今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
宮台真司さん切りつけ事件に驚き
びっくりしましたね、東京都立大学教授の宮台真司さんの切りつけ事件。お会いしたことはないのですが、宮崎学さんと親しく、『突破者の遺言』(ケイアンドケイプレス)のオビ文を書いてらっしゃいますし、ご高名は存じ上げております。
命に別条はないそうですが、重傷とのことで心配です。この場をお借りしてご回復をお祈り申し上げます。この原稿を書いている12月1日現在、まだ犯人は捕まっていません。監視カメラにばっちり映っているはずですが、何なんですかね。
六代目山口組と池田組が「特定抗争指定暴力団」に指定
12月になると、少し前まではヤクザの「事始め」が話題になっていましたが、この数年は静かですね。今年も各組織とも静かに執り行うようです。
以前も書かせていただきましたが、お正月の準備を始める12月13日の事始めは、もともとは庶民の行事でもありました。
地域によっても違いますが、お歳暮も13日から1週間くらいの間に届けるのが一般的ですよね。それだけ重要な慣行だったのです。
今年は、事始めを前にした12月8日から、六代目山口組と、神戸山口組から独立した池田組が「特定抗争指定暴力団」に指定されることになりました。両組織とも指定についての意見聴取会を欠席したことが大きく報道されていました。ちなみに池田組の聴取予定日が、報道機関によって「11月30日」と「12月1日」に分かれてたのが、ちょっと気になりましたけどね。
暴対法第5条では、指定の時には「指定する側」の県の公安委員会が、「暴力団」側から「意見」を聞く機会を作っているのですが、まあほとんど出席しませんね。出席したところで指定されないわけはないのですが、昔はけっこう出席していた気がします。
今はムリでしょうが、あの工藤會も昔は出席していて、なんと報道も残っていました。2012年の「特定危険指定暴力団」の指定の聴取会で、「他の団体よりどう危険なのか立証できなければ、指定は納得できない」と反論していたことが「日経新聞」に出てるんですよ。これは歴史的にも興味深いと思っています。
話がそれましたが、六代目山口組、神戸山口組に加えて池田組が指定されたことで、「特定抗争指定暴力団」が一つ増えることになり、山口組の統一はますます難しくなります。
池田組は資金力の高さで知られていますし、「六代目山口組には戻らない」と公言しているそうですから、もしも神戸山口組に何かあっても、池田組は池田組として残ります。しばらくは「三つ巴」が続くのでしょうか。
池田組といえば、10月に池田孝志組長が床屋さんで散髪中、六代目山口組系の組員に襲撃され、4人のボディーガードが反撃したという事件が記憶に新しいところです。床屋さんという「アウトローの定番的襲撃場所」ですが、裏に小学校があったことなどで、ヤクザへの批判はますます高まってしまいました。
こういうこともあっての「特定抗争指定暴力団」指定なのですが、今後も注目です。
08年の事件で道仁会の幹部が逮捕
あと、もう一つ気になっているのは、道仁会に対する警察の動きです。関係者の逮捕が続いていて、12月1日には傘下組織が大阪府警の捜索を受けました。ニュース動画を見ると、相変わらずどっちがマル暴だかわかりませんね。
10月には、道仁会から独立した九州誠道会(現・浪川会)系組長が08年に射殺された事件をめぐって、道仁会の幹部が逮捕されています。
ヒットマンはすでに服役しているのですが、今さらの「指示役」逮捕で、いろいろと臆測が流れています。報道によると「関係者の供述」が逮捕につながっているようで、誰かが指示を明かしたようですから、これもひと波乱あるかも……と気になっています。