドニーのやりとりをもっと見たい」といった反響が寄せられている。

 なお作中のエリザベス女王は、エジプト人の億万長者でイギリスの上流階級入りを切望しているモハメッドに良い感情を持っておらず、会うことを避けていた。しかし、実際にはこの時代に2人が笑顔で写った写真が何枚かある。また、ダイアナ妃は「外国人男性に好意を抱く傾向がある」ように描かれており、これに対しても違和感を感じている人は多いようだ。

 制作が明かされている『ザ・クラウン』の最終章となるシーズン6では、交通事故で亡くなったダイアナ元妃の最期を「トラウマ的」に描くとみられているが、この事故で息子を亡くしたモハメッドは「婚約間近だった2人は英王室の陰謀により殺害された」と主張している。シーズン5が残念な内容だっただけに、「シーズン6はドラマチックでおもしろいストーリー展開になりそうだ」と、早くも期待の声が上がっている。果たして次回作は、視聴者から良い評価を得られるだろうか。