• Tue. Jan 31st, 2023

『ねほりんぱほりん』シングル里親の背中を押した、ひとり親・YOUの涙のエール【2022年シーズン7】

 NHK Eテレの人気番組『ねほりんぱほりん』のシーズン7が10月7日よりスタートした。かわいらしいモグラの人形ねほりん(山里亮太)とぱほりん(YOU)が、ブタの人形に扮した“顔出しNG”の訳ありゲストに、聞きにくい話題を“ねほりはほり”聞き出す新感覚トークショーだ。

※本記事は『ねほりんぱほりん』シーズン7「シングル里親」のネタバレを含みます

『ねほりんぱほりん』シングル里親、妻の急逝で里子と二人きりに……

 今回のテーマは、単身で里子を育てる「シングル里親」。ゲストには、妻を突然亡くし、1人で3歳の里子を養育するシンさん(男性・40代)が登場した。

 シンさんは、高校の同級生だった奥様と結婚。もともと妻からは子どもができない体質だと知らされており、それを承知の上で結婚したそう。「2人の生活にまったく不満はなかった」が、友人に子どもができると気持ちに変化が。「『子育てって大変』って言いながらも、みんな楽しそうなんですよね、顔がね」「子どもを育てながら、わいわい生活していくっていうのも、そういうプラスアルファがある生活に惹かれていった」といい、結婚15年目で0歳児の里子を受け入れた。

 子育てを通じ、「自分以外の誰かですよね……その子のために何かをしてあげられるっていうのが、私たち夫婦が求めていたことなのかなというふうには感じましたね」というシンさんだが、今年に入って妻が急逝してしまう。

「去年、(妻が)急に耳が聞こえなくなったと。頭のMRIを撮ったら、ちょっと大きめの脳腫瘍があったと。手術を受けるという話になったんですけども、手術前の処置の段階でくも膜下出血になってしまって、そのまま意識がなくなって。そこから3カ月くらい頑張ったんですけれども……」と、振り返るシンさん。子どもの今後について話し合う暇もない、突然のお別れだった。

 里子契約を解除される可能性もあったが、シンさんは児童相談所に、このまま単身で育てたいと相談。「『うちの管轄では、男性のひとり親で育てている前例はありません』と言われ、そこから話し合いが始まったんですけれども」「児童相談所の方もすごく親身になってくれて、子どもが私に懐いているっていうのも理解してくれた」そう。妻を亡くした悲しみを抱えつつ、子どもを1人で育てることになった。

 シングル里親の大変な点を聞かれると、「もうしょっちゅう、何もかもですけど……」「妻がいれば、私が怒っちゃっても妻がフォローしてくれたな~とか、妻だったらきっとこういうふうには言ったりしないんだろうな~だとか。そういうことを思うと、やっぱり泣けてきちゃう」と吐露。

 仕事・育児・家事をすべて1人でこなしていれば当然、疲れてしまう。シンさんは自分の親や、里子を一時的に預かってくれる制度「レスパイト・ケア」に助けられながら奮闘しているそう。

 「自分に本当に余裕がなくなると、子どもに優しくできなくなっちゃうんですよね。『子どもを1人でちゃんと育てていく』っていう覚悟を、ずっと継続させていくためには、やっぱりまずは自分が無理せずちゃんと生活できないと、子どもに優しくすることもできないし、人の面倒見るなんてことも、まずできないんだなって思うようになったので、そこからはもうあんまり抵抗なく(レスパイト・ケアを)使おうと思っています」と語った。

 「子どもを育てていく覚悟を継続させるために制度を使う」という言葉、シングル里親だけでなく、子育てをしている多くの人の胸に沁みるのではないだろうか。

 また、シンさんは里親ならではの葛藤も抱えている。「結局、里親っていう制度なので、両親がそろっている里親さんに育ててもらうこともできるんです」と言い、「自分としては育てたいですけど、子どもからしたら、両親がいる環境でちゃんと育ったほうがいいんじゃないかって思うところはあります」「今私が育てているっていうのは、ある意味、私が育てたいっていうエゴで……」と悩みを打ち明けた。

「彼が大きくなったとき、今の記憶って多分ないんじゃないかなって思うと……。里子としてマックス18歳まで預けられるとしたら、このあと(別の里親のもとに行けば)15年間、両親がそろって幸せな家庭っていう記憶が残るので、そっちのほうがいんじゃないかなって」

 そう逡巡するシンさんに、熱いエールを贈ったのは、ぱほりん(中身はYOU)だった。

 1997年に男児を出産し、途中からはシングルマザーとして息子を育て上げたYOUには思うところがあったようで、「そこを慮っちゃうのはわかるんですけど、なんか、みんなで育てる感じでいいような気がします。それこそ学校も、親御さんとか養護施設の方とかも、これから出会う方たちとも、みんなで育てる感じでいいような気がします」と、涙で声を詰まらせながら語りかけた。

 そして、「私も大事に育てたんですけど、結局、親の言うことなんか聞かないじゃないですか。他人の言うことばっか聞くんですね、子どもって。なんか急にバイトの店長の言うことのほうを聞くようになったりとか。そう考えると、みんなで育てていこうっていうふうに思いますね。みんなで育てましょう!」と、シンさんの背中を押した。これは、シンさんはもちろん、子育て中の多くの人に響く言葉ではないだろうか。

 シンさんは番組内で、「やっぱり皆さん、戸籍だとか血がつながってるとかっていうのに、結構こだわるんですよね。そもそも夫婦って、血もつながってないし他人じゃないですか。他人なんだけど、夫婦って結婚したら家族じゃないですか。なんで子どもは血がつながって戸籍が一緒じゃないと、家族って言ってもらえないのかなっていうふうには思います」と話していた。

 血のつながりがない里子を1人で育てるってめちゃくちゃ大変そう……と先入観を持って見てしまったが、里子・実子に違いはなく、シンさんとお子さんは「家族」なのだと教えられた。