下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
世間では大いに盛り上がっているらしい、サッカーワールドカップに。そして憂鬱になる。この時期、サッカーにワールドカップに興味がないと言うと驚かれる、白い眼で見られる、まるで非国民のように。しかも老若男女問わずから。怖い。
第628回(11/24〜11/29発売号より)
1位「松原千明さん『彼との交際は反対!』愛娘すみれと決裂生んだ怪予言者」(「女性自身」12月13日号)
参照「松原千明さん 精神安定剤とアルコール『家族写真の呪縛』が解けなくて」(「女性セブン」12月8日号)
2位「震撼内幕スクープ 滝沢秀明 『5人の隠密側近』と動き出した『渾身のアイドル帝国』計画」」(「女性セブン」12月8日号)
3位「井ノ原快彦 ジャケット着用で脱タッキー」(「女性自身」12月13日号)
先週「女性セブン」がスクープした松原千明氏のハワイでの急逝。「セブン」では今週も松原氏の死の謎について追っているのだが、そこで注目したのは前夫・石田純一のファミリーだった。松原氏がハワイで孤独を深め、そして精神的に不安定になり、アルコール摂取も重なって体調を崩していったことが、いくつかのメディアでも報道されたが、その孤独の原因が石田ファミリーではないかというのだ。
その論法はこうだ。ハワイで米国男性と再婚し、長男をもうけた松原氏だったが、しかしこの男性とも離婚。しかもこのタイミングで前夫の石田は東尾理子と再婚する。その頃、長男は父親のところを訪れる機会が増え、長女のすみれも日本での仕事が多忙となる。その間、石田と理子の間に子どもが生まれ、そこに東尾修、すみれ、いしだ壱成も加わり、“素敵な芸能一家石田ファミリー”が注目される。そして、その様子がSNSにアップされる。一方、ハワイでの松原氏といえば――。
「松原さんもそんな“石田家”をまぶしくもうれしく感じていたようです」「ただ、海の向こうから毎日のように更新される“家族写真”が、ハワイで孤独を深める彼女にはつらく感じるときがなかったかといえばわかりません」(松原氏の知人コメントより)
まあ、「セブン」の分析はわからないでもない。石田ファミリー縁の下の力持ち・理子には少々気の毒な分析でもあるが、すみれも含めた石田ファミリーの“幸せ写真”を見て、ハワイにいる松原氏が寂しさを感じたというのは、さもありなんという分析だ。
しかし一方の「女性自身」には、松原氏の死をめぐって、これまで知られていなかった驚きの“キーパーソン”の存在が明らかにされている。それは松原氏が心酔した“予言者”だ。「自身」には6年ほど前、仲のよかった松原氏とすみれの関係に亀裂が入り、さらに松原氏が自殺未遂するという事件が起こったことが記されているが、その原因も、この“予言者”にあったという。
「“将来を見通せる”といって松原さんの心の隙間に入り込んできたAさんです。久々に日本でも仕事を再開した松原さんはある日突然、その“予言者”の女性を連れ、すみれさんの事務所を訪れ、『これからはこの方が私の仲介として動いてもらいます』と宣言したそうなんです」(仕事関係者のコメント)
さらに松原氏は予言者の助言を受け、すみれを独立させ予言者を社長にしたいと動いたり(実現はしなかったが)、当時交際していた男性との交際を反対したりもしたという。その結果、母娘は一時疎遠になってしまったというのだ。芸能界ではこうした“洗脳騒動”が起こり、時折世間を騒がすが、松原氏もまた“予言者”にすがらざるを得ない状況に追い込まれていたということだろう。
そして昨年末、ハワイを訪れたすみれは、母と再会しお互い抱擁して号泣、関係は改善されたという。このことは松原氏の逝去報道のなかでも救いだが、しかし現在、この予言者はどうなっているのか。晩年の松原氏とどういった関係にあったかなど、記事には明記されていないが、芸能界と洗脳問題を考える上でも興味あるところだ。
まだまだ女性週刊誌をにぎわすジャニーズからの滝沢秀明氏退任(とKing & Princeの分裂騒動)問題。「女性セブン」では、またも滝沢氏をターゲットに“今後”“第三の人生”についていろいろ調査、分析をしている。
半年間はゆっくりしたいという滝沢氏だが、しかし半年後に向けて「“仕込み”は水面下で進んでいる」らしい。記事では滝沢氏が目指すとい今後について、こんな言葉が並ぶ。
“あっと驚く芸能関係のビッグプロジェクト”“アイドルのプロデュースを軸”“エンタメとファッションの融合”“ファッションと海外を絡めた複合的エンタメ事業”――。
全然具体的ではなく何がなんだか、そして、どんなことをするのはよくわからないが、まあ、なにかすごいことを画策していると記事は言いたいらしい。しかも、そのためのすごい人脈が存在するという。
「詳しくは言えませんが、滝沢さんには側近とみられる支援者が少なくとも5人はいて、手厚い支援が約束されている」(芸能関係者のコメントより)
“詳しくは言えませんが”などと仰々しくエクスキューズしているが、記事にはけっこう具体的な援軍人脈についての記載がされている。まず滝沢の親族が役員のアパレル関係の会社に役員として名を連ねる大手電気量販店の関連会社元社長A、Bさん。滝沢が住んでいる家のオーナーで、大手アパレル企業創業者・元会長のCさん。ドバイ人脈が豊富で“特別な水”関連のD氏(その後、滝沢は関係を絶ったといわれる)。その関連で「滝沢歌舞伎」にも祝い花を出していたアラブの大富豪E氏。インフルエンサーを多く抱える芸能事務所社長F氏。
けっこう詳しい。見る人が見れば全部わかるくらい。しかし、こうして一見華やかな人脈を紹介する記事なのだが、「セブン」に散りばめられた表現にかかると、なんだかおどろおどろしく怪しい人脈に見えてきてしまうのだ。
さらに記事の最後には、滝沢氏に近い芸能関係者のこんなコメントが。
「ジャニーズ事務所を辞めず、滝沢さんのやりたいことを叶える道はなかったのでしょうか」
何をいまさら。そんな道がなかったから辞めたのに、いや辞めされられたのか。あくまでジャニーズ事務所に付き従い、辞めた人間を貶めたい「セブン」なのであった。
そして「女性自身」にも、巧妙な滝沢秀明“貶め”記事が。滝沢氏の代わりにジャニーズアイランド社長に就任した井ノ原快彦。記事では滝沢氏と井ノ原の“方針の違い”を羅列しながら、井ノ原社長を持ち上げている。巧妙でお上手なイノッチ礼賛記事。さすがです。