昨今、新たな婚活の形として注目されるマッチングアプリ。明治安田生命が2022年11月に発表した「いい夫婦の日調査」(対象:20歳~79歳の既婚男女1620人)によると、同年に限って見た場合、結婚した人の出会いのきっかけは、定番の「職場の同僚」「学校の同級生・先輩・後輩」などを抑え、「マッチングアプリ」が22.6%で首位を獲得したという。
それほど出会いのツールとして一般的になったマッチングアプリだが、ネット上では、「アプリ婚活・恋活に疲れた」「アプリ婚活は病む」という声も少なくない。今回は、マッチングアプリに疲れてしまう理由と、その際のリフレッシュ方法について、アプリ婚活歴10年の漫画家・白戸ミフルさんに話をお聞きした。
結婚相談所はイケメンと出会えない? 私がマッチングアプリを10年続ける理由
――まず、白戸さんのアプリ婚活歴について教えてください。
白戸ミフルさん(以下、白戸) アプリを始めたのは34、5歳くらいのとき。途中、彼氏ができたり、疲れたりして辞めた時期もありますが、約10年間続けています。最初は王道の「Pairs(ペアーズ)」から登録して、「Omiai(オミアイ)」「Dine(ダイン)」「youbride(ユーブライド)」も活用していました。もろもろ失敗なども経験して、今は「タップル(tapple)」と「東カレデート」を使っています。
――アプリ以外の婚活も経験はあるのでしょうか?
白戸 合コンには行っていますね。あと、一昨年は結婚相談所にも1年間登録したのですが、ちゃんとしたお見合いをしたのは1回だけで、あまり活動せずに辞めました。正直、オファーはそこそこ来るのですが、イケメンが少ないんです。イケメンもゼロではないけれど、そういう人は年齢が若い子を選ぶ傾向にあるので40代だと厳しい。結婚相談所はそういったところが自分には合わないので、マッチングアプリのほうが向いているなと思っています。
アプリ婚活、長期間メッセージ交換したのに! いざ対面したらイメージと全然違って……
――疲れてアプリを辞めた時期もあるとのことですが、その理由は何でしょうか?
白戸 マッチした後、毎回同じような内容のメッセージを、同時に複数人とやりとりするのは結構疲れます。ポンポンとメッセージが続く人であればさほど苦ではないのですが、やりとりの時間が空くと、過去のメッセージ内容を忘れてしまったりとか……。長い期間メッセージを交換して親密になったと思ったのに、いざ対面したらイメージと全然違って「今までの時間は何だったんだろう……」と思った経験も(笑)。
――アプリ上の出会いでは、急に連絡が途切れるということも珍しくないようですね。
白戸 リアルで出会った人だとあまりないことですが、アプリでの出会いでは普通です。アプリはもはや何が起こってもおかしくない婚活ツールだと思っています(笑)。
――SNS上では、せっかく恋人ができたのに、相手がアプリを退会していなかったというトラブルも散見されます。そういった面も疲れる原因だと思うのですが、白戸さんはご経験ありますか?
白戸 これはアプリで出会った人の話ではないのですが、一時期お付き合いしていた人とお家デートをしていた際、その人のスマホに「○○さんとマッチしました」というアプリの通知が来て、大げんかしたことはあります。最終的に、その人とはお別れしました。
ただ、私も彼氏ができてもすぐにはアプリを消しません。付き合って3カ月未満の場合、まだ「彼氏」とは言えないなと思ってるんで、相手のことは“仮の彼氏”ということで「仮氏」と呼び、婚活を続けています。今年は2~3人とお付き合いしたのですが、あまり長く続かなかったというのもあって。
アプリ婚活ではこういう事例はよくあると思うので、それで揉めて疲れてしまう人がいるのも頷けます。
――アプリ婚活のやりとりで疲弊を防ぐための対策はあるのでしょうか?
白戸 私の場合、マッチしたら早めに会うようにしています。あらかじめプロフィールに「メッセージのやりとりが苦手なのですぐに会いたい」と書いておくと、話も早いですよ。ただ、すぐ会おうとすることにはデメリットもあって、メッセージのやりとりが好きな男性や、アプリを始めたばかりで警戒心が強い男性からは敬遠されてしまいます。
あとは、相手から2日間くらいメッセージの返信がない場合は、躊躇なくブロックするなど見切りをつけて、ほかの人に集中するというのも、精神的に疲弊しないためには重要だと思います。
―― 一方、付き合って間もない相手がアプリを辞めていなかったというトラブルへの対策はどうでしょう?
白戸 「辞めてよ」と強制するのはナンセンスですね。過去の私のように破局のきっかけになるかもしれませんし(泣)。面倒だから辞めていないという理由の人も多いと聞きますからね……。私がベストだと思う方法は、さりげなく自分から「アプリもう必要ないから辞めようかな~」「あっ! 一緒に辞めようよ!」と可愛く言うといいのではないでしょうか。
アプリ婚活に疲れたら、外に出よう! 思わぬ“副産物”も……?
――アプリ婚活に疲れてしまった場合、白戸さんはどのようにリフレッシュしていますか。
白戸 私はとにかく外に飲みに行きます。あとは、“美活”に専念します。具体的には歯のホワイトニングをしたり、シミ取りや脱毛など。
旅行にも行きます。今年は沖縄5回、韓国3回、熱海にも……。旅行をしすぎて、若干、婚活がおろそかになってしまって(笑)。また、飲みに行ったり旅行に行ったりした先で、副産物として“偶然の出会い”に遭遇する場合もあります。私の友達はダイビングをした際に出会いがあって、まだ付き合うまでには至っていませんが、一緒に出かけたりしてますね。
――最後に、アプリ婚活を頑張る人々にメッセージをお願いします。
白戸 アプリ婚活に疲れたら、積極的に外に出たほうがいい! アプリだけやっていたらふさぎ込む一方です。楽しい時間を作りながら、一緒に婚活を頑張りましょう。