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【薬剤師監修】放置しちゃダメ! 耳の病気のリスクが高くなる「ドロドロ鼻水」とは?

 耳が聞こえにくい、耳の調子が悪いなどの症状がある方は、副鼻腔炎(蓄膿症)に注意が必要です。副鼻腔に鼻水や膿(うみ)が溜まっていると、次第に圧迫されて細菌が耳にうつり、耳の中で変な音がする、耳が聞こえにくい、耳の気圧が調節できないなどの症状があらわれます。このような症状を放っておくと、難聴のリスクが高まる可能性もあるとのことで、今回は、副鼻腔炎の症状やリスク、対処法について薬剤師の相田彩氏に紹介してもらいました。

1.副鼻腔炎とは

 副鼻腔炎とは、鼻のまわりにある「副鼻腔」と呼ばれる、左右対称の8個の空洞が何らかの原因で炎症を起こしている状態です。

1‐1.副鼻腔炎の種類

 副鼻腔炎には、「慢性副鼻腔炎」「急性副鼻腔炎」「好酸球性副鼻腔炎」「副鼻腔真菌症」があります。

1‐2.副鼻腔炎の症状

 慢性副鼻腔炎では、鼻づまり、黄色いねばねばの鼻水が出る、頭痛、副鼻腔の痛み、口臭、鼻水が喉に流れるなどの症状があらわれます。また、急性副鼻腔炎ではこれらに加えて、発熱が起こることも。急性副鼻腔炎に比べて、慢性副鼻腔炎のほうが症状は和らいでいることが多く、発熱もあまりありません。

 好酸球副鼻腔炎は、鼻の中に多数のポリープができるのが特徴。嗅覚の低下、咳、痰などの症状が起こる場合もあり、それ以外は慢性副鼻腔炎と同じ症状です。

 副鼻腔真菌症では、鼻水、鼻づまり、痛みのほかに出血がみられることがあります。

1‐3.副鼻腔炎の主な原因

 急性副鼻腔炎の原因は、風邪やインフルエンザなどのウイルス感染や、細菌感染など。また、花粉症などでアレルギー性鼻炎が続いている場合に、炎症が副鼻腔まで広がることで急性副鼻腔炎になることもあります。

 慢性副鼻腔炎は、急性副鼻腔炎が悪化したり、繰り返されたりすることで起こります。 繰り返す副鼻腔炎の原因には、胃腸機能の低下や水分代謝の乱れ、冷えや季節の変動による免疫機能の低下などが考えられます。

 また、好酸球副鼻腔炎の原因は、はっきりとわかっていません。

 副鼻腔炎真菌症とは、細菌ではなく、真菌(カビ)が副鼻腔内に入り込んで炎症を起こすものです。真菌は常在菌ですが、高齢者や抗生剤、抗がん剤の長期使用などで免疫機能が低下している場合になりやすくなります。

 風邪をひいて、急性副鼻腔炎になってしまうことはよくあります。早めに受診して抗生剤を飲むなどの対応をすると、多くの場合は早くよくなるでしょう。

 しかし、放置したり、症状を繰り返したりして、長引いてしまうと、慢性副鼻腔炎になってしまいます。慢性副鼻腔炎になると、急性副鼻腔炎とは違う種類の抗生剤を長期間飲むこともあり、それでも治らない場合には手術をしなければなりません。

 また、放置してしまうと、副鼻腔炎が原因で中耳炎や目の合併症、ひどい場合には脳の合併症につながることもあります。そうならないためにも、副鼻腔炎は慢性化させないことが大切です。

 風邪がなかなか治らなかったり、ドロドロの鼻水が続いていたりするなどの症状があれば、早めに受診しましょう。

3.副鼻腔炎の予防方法

 副鼻腔炎を予防するには、鼻づまりや鼻水の症状を軽視せずにきちんと対処することが大切です。以下に示す予防方法を普段から心がけ、対策を行いましょう。

3‐1.鼻のかみ方に気をつける

 鼻を力任せに強くかむ人は、片方ずつやさしくかむようにしましょう。力任せにかむと、鼻の中が傷ついたり、出血しやすくなるので中耳炎の原因になります。また、両方の鼻を一度にかむと、ウイルスや細菌が奥に押し込まれて副鼻腔炎になることも。

3‐2.風邪をひいたら無理しない

 風邪をひいたら、まずは十分な休養と睡眠をとることが大切です。無理をして風邪をこじらせると、抵抗力も落ち、副鼻腔炎になりやすくなります。

3‐3.虫歯を放置しない

 副鼻腔炎は、まれに虫歯や歯周病が原因で起こる場合もあります。これは、歯の根元にある副鼻腔に炎症が伝わってしまうからです。そのため、虫歯は放置せずにしっかり治療しておきましょう。

3‐4.普段の食事から糖分をとりすぎない

 副鼻腔炎には、「ヒスタミン」という物質も関わっていると考えられています。ヒスタミンでリンパの流れや血流が悪くなり、鼻の粘膜の抵抗力が低下することが原因です。糖分の過剰摂取がヒスタミンの産生につながるので、日常の食事では糖分の摂取量に注意しましょう。

 副鼻腔炎で悩む方には漢方薬もおすすめです。漢方薬には「副鼻腔炎」「鼻づまり」などに効果が認められているものがあります。

 副鼻腔炎に対しては、「血流をよくして鼻の粘膜を強くする」「鼻の粘膜の炎症を和らげる」「水分の循環をよくして副鼻腔炎の原因となる鼻水を改善する」「消化・吸収機能をよくして抵抗力を高める」といった働きの漢方薬を選びましょう。

 また、漢方薬は自然由来の治療薬として、副鼻腔炎の症状の回復だけでなく、心と体全体の体質を根本改善することを得意としています。

<副鼻腔炎におすすめの漢方薬>

・辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
 鼻づまり、慢性副鼻腔炎に使われる漢方薬です。体力が中等度以上で、濃い鼻水が出て、熱感や痛みがある場合に向いています。

・葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
 葛根湯に、気の流れをよくし頭痛を解消したり、鼻の通りをよくしたりする辛夷と川芎を加えた処方です。鼻づまりや慢性副鼻腔炎などに効果があります。比較的体力がある方に向いています。

 副鼻腔炎といっても、体質や種類によって、どのような生薬を用いれば効果的なのか悩むことがあるかもしれません。

 また、漢方薬は、ご自分の状態や体質にうまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。しかし、たくさんの漢方薬から、ご自分に合った漢方薬を見つけるのは大変ですよね。

 そんなときは、「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに一度相談してみるのもいいでしょう。漢方に精通した薬剤師とAIがあなたに効く漢方薬を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれます。

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5.自然治癒を期待せず、早期に治療しましょう

 ただの鼻づまりや鼻水はよくあることですが、放置し続けて慢性副鼻腔炎になると、さらに怖い合併症になる可能性も出てきます。鼻の調子がおかしいなと感じたら、注意深く様子をみて、副鼻腔炎の疑いがある場合は早めに対処しましょう。

薬剤師・相田彩
薬剤師。昭和薬科大学薬学科卒業。 総合リハビリテーション病院、精神科専門病院、調剤薬局に勤務するなかで、漢方薬が使用される症例の多さと、体質や症状に適した漢方を使用することの重要性を実感する。漢方薬の力をより多くの方に広めるために、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。