汚家をまるごと片付けます!連載企画「汚部屋 ビフォーアフター」は、筆者の「新しい実家」です。実家じまいをして、中古マンションへと住み替えたもののカビだらけ……。築30年分の汚れを、自力で清掃する様子をお届け。年末の大掃除のヒントになるかも!
写真は、築30年の中古マンション(新しい実家)です。今回は、1本で頑固な汚れを落とせる「万能クリーナー」が主役。オキシクリーンでも落ちなかった風呂床の黒ずみから、子どもの落書き、シール跡、ステンレスのくすみなど手強い汚れを落とすことが可能です。しかも、人と環境に優しい天然柑橘油が主成分だから安心。取り扱いの難しさとお値段から、一般的にはあまり知られていませんが、ぜひ皆さんにご紹介したい名品です!
【建築職人愛用】スリーエム(3M)の「クリーナー30」
建築業界の職人が愛用する、スリーエム(3M)の「クリーナー30」。お値段は989円(ホームセンター価格/ライター調べ)です。この道何十年という職人が「手に優しくよく落ちる」と絶賛する商品。お値段が高めに感じますが、1本で「洗浄、艶出し、保護」ができちゃいます。ただし、ドラッグストアでは売っていません。ホームセンターの接着剤売り場に並んでいることが多いです。
「クリーナー30」はリモネン成分とガスで落とす
主成分は天然の柑橘油由来のリモネンで、石油系溶剤はなし! 高級洗剤の主成分に多いオレンジ油の食品添加物が原液で入っていて、ガスで噴射するといったイメージです。職人さんいわく、「天然洗剤だから手に優しく素手で作業できる」とのこと。ただ、香りは強烈です。
ただし、扱い方には注意が必要。多くの人が慣れ親しんでいる「混ざるな危険」の漂白剤などとは、扱い方が異なります。商品を購入したら、必ず「裏面の説明」をしっかり読んで、ご使用ください。使い勝手が理解できた筆者も、いつもハラハラ(笑)。
筆者がこれまで買った洗剤の中で最も高い値段ですが、大満足しています。というのも、1本で10パターンの「違う汚れ」を落とすことができるから。実際に10個の使用例を紹介します!
写真はハウスクリーニング後の風呂床です。長年のこすり洗いによってできた小さな傷に、汚れが詰まっているため、プロもお手上げ状態。ユニットバスの床(樹脂製)にこびりついた「頑固な黒ずみ」を、「クリーナー30」で落としていきます。
「クリーナー30」をスプレーして3分待ってから、メラミンスポンジで落としました。ハウスクリーニングでも落ちなかった黒ずみなのでダメもとで試したのですが、簡単に落ちてびっくり! いろんな意味でショックです(笑)。
【クリーナー30の使用例.2】ステンレス素材の「艶出しと保護」
お風呂のドア周りにも、スプレーすると黒い汚れが浮き出てきました。皮脂アカのベタベタと、水アカのザラザラを同時に攻撃できます。口コミによると、金属製素材(スチール、アルミ、真鍮など)の艶出しと保護もできるとのこと。
水アカと皮脂アカが重なってできたくすみ汚れが消えて、艶が出ました。手で触ると、ザラザラからツルツルに変化しています。水アカの塊も柔らかくなり、ヘラで削ぎ取るのも簡単。
【クリーナー30の使用例.3】扉などの「手垢」落とし
人の手垢も油(皮脂)なので、簡単に落ちます。ただし、コンセント周辺は直接の噴射は避けて、雑巾に付けてから拭くのが◎。ちなみに、壁紙や建具についた汚れは、中性洗剤でも落とせるので「クリーナー30」に頼らなくてもOK。
とりあえず試した結果は、合格でした! キレイな白色がよみがえりました。
写真は、前日にオーク材に油性ペンで試しに書いたもの。艶ありの化粧板は、ボールペンの落書きです。油性ペンの落書きは、ツルツルとした素材(ホワイトボード、鏡、ガラスなど)なら簡単に落ちますが、木材はどうでしょうか?
