「にじさんじ」を運営するANYCOLOR株式会社と「ホロライブプロダクション」(以下、「ホロライブ」)などを手がけるカバー株式会社が12月5日、誹謗中傷被害に関する共同声明を発表した。
2社の声明文によると、「所属バーチャルライバー/所属タレントの名誉又は信用を徒に貶め、VTuber 活動を不当に妨害する意図をもった誹謗中傷行為等が存在することも事実であり、誠に遺憾です」といい、「これらの誹謗中傷行為等は、インターネット掲示板やSNS等において、匿名のもと気軽に行われている現状がある中で、所属バーチャルライバー/所属タレントの心を傷つけ、その活動が困難な状態に陥らせ、ひいては彼ら/彼女らの人生をも狂わせてしまうことがございます」とコメント。
これまでも両社は各種対策を講じてきたそうだが、「今後はさらに進んで、同対策の実行に際して、状況や事案に応じて両社で手を取り合い、誹謗中傷行為等の根絶に向けて邁進していく所存でございます」とし、具体的には「名誉毀損行為、プライバシー権の侵害行為、『荒らし』行為等の営業権の侵害行為、殺害予告・ストーカー行為等の攻撃的行為」に対して、法的措置などを行っていくという。
「精神的な不調を理由に、活動休止や事務所退所に追い込まれるVTuberが後を絶たず、事務所側も頭を悩ませてきました。この声明が発表された同日にも、5人組ユニット『秘密結社holoX』のメンバーで、ホロライブ6期生のラプラス・ダークネスが『精神的不調が続いていた』との理由で活動休止を発表。不調に至った原因は不明ですが、6月には『ホロライブ』が禁止しているサバイバルゲーム『RUST』のストリーマーサーバーに参加していたことが発覚し、炎上。本人の謝罪後も、バッシングが続いていました」(芸能記者)
また、12月1日に「にじさんじ」を“11月30日をもって退所した”と発表したばかりのアクシア・クローネも、誹謗中傷被害に苦悩。
8月に配信活動を一時休止した際には、ANYCOLORの公式サイトで「2022年春頃より、SNS等においてアクシア・クローネに対する誹謗中傷、悪意に基づく虚偽の情報の流布、アクシア・クローネに関わった他の弊社所属ライバーに対する誹謗中傷や危害予告(以下「誹謗中傷行為等」)がなされ、これが悪化・継続しておりました」と経緯が報告され、誹謗中傷行為や業務妨害行為を行った者に対して「具体的な法的対処を既に開始いたしております」と伝えていた。
同じく「にじさんじ」に所属する郡道美玲も、6月に誹謗中傷行為に対し、法的措置もいとわない姿勢を示して話題に。彼女は同月行った生配信で、聴力低下が引き起こされるメニエール病であることを公表。その後も配信を続けていたところ、「難聴設定(笑)」「病気なのに何で配信できるの? 嘘でしょ」といった心ない声が届いたそうで、「同じメニエール病で苦しむ人の社会生活まで脅かし心苦しくさせるコメント等はどこで見掛けようが一発でライン超え認定して法的措置取ります」とTwitterで宣言していた。
さらに、2月まで「ホロライブ」に所属していた3期生の潤羽るしあは、退所前の同月に人気歌手・まふまふとの交際疑惑が浮上したことで炎上。それまで潤羽に“投げ銭”などをしていたファンから「金返せ」「裏切り者」などの批判が飛び交い、数日後に潤羽は「食事も睡眠もとれず歩行も困難です。ひどい捏造がありすぎで今すぐに死んでしまいたいです。何日もまともに休めていなくて判断が出来ない状態です。お願いだからないことばかりいうのやめてください。おねがいします」(現在は削除)とツイート。
同日には、カバーも「所属タレントのプライベートは本人に一任しております。また、本件に付随して、配信やSNSでの誹謗中傷や捏造により、『潤羽るしあ』本人のみならず他の所属タレントにおきましても精神的負担を受けておりますので、当該行為はご遠慮くださいませ」と呼び掛けていた。
「昨年11月には、チャンネル登録者数190万人を誇る戌神ころねが、『自律神経がやられています』と病院で診断されたと報告。当時は“2週間ほど活動休止する”としていまいたが、実際に配信活動が再開されたのは今年6月。本人が過去に『ファンがアンチになった』と嘆いていたことから、やはりアンチコメントに悩まされていたようですね」(同)
これまでも、あの手この手でアンチに立ち向かってきたANYCOLORとカバー。2社の連携により、表現の場を失うVTuberが減るといいが……。