昭和の時代から、芸能界の「年末の風物詩」といわれてきた「日本レコード大賞」。しかし近年では、レコード会社や芸能事務所による審査委員への過剰接待や、票の操作・取り引きの疑惑などがネット上で拡散され、「すっかりゴシップ的な見られ方をするようになってしまった」(週刊誌記者)という。
そして、ここ最近は「もはや業界人しか注目していない」(レコード会社関係者)とまでいわれ、凋落ぶりが顕著な「レコ大」だが、今年は“生まれ変わり”が期待できる状況にあるようだ。
事前エントリーの「優秀作品賞」の中から決定する「日本レコード大賞」は、毎年12月30日に新国立劇場からの中継番組『輝く!日本レコード大賞』(TBS系)内で発表が行われる。そのほかには「最優秀新人賞」などが会場で決定するが、かつてはこれらを受賞した歌手は、翌年以降、アーティストとしての“格付け”がランクアップするとされていた。
「しかし、週刊誌などで、各レコード会社や事務所による審査員への“接待攻勢”や、音楽業界の大物による“ゴリ押し”など、受賞に至るまでの内情が繰り返し報じられたことで、世間的にも、『レコ大』は純粋に音楽のみで評価される賞ではないことが広まってしまった。一部には、それでも『レコ大』受賞にこだわる関係者は存在したものの、かつての権威が失墜していることは、業界内でも共通認識となっています」(スポーツ紙記者)
そんな中、今年は秋あたりから、すでに「レコ大」受賞曲は、歌謡コーラスグループ・純烈の「君を奪い去りたい」とうわさされていたという。
「『レコ大』に大きな影響力を持つ、バーニングプロダクションの幹部が、純烈の大賞受賞をほのめかしていたというんです。純烈の所属事務所は、バーニングと昵懇の仲であることから、そうした流れになったのでしょう。ところが、同幹部は先頃から体調を崩しており、来年には業界の第一線から身を引くといわれるように。そうするうちに、音楽業界に流れていた『今年は純烈』というムードが、どんどんと薄まっていったそうです」(芸能プロ関係者)
「レコ大」に情熱を注いでいたバーニング以外のプロダクションやレコード会社も、“大きな柱”となっていた同幹部が第一線を退きつつあることが影響してか、大賞受賞をめぐる駆け引きや交渉なども、ほぼ行われなくなったのだとか。
「現在では、今年の大賞受賞曲は、SEKAI NO OWARIの『Habit』と見られている。彼らはこうした業界のしがらみとは無縁のアーティストだけに、大賞受賞が実現すれば『レコ大が生まれ変わった』と言っても過言ではないかもしれません。そうなると、来年以降は『優秀作品賞』のノミネートからして、純粋に“音楽”のみで評価された作品がズラリと並ぶ可能性もある。例えば、一貫して『レコ大』と距離を置いてきたジャニーズ事務所所属アーティストの楽曲が、大賞を受賞する未来も考えられます」(同)
密かに新時代を迎えつつある「レコ大」。まずは果たして本当に、SEKAI NO OWARIの「Habit」が大賞に選ばれるのかどうか、注目したい。