前日に書いた油性ペンなら、オーク材(ウレタン塗装)でも落とせました。ボールペンの落書きも、艶ありの化粧板なので簡単。ただし、凹凸傷に入り込んだ汚れは消えません。浸透しやすい木材も、時間がたつと難しいと思います。
【クリーナー30の使用例.5】たばこの「ヤニ汚れ」を落とす
目覚まし時計に、タバコのヤニが残っていたので試してみました。時計の内部に入らないよう、直接スプレーは避けて拭きます。また、プラスチックの汚れは、小範囲で試してからが◎。
使い捨てクロスに「クリーナー30」を付けて磨きました。グロス効果も出て、一石二鳥です。ただし、プラスチック・塗料の種類によって、塗膜が落ちるリスクも高いので注意。
【クリーナー30の使用例.6】リメイクシートの「黒ずみ」を除去
玄関のドアにびっしり付いた、黒ずみです。黒カビと聞いていたので、夏になったらカビ落とし剤でパックしようと考えていたのですが、とりあえず、ザラザラしていたので試してみました。
スプレーして3分待ってから、メラミンスポンジでこするだけで簡単に落ちました! 玄関のドアシート貼り替え(見積もり7万円以上)より安く済んでびっくりです。ドア枠のペンキ塗料が落ちてしまったので、塗料がある場合は「養生シート」を忘れずに。
古くなって固まった油、グリース(液状潤滑剤)で汚れた部品も「クリーナー30」の得意分野です。前々回に紹介した「スコットショップタオル」に洗剤を含ませてから落とします。
30年前の金具とは思えないほどの艶も復活です。使いきれない潤滑剤を用意するより、万能すぎる「クリーナー30」のほうがお得。水を使った洗浄より、使用後に錆を発生させる心配もありません。
【クリーナー30の使用例.8】結露テープなどのシール剥がしに
結露シート、貼って剥がせる壁紙、水回りの隙間テープなどの商品は「剥がせるノリ」といっても、長い時間がたつと剥がしにくくなります。この家もまた、結露シートの跡だらけ。
冬の寒い時期でも、プラスチックヘラと「クリーナー30」で簡単に取れました。頑固な場合は、ドライヤーの温風やホットタオルを当てて接着を柔らかくしてからが効果的です。
【クリーナー30の使用例.9】ボンドの固まった汚れを除去
巾木を張り替えたあとの、ボンド残りです。リフォーム直後は見えない汚れも、時間がたつと出てくる場合があります。
「クリーナー30」と100均のヘラを使って落としました。*印の部分も同じ汚れだったようです。この家には、新旧のボンド残りが多くあるので、ゆっくり落としていこうと思います。
両面テープを切ったらハサミや、靴のゴムあと、ガムの踏みあとの汚れにもOK。ベタベタとギトギトの汚れに困ったら、「クリーナー30」を試してみて!
【クリーナー30の注意点】取り扱いをしっかり読むこと
先ほども少し述べましたが、高圧ガスでリモネンを噴射するクリーナーなので、商品裏の【取り扱い上の注意点】は必ず読みましょう。【危険等級III】表記があるように、清掃後の布の処分方法や保管方法など細かい注意点もあります。
実際に使用してみて、筆者が思ったのは、リモネンが霧状に散布されるため、「換気」「マスク」「養生」が必要ということ。噴射量の加減が難しいので、段ボールや下敷きなどで壁を作ると良いです。また、広範囲にスプレーをかけると、白い粉が残りやすいので注意。
「クリーナー30」は1本で10種類以上の汚れを落とせる!
「クリーナー30」はまさに「万能クリーナー」。実力は満点です! 100均で買えるシール落としより強力でなのに、成分は安心。何より、1本で10種類以上の違う汚れを落とすことができる点が最高です。