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  • 金. 9月 20th, 2024

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藤島ジュリー景子氏「ジャニーズ問題の根源」、川口春奈「八面六臂の活躍」……2022年の“女”を斬る!

「女性週刊誌ぶった斬り!」を連載中の、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク・神林広恵が、今年世間を騒がせた女たちを斬る!

 2022年も年の瀬。恒例の“今年の女性ランキングベスト3”をお届けしたい。とはいえ、このランキング、極私的であり、かつ“今年輝いた女性”ばかりではないことをお断りしておきたい。

1位 藤島ジュリー景子氏

 今年、ジャニーズ事務所は激震に見舞われた。事務所の副社長で子会社・ジャニーズアイランド社長だった滝沢秀明氏が突如退任し、その直後にKing & Prince(以下、キンプリ)メンバーの脱退、退所騒動まで勃発したのだから。

 芸能マスコミにも激震が走ったが、しかし、この問題を報じる多くのマスコミは、いつものように忖度の態度を変えることはなかった。テレビはその内情をほぼ黙殺、そして週刊誌やスポーツ紙は、まるで退任する滝沢氏に問題があったかのような記事を連発し、揚げ句、キンプリに関しても、事務所に残留する永瀬廉と高橋海人を持ち上げる一方、その責任がまるで脱退する平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太にあるかのような論調に始終したからだ。ジャニーズ事務所におもねり、事務所を裏切った(辞めた)者たちを糾弾する――。

 相変わらずの忖度マスコミの構図が繰り広げられたわけだが、そんな忖度マスコミが触れなかったのが、問題の根源である藤島ジュリー景子社長の存在だ。

 ジュリー氏は、ご存じカリスマ創業者のジャニー喜多川氏を叔父に持ち、それを支えた姉・メリー喜多川氏の娘である。血筋第一主義のジャニーズ事務所にあって、ジュリー氏は生まれた時から後継者と目されてきたが、悲しいかなジャニー氏は、ジュリー氏の手腕やセンスを認めていなかったといわれる。

 しかし一方の母親・メリー氏は、ジュリー氏の後継を既定路線とした。そのため、ジャニー氏が重用したSMAPの育ての親・飯島三智マネージャーの追放劇、そして世間を震撼させたSMAP独立騒動が勃発したわけだが、今回もまたしかり、だ。

 ジャニー、メリー両氏が亡くなり、ジャニーズ事務所のトップはジュリー氏へ。しかしジャニー氏が生前後継者として事務所を託した滝沢氏や、ジャニー氏が最後に手塩にかけてデビューさせたキンプリ(の一部)は、ジュリー氏との確執がささやかれた。ジュリー氏は自分に従順ではない者を、そしてジャニー氏を慕ったタレントを冷遇した。

 結果、創業ルーツのジュリー氏が勝利した。滝沢氏の退任とキンプリの分裂・退所のキーパーソンがジュリー氏であることは明らかだ。しかし多くのマスコミは、その事実だけでなく、ジュリー氏の存在さえもスルーした。そしてジュリー氏のことを大きく取り上げた「週刊文春」(文藝春秋)はジャニーズ事務所から法的処置を示唆されたのだ。

 忖度マスコミによってベールに包まれてきたジュリー氏だが、叔父と母亡きあと、後継者としてジャニーズ事務所をどう牽引するのか。日本のエンターテインメント界に大きな影響力のある事務所トップだけに、その存在と動向には来年も注目したい。

 今年は、映画界を中心とする性強要・性加害の実態が、次々と明るみに出た1年だった。その発端は、映画監督で俳優の榊英雄の問題。これをきっかけに映画・ドラマ界で、被害者女性たちによる性被害、ハラスメントへの告発が相次いだ。

 性暴力・性強要の“常習”であると報じられた映画監督・園子温、演技指導の名目で女優を家に招き、性行為を迫るなどの性加害が暴かれた俳優の木下ほうか、ホステスへの狼藉が明らかになった香川照之などが一例だ。

 こうした性強要・性加害が横行する背景の一つに、日本エンターテインメント界において強い権限を持つ監督やプロデューサーと、キャスティング権を握られた俳優の“上下関係”が指摘されたが、そうした風潮の中、女性たちは果敢に声を上げた――彼女たちの勇気は、その後の流れをも作った。次々と性強要や被害を訴える女性たちが登場したからだ。

 いや芸能エンタメ界だけではない。実名・顔出しで複数の男性自衛官からの性暴力を告発した、元自衛官の五ノ井里奈さんの勇気に対しても、大きな敬意を表したい。

 勇気ある告発が、次の告発を呼ぶ。性暴力にあった人々が泣き寝入りせず、次々と声を上げる。それをマスコミが大きく取り上げる。今年巻き起こったこのムーブメントを止めてはいけない。

 今年、最も輝いた女優の一人が、川口春奈だったのではないか。2021年の『NHK紅白歌合戦』の司会、NHK22年前期朝ドラ『ちむどんどん』でのヒロインの姉役。続く朝ドラ『舞いあがれ!』中継スペシャルでのナレーション、そして大きな話題となった10月期の連続ドラマ『silent』(フジテレビ系)のヒロイン・青羽紬役。個人的にも『silent』は大好きなドラマだった。若年発症型両側性感音難聴を患う佐倉想(Snow Man・目黒蓮)と、教室の黒板で会話する最終回のシーンには泣いた。手話でのシーンが多く、ながら見ができないため、その分、ドラマの世界に没入できた。よくできたドラマだった。

 しかし、そんな川口の八面六臂の活躍を見て、ふと思う。あの事件がなかったら、どうなっていたのだろう。川口の躍進劇の発端となった20年のNHK大河ドラマ『麒麟が来る』。当初「帰蝶」役だった沢尻エリカが撮影中に麻薬取締法違反で逮捕され、その代役としてキャスティングされたのが川口だった。

 でも、もし沢尻の逮捕がなかったら――。川口の活躍を見るたび、どうしてもそんなことを考えてしまう。さらに、23年2月には沢尻の執行猶予が明ける。そのタイミングで復帰に向けての動きがあるのか。川口と沢尻。来年気になる女優2人である。


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