NHK Eテレの人気番組『ねほりんぱほりん』のシーズン7が昨年10月7日よりスタートした。かわいらしいモグラの人形ねほりん(山里亮太)とぱほりん(YOU)が、ブタの人形に扮した“顔出しNG”の訳ありゲストに、聞きにくい話題を“ねほりはほり”聞き出す新感覚トークショーだ。
※本記事は『ねほりんぱほりん』シーズン7「Twitter婚活 前編」のネタバレを含みます
『ねほりんぱほりん』Twitter婚活、マッチングアプリより内面重視!?
2023年最初のテーマは「Twitter婚活」。ゲストには、女性のリス子さん(Twitter婚活歴6カ月・Twitter婚活で出会った彼氏持ち)、男性の交差点さん(歴6カ月・1人彼女ができたが最近破局)とハンバーグさん(歴7カ月・苦戦中)の3人が登場した。年齢は3人とも30歳以上という。リス子さんによれば、アカウントを作成し、性別・年齢・身長・趣味・職業・年収などを記したプロフィールに、「#Twitter婚活」を付けて呟けば、Twitter婚活のスタートとなるそうだ。
ネット上の婚活といえばマッチングアプリが思い浮かぶが、Twitter婚活には「お金(登録料・月会費)がかからない」というメリットが。さらに「顔写真を出さない」というルールもあるため、リス子さんはマッチングアプリに比べて「内面重視の婚活というイメージ」があるという。
以前はマッチングアプリを使っていたという3人。しかしハンバーグさんはマッチングに至らず、「イケメンじゃないんで、1人もマッチしなくって。お金も払って何でこんなに惨めな思いしなきゃいけないのって思って……」と無料のTwitterへ移行したそうだ。交差点さんにも「頑張ってマッチングして、メッセージのやりとりしても、途中でメッセージがなくなったりとか……」「やり直し感が本当にイヤでイヤで」と苦労した過去が。
深く頷いたハンバーグさんは、「マッチングアプリは、いわばセーブできない『ドラクエ』なんすよ。死んだらそこで終わりで、もうそのワールドは終わるんです。またレベル1からやり直しです」と過酷さを語った。
一方、リス子さんはマッチングアプリで4,500ほどの「いいね」が付く人気ぶりだったが、「それだけ『いいね』きたら、さばくのに必死で。顔で判断するしかないんですよ」と、別の苦労があった様子。マッチングアプリでイケメンと交際に至ったが、モラハラ男だった経験もあり、「結局、内面で選ばないと婚活終わらない」という思いからTwitter婚活に踏み出したと語った。
Twitter婚活には、暗黙のルールが多数存在しているという。婚活苦戦中のハンバーグさんが、「10件前後DM送って、1件も返って来なかったんですよ」と嘆くと、リス子さんは「ダメですね」「(いきなりDMは)Twitter婚活赤ちゃんのムーブですよね」とバッサリ。
「まずはリプライっていう形でやりとりを深めて、この人こういう人なんだなってところまで行ったら、個人のメッセージに移行する」のが暗黙のルールなのだと語った。ほかにも、「デートの感想を呟いちゃいけない」「デート相手の顔や場所を写してはいけない」などのルールがあるという。
リス子さんいわく、ルールはTwitter内の機能「スペース」(集まった利用者が音声だけでコミュニケーションできる機能)で生まれているそうだ。「スペースで“婚活ムカつくあるある”みたいなのが話されているうちに、だんだんマナーになっていったんです」とのこと。内面重視といわれるTwitter婚活だが、暗黙のルールにどれだけ早く気づけるか、という適応能力も試されるようだ。
Twitter婚活では、まずはフォロワー数を稼ぐことが大事だそう。Twitter婚活猛者のリス子さんは、過去の恋愛失敗談を投稿してフォロワーを増やす作戦に出たといい、その時のツイート例も公開した。
「アプリで出会ったモラハラ男とのデートで、その日の服を全否定された。目の前にいたシェフすら気まずそうだった」
「初彼と行ったカラオケで六甲おろしを三番まで歌った女、ワイ」
といった具合だ。
「おもしれー男」が好きだというリス子さん。自分基準の面白さ+自分の趣味嗜好が伝わるツイートを心がけており、自分好みのフォロワーを増やすことに成功したという。
また交差点さんは、トークライブのように1人で話す「一人しゃべりスペース」を開催。独り身の愚痴を一人語りする内容がウケ、フォロワーが増えたと語った。ほかにも番組では、「婚活川柳」をツイートする30代男性、スペースで「宇宙の話」を披露する20代男性を紹介していた。自己アピール力や、ときには笑いのセンスやトーク力まで問われるTwitter婚活、かなりハードルが高く感じてきた。
過去の経験から、モラハラ男は徹底して避けるように心掛けたというリス子さんは、Twitterでのモラハラ男の見分け方も伝授。リス子さんが返信を避けるリプは「こんにちは! よかったら仲良くしてください!」というありがちなあいさつや、「たいへんだ!」という一言リプだそう。
前者は「こっちがどう返事をたらいいかわからないんですよね。こういうリプ送る人って、こういうことを送ったら、相手からこう返ってくるだろうなとかいう想像力がおそらくないだろう(人)。もしくはナンパ師、数打ちゃ当たる系のどちらか」。後者は「気になりそうな一言をとりあえず送って、相手の反応を待つみたいな。相手の気を引こうとする、かまってちゃんオジサンだと私は見てます」と解説した。そのリス子さんの高度な分析に感服してしまう。
リプが合格ラインだった相手に対しては、次に「ツイート内容」をチェックするというリス子さん。飲食店の料理に点数を付けている人をはじめ、「この前、銀座SIXで買った財布、かなり使いやすい!」といったツイートをしている人は候補から外すとのこと。
いわく、「ちょっと匂いません? “銀座SIX”っていうワードいります?」「この言葉、どういう精神性から来るかっていうと、肥大化した承認欲求だと思うんですね」と分析していた。そもそもTwitterから承認欲求を取ったら何も残らないのではとも思うが、「肥大化した」という部分が重要なのかもしれない。
ツイート内容が合格であれば、「いいね」欄もチェック。「たまにあるのが、エロ画像に『いいね』してる人。あと巨乳の女性にしか『いいね』してないとか」などは候補から外すそうで、これは、“地雷”を避けるのに役立つらしい。リス子さんは「Twitterって本当に、その人の内面を映し出す鏡なんですよね」と、しみじみ語っていた。
今回の放送を見て、Twitterは、自分の“素の内面”を出せる場所であることに気づかされた。Twitterをはじめ、ネットは、“いくらでも上辺を取り繕える場所・嘘をつける場所”というイメージを持っていたが、それはもはや過去の話なのだろうか!? Twitter上の人格こそが、その人そのものという時代が来ているようだ……と考えさせられる。
次回の「Twitter婚活 後編」では、さらにリス子さんのTwitter婚活講座が聞けるとのことで、楽しみにしたい。