• Fri. Jan 27th, 2023

実家がゴミ屋敷化、今すぐ片づけるべき? 5つのチェック&生前整理の流れを解説

 汚家をまるごと片付けます! 連載企画「汚部屋 ビフォーアフター」今回のクライアントは、筆者(伊藤まき)の「実家」です。さながらゴミ屋敷だった実家ですが、紆余曲折を経て「生前処分」を実施できました。

 前回までに、「実家に眠るゴミの処分法」をまとめました。今回は、ゴミ屋敷になってしまった実家を放置せず、今すぐ片付けるべき理由と、生前整理の流れについて紹介します。

今すぐ実家の片付けを始めるべき? 5つのチェック項目

 以下、A〜Eの5つの質問に2つ以上当てはまるのであれば、今すぐ実家の片付けを始めるタイミング。親に何かあってから急ぐより、今から備えるほうが安心です。

A:子どもが実家を出て自立している
B:親が60歳を過ぎている
C:処分費をなるべく抑えたい
D:玄関にまでモノがあふれている
E:親の財産や重要書類の内容を把握していない

 それぞれの理由を、解説していきます!

今すぐ実家を片付けるべき理由【A:子どもが実家を出て自立している】

 子どもが実家を出て独立しているなら「子ども部屋」から片付けましょう。また、一つでも「何もない部屋」を用意しておくと、ほかの部屋を片付ける時に便利。ゴミを運び出せる日まで、保管することができます。なお、親が片付けに否定的な場合、頑張る姿とスッキリした結果を見せることで親の気持ちを動かせるかも。

<子ども部屋から片付けるメリット>
・子ども部屋を片付けて、親のやる気を促す
・粗大ゴミや不燃ゴミの一時置き場になる
・片付いた部屋を有効利用できる(孫の遊び部屋、ストックルームなど)

今すぐ実家を片付けるべき理由【B:親が60歳を過ぎている】

 WHOが作った「健康寿命*」という指数では、70代になると認知機能の低下といった問題が出やすいとされています。筆者の親(70代)も、かがむ姿勢ができなかったり、自治体のゴミのルールも複雑で、分別が難しかったようです。足腰の力も入らないため、落ちたモノも拾えず。そのため、体力や知力に余裕のある60歳くらいから片付けるのがおすすめです。

<親が60歳で片付けるメリット>
・体力と知能に余裕がある
・家の中での転倒事故を防ぐ

*日本人の平均寿命から、寝たきりや認知症など介護を必要とする期間を差し引いた期間を健康寿命(男性=70.42歳/女性73.62歳)とする。

 片付けにかける時間があるほど、処分費を抑えることができます。粗大ゴミは、断裁して燃えるゴミサイズに。鉄ゴミなら売ることもできますし、贈答品などは中古品としてリサイクルショップに引き取ってもらえます。

 今後はますます処分費が高くなることが予想できるので、早く始めるほど安く済みます。筆者宅の失敗例としては、実家の解体費に石綿検査費(筆者の場合20万円)の法改正がありました。

<処分費を抑えるメリット>
・今後は処分費が高くなることが予想される

今すぐ実家を片付けるべき理由【D:玄関にまでモノがあふれている】

 消費者庁が発表している「日常生活での高齢者の転倒・転落」によれば、親の介護が必要になる原因の12.5%が「骨折と転倒」です。家の中で転んだだけで、大惨事を招きます。一般的に「実家の片付け」を意識するきっかけの多くが、親の病気や死別。救急車を家に呼んだり介護をお願いする際、家の中がモノであふれていると邪魔になってしまいます。

<散らかりをなくすメリット>
・親の「転倒」を防ぐ
・救急車やヘルパーさんが出入りしやすい

今すぐ実家を片付けるべき理由【E:親の財産や重要書類の内容を把握していない】

 親の判断能力がはっきりしているうちに、財産や重要資料の保管場所を知る必要があります。「お金に関する資料」「契約に関する資料」「不動産に関する資料」がいつでも出せる準備をしておきましょう。2024年より相続登記の義務化などの法改正もあるので、早めに調べておくと損をしないで済みます。

<重要書類の話し合いのメリット>
・不要な契約内容を見直すことができる
・節税対策ができる

 次に、実家の生前整理をする前の注意点と手順を説明します。

 親が健康なうちに、財産の整理や持ち物の処分をしておくことを「生前整理」といいます。ただ、実家は「親の所有物」なので、子どもが勝手に進めるのはNG。とはいえ、何十年もかけて増やしたモノを親だけで片付けるのも無理があります。まずは子ども部屋から片付けて「処分費が安いうちに一緒に減らそう」「いらないモノを売ればお金になるよ」など、親が得をする提案から歩み寄ると良いと思います。

【流れ1】生前整理は「減らす」からスタート

 子どもから見ると重くて扱いにくい古い家具も、親の感覚では「高かったモノ」「今の時代では買えないモノ」。一気に捨てずに「減らす」作業から始めます。荷物がまとまり、親がスッキリした暮らしを気に入ったらからでも、本格的な処分は遅くありません。

【流れ2】親が管理できる量に減らして、わかりやすく配置する

 モノの数を減らしたら、残したモノを管理しやすいように配置します。基本的には、親のやり方(以前のまま)が使いやすいのですが「腰より下」「肩より上」に置くのは避けたほうが無難。棚の上に平置きする、吊り下げるなど高齢者が取りやすい配置に直します。

【流れ3】親の生活動線上から「倒れるモノ」「床に置くモノ」をなくす

 床につまずくようなモノを置かないように、レイアウトもスッキリ見直します。リビング、寝室、キッチンも動線(歩き回る道)は、凸凹がないように。倒れたら動線を塞いでしまうような家具は、壁に固定するなどしておきましょう。

 部屋の荷物が減ってスッキリしたら、書類の整理です。不動産、保険、銀行、契約など財産や支出に関するお金の出入りをまとめます。パソコンやスマートフォンを使っているなら「デジタル整理」も必要。また、相続と家族関係の複雑な問題が絡む場合は専門家へ相談しましょう。

「生前整理」は子どもの心身も元気なうちに

 ネットで「実家の片付け」と検索してみると、「うんざり」「処分できない」「疲れた」「費用」「誰がする?」「何から?」「どこから?」などのワードが並びます。ゴミ屋敷になってしまった実家の生前整理には、苦労している人が多いようです。親だけではなく子どもの心身も元気なうちに、片付けに取り掛かりましょう。