1997年に事故死したダイアナ元妃と親しかったことで知られる音楽界のレジェンド、エルトン・ジョン。11月20日にロサンゼルスのドジャー・スタジアムで開催されたワールドツアー『Farewell Yellow Brick Road』最終公演の模様が、ディズニー公式動画配信サービス「ディズニープラス」で特集され、冒頭に流れた「サセックス公爵と公爵夫人」からのメッセージ動画がネットで物議を醸している。
メーガン夫人の「誇りに思うわ」という上から目線の“お言葉”もさることながら、ヘンリー王子が再び母親であるダイアナ元妃のカードを切ったと批判が噴出しているのだ。
問題の動画は、ディズニープラス初のライブ配信と喧伝された『エルトン・ジョン ライブ:フェアウェル フロム ドジャー・スタジアム』の冒頭で流れているもの。エルトンは今回でツアーから引退すると表明しており、最終公演開始19分前からスタートしたこの特番の冒頭には、エルトンやゲスト出演者らの話、過去の映像のほか、豪華セレブからのメッセージが紹介された。
音楽界の重鎮クインシー・ジョーンズ、ナイル・ロジャースやトニー・ベネット、世界的人気歌手のケイティ・ペリー、マイリー・サイラス、ビリー・アイリッシュら数多くの大物セレブたちがエルトンに「今まで本当にありがとう」などとねぎらいの言葉を贈った。
交友関係が広いエルトンならではの顔ぶれだが、その豪華メンバーの中で最後から2番目に登場したのが、ヘンリー王子夫妻だった。
「ヘンリー王子とメーガン夫人、サセックス公爵と公爵夫人」というテロップと共に笑顔で登場した2人からのメッセージは、「ハイ、エルトン」というメーガン夫人のかけ声でスタート。彼女は、「おめでとうと言いたくて(私たちはこの動画を撮影したの)」「あなたのことを本当に誇りに思うわ」「最終公演を見ることができて感謝に堪えません」と高ぶる気持ちを隠しきれない様子で、笑顔を浮かべながらメッセージを送った。
続いてヘンリー王子が、「何十年もの間、たくさんの人たちを楽しませてくれてありがとう。母の友達でいてくれて、私たちにとっても、私たちの子どもたちにとってもよき友達でいてくれて感謝しています」と、エルトンとは親子三世代にわたり家族ぐるみの付き合いがあることをアピール。
「(ツアーからの)正式な引退とのことですが、これが最後のパフォーマンス、ということはないでしょう」と笑みを浮かべつつ、「(私たち家族は、あなたのことが)大好きです。あなたが素晴らしいキャリアを築き上げたことを祝福します」とコメント。甘えるように肩にしなだれかかるメーガン夫人に顔を寄せ、結婚4年目だがまだまだ夫婦仲の良さを見せつけた。
彼らの次は大トリのバイデン大統領夫妻からの「アメリカ国民を代表して感謝する」という重々しいメッセージで、王族メンバーであるヘンリー王子夫妻が“VIP扱い”されていることは明白。イギリス人で「サー」の栄誉称号を持つエルトンの記念すべき特番の冒頭に、プライベートでも交流のあるヘンリー王子夫妻がメッセージを送ることはごく自然なことだといえるが、ネット上では、「またこの2人? 本当によく出てくるね」「プライバシーを求めて王室から離脱したのに、世界中に配信される特番でプライベートなメッセージを送るんだ」などと批判的な声が続出。
また、「王子と結婚しなければエルトンと交流などできなかったであろうメーガン夫人が、上から目線で“誇りに思う”って。プリンセスからのありがたいお言葉とでも思ってるのかな」「『私はプリンセスなのよ』って人を見下しているようで不愉快」「ヘンリー王子も安っぽいハリウッドセレブみたいになっていてガッカリ」といった意見や、「また『ママ、ママ、ってダイアナ・カードを切りすぎ」「王室批判はやばいと気がついたから、ダイアナの名前を出して視聴者の気を引くしかないんだろうけど」などとあきれる声も少なくない。
なお、エルトンのライブには、“サッカー界の貴公子”と呼ばれていたデビッド・ベッカムも、妻のヴィクトリアと一緒にメッセージを送ったが、デビッドは「あなたを友人と呼べるなんて本当に光栄。子どもたちも、あなたのことをゴッドファーザーと呼べて本当に幸せ」と敬意を払った。
また、ヴィクトリアも「あなたとたくさんの素敵な思い出を作れて、素晴らしいショーもたくさん見させてもらって。家族みんながあなたを大好き。とっても誇りに思っているわ」と、ヘンリー王子夫妻と大差ない言葉をかけたが、視聴者からは「心がこもっている」と感動の声が上がった。
ヴィクトリアと比べるとメーガン夫人は、作ったように不自然な“プリンセス・スマイル”だったため、「上から目線だ」と反感を買ってしまった様子。なお、夫人は最後に投げキッスをしており、これがアンチたちの神経を逆なでした可能性もありそうだ。
12月8日にNetflixで配信されるドキュメンタリー番組と、年明け10日に発売される王子の自伝本『スペア』で、英王室の内情を暴露するのではないかと注目されているヘンリー王子夫妻。視聴者や本の購入者を増やすためにも、今後、メディアやイベントに登場するとみられ、今回のエルトンの特番も、PRの一環ではないかと指摘する声もある。イギリスでは「サセックス公爵と公爵夫人」の称号が剥奪される可能性が現実的になってきたとも伝えられており、ますます2人から目が離せそうにない。