NHK Eテレの人気番組『ねほりんぱほりん』のシーズン7が昨年10月7日よりスタートした。かわいらしいモグラの人形ねほりん(山里亮太)とぱほりん(YOU)が、ブタの人形に扮した“顔出しNG”の訳ありゲストに、聞きにくい話題を“ねほりはほり”聞き出す新感覚トークショーだ。
※本記事は『ねほりんぱほりん』シーズン7「Twitter婚活 後編」のネタバレを含みます
ねほりんぱほりん「Twitter婚活」、「いいねドーピング」で憂さ晴らし
今回は「Twitter婚活」の後編。前回に引き続き、ゲストには女性のリス子さん(Twitter婚活歴6カ月・Twitter婚活で出会った彼氏持ち)、男性の交差点さん(歴6カ月・1人彼女ができたが最近破局)とハンバーグさん(歴7カ月・苦戦中)の3人が登場し、Twitterならではの婚活エピソードを語った。
前回で「Twitter婚活赤ちゃん」と異名が付いたハンバーグさん。一向に彼女はできないが婚活仲間はたくさんできたそうで、Twitter婚活の魅力を「みんなで励まし合える」と語った。ハンバーグさんがTwitter内のトーク機能「スペース」で恋愛失敗談を披露しているうちに、彼の恋愛を応援したいという“ハンバーグ軍団”ができたそうで、彼らにアドバイスを受けながら婚活に励んでいるという。
ある時、広瀬すずの写真をアイコンにした女性からリプがあったハンバーグさん。「もう絶対かわいい子だと思って」「もう、すずちゃんバリにかわいい子なんだな~と思って」と勝手にテンションが上がった彼は(アイコンがステキな有名人の写真だと勝手に期待値が上がるのもTwitter婚活あるあるだとか)、ハンバーグ軍団のアドバイスを受けつつ、食事デートにこぎつけた。
実際に会ってみたら、「本当にすずちゃんが来て。そっくりで、むっちゃかわいい子来たんですよ!」というミラクルな展開だったが、食事中に「遠距離恋愛はムリ」と言われ、遠回しにフラれてしまったそう。その傷心を慰めてくれたのも、ハンバーグ軍団の面々。「コロナ禍でも人との距離を縮めてくれるんで、そこはほんとに助けになってる」と、感謝していた。
そんなハンバーグさん、ハンバーグ軍団による「いいねドーピング」も行っているとのこと。「(ハンバーグ軍団の)1人が、『ハンバーグのプロフィール(投稿)にみんなで“いいね”しようぜ』ってプッシュしてくれて、そしたら(いいねが)爆増した」とか。
結果、プロフィール投稿の「いいね」が100を超えたら人気とされるTwitter婚活で、ハンバーグさんは200程の「いいね」をゲット。この「いいねドーピング」はモテにはつながっていないようだが、「(ほかの男性のプロフィール欄の『いいね』の数をチェックして、)自分よりも(いいね数が)低いと『こいつ雑魚じゃん』って思える」など、やはり精神的な助けにはなっているようだ。令和の「電車男」的ロマンを感じた。
Twitter婚活猛者のリス子さんも、婚活仲間が多数。「リアルで集まってバーベキューとかお花見とかしたり」と交流があるそう。そこで恋が生まれそうなものだが、「あるにはあるんですけど、意外と迂闊に動けないんですよ」とのこと。「例えば、私が男性にフラれたら、『リス子、誰誰さんにフラれたらしいよ』みたいな。うわさも全部出回りますし」「Twitter婚活って狭い村社会みたいな感じなんです」と語った。ネットの人間関係いうと、そういう面倒くささがないドライなイメージだったが、そうでもないようだ。
その村社会を実感する出来事が、ほかの女性とのデートをTwitterで匂わせる「匂わせツイート男」との一件。一時はいい感じになるもうまくいかず、「フラれたの?」「破局した?」などTwitter内でうわさになり、詮索もされたとか。
「村社会で婚活をすると、こういうことになるんだなっていうのを実感」したそうで、リス子さんはTwitterをやめることを決断。捨て身で「Twitterやめます。気になってる方いらっしゃったらDM下さい。LINE交換しましょう」とツイートしたところ、DMをくれた男性の中に「ひと際キラキラ光るお魚」を発見。それが現在の彼氏だという。
リス子さんは、彼との初対面を「顔を見たら千鳥のノブさんそっくりな人がいて。『これ、セーフ! 抱ける抱ける!』と思って」と回想。「もし彼とマッチングアプリで出会ってマッチしたかというと、ちょっと……顔で切ってた可能性もあるので。これがTwitter婚活だ! と。やっててよかったなってその時に思いましたね」と、Twitter婚活のメリットを語った。ノブにナチュラルに失礼ながら、幸せそうで何よりである。
一方、破天荒な一人しゃべりのスペースが話題になり、フォロワーが激増した交差点さん。「一番いいときに1カ月に20名ほどの方とデート」するなど、Twitter婚活界の人気者となったが、スペースでの破天荒キャラと素の人格とのギャップで悩むようになったとか。
「オフ会とか行くと、『あの交差点さんですか? 握手してください!』って言われて、ちょっとした有名人みたいな気分になっちゃった」そうだが、素の交差点さんはスペースで演じているキャラとは違い、「至って普通の真面目な会社員」。デートした女性たちからは「スペースと全然雰囲気が違う」とガッカリされたそうだ。そこで交差点さんは、「あえてTwitter婚活の中でもフォロワーの少ない、Twitterにどっぷりつかっていない女性」に声をかけ、お付き合いすることに。
しかし、その女性とも3週間で破局してしまう。その理由は、“交差点というキャラクターを手放せなかった”ことだそう。「彼女から、Twitter上で『彼女ができた』と公表してほしいって言われたんですよ」「でも、ちょっと僕は公表したくないって思っちゃったんですよね」と言う交差点さん。
「結婚するまでが婚活で、お別れする可能性もあるので……。僕は“交差点”というキャラを取っておきたかったんですよ」「僕はもう、この“交差点さん”というキャラクターを使わないと結婚できない。このネームバリューに頼るしかないんで、どうしてもそれはできなかった」とのことだった。
Twitter婚活界隈でのみ通用する「ネームバリュー」にそれほどの価値はあるのか? とも思うが、Twitterでのキャラと素の自分の距離の取り方は難しいようだ。そのバランスをうまく取れるリス子さんのような人には、向いている婚活法なのかもしれない。
世界中の人とつながれる……というイメージがあったTwitter婚活の世界だが、意外と狭いコミュニティーであるらしい。この放送をきっかけに新規も多く参入しそうだが、Twitter婚活の世界の安寧が保たれることを祈りたい。