• 月. 12月 23rd, 2024

犯罪データベース

明日あなたが被害にあうかもしれない

あの映画界の性加害報道監督、名前を変えて復帰――自覚や反省はないのか?

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 日本最古といわれる「週刊朝日」(朝日新聞出版)の休刊が発表された。長年出版業界に身を置く立場として本当に衝撃だった一方、ここ20年来の誌面、そして売上、影響力、すべての低下を見るとやはりとも思う。今後、雑誌ジャーナリズムはどうなっていくのか。終わりの始まりにだけはなってほしくないと切望している。

第634回(1/19〜1/24発売号より)
1位「あの性加害監督 榊英雄が“厚顔”宣告『自分の名前を変えて夏から映画を作る……』」(「週刊女性」2月7日号)
2位「篠田麻里子 『もはや結婚詐欺』金欠モラハラ夫の“本性”」(「週刊女性」2月7日号)
3位「赤川次郎 三毛猫ホームズが開く明日への窓 連載58回 推進される軍拡と原発 政権の大言壮語を信じるな」(「女性自身」2月7日号)

 昨年に相次いだ映画界を中心とする性強要、性加害の実態。その発端は昨年3月「週刊文春」(文藝春秋)が報じた映画監督で俳優の榊英雄による女性たちへの性強要、性加害だったが、今週の「週刊女性」がその榊に関する驚きの情報をスクープしている。

 「週女」といえば、映画監督・園子温の女性に対する性加害をスクープするなど、「文春」に追いつけ追い越せとばかり芸能界における性暴力を何度も報じている雑誌だが、「週女」によると、榊は騒動から1年もたっていない今年1月中旬、映画界復帰に向け動き出したというのだ。

 榊は「文春」報道後、2本の監督作品が公開中止になり、妻とも離婚し、表舞台から姿を消している。しかし記事によると榊は2023年早々の1月中旬、今夏に新作映画の撮影をスタートさせる予定だといい、さらにそのためのワークショップを開いたというのだ。榊のワークショップといえば、女性たちにその影響力(キャスティング権)を匂わせて性加害を行った“加害場所”でもある。しかも榊は今回も以前と同様、新作映画の“キャスティング権”を匂わせ、ワークショップを開いていたというのだ。

 だが、問題はこれだけではない。今後は「榊英雄」の名前を「榊シンイチ」に変えて活動するという。おいおい。名前を変えるということは、これまでの性加害に蓋をしようとでも思ったからなのか。名前を変えれば、これまでの経緯を知らない若い俳優志望の人々が、榊の過去の情報を得ることなくワークショップに集まり、その中の何人かが性被害に遭う可能性もあるのでは――。そんな危惧の念さえ抱いてしまう。

 実際、榊が行ったワークショップで、榊は性加害など一連の騒動に一切触れなかったという。昨年の騒動後の榊の態度などから見ても、反省などしていないのだろうな。自分の権力を盾に、弱者に性暴力を振るうような人間は、そもそも自分が悪いことをしている自覚などなかったのだろうし、発覚したのも運がない、くらいに思っているのではなかろうか。

 実際、「週女」がスクープした映画監督・園子温の性加害にしても、園は謝罪文を公表したものの、「週女」の記事内容が事実でないと訴訟を起こすと言い放った。さらに昨年末、ある映画作品に関し、偽名で製作総指揮と脚本を担当したと報じられている。

 映画界の性加害者は偽名を使ったり名前を変えたりして、短期間で復帰する――。ともすれば刑事罰に問われかねない犯罪行為の可能性すらあるのに、いいのか、これで――。そんなことを考えさせられた「週女」スクープだった。

 先週、「週刊女性」が報じた元AKB48・篠田麻里子と夫との別居・離婚・不倫騒動。登場したのは篠田の“親族のひとり”で、この親族は夫・T氏がいかにひどい人間か、篠田がいかにひどい目にあっているかを「週女」に赤裸々に語り、さらに“篠田の生い立ち&成長”の記録写真5枚も編集部に提供していた。

 「週女」では、今週も引き続きこの騒動を報じている。今回は先週登場した親族だけでなく、篠田夫妻の知人も加わった。今度は夫・T氏のモラハラぶりを告発している。そもそも夫は“実業家”ではなく、妻のスマホを覗き見し、妻を貶める言動を繰り返したという。それだけでなく、T氏は自身の両親も巻き込み、篠田に対して親子3人がかりで卑劣な口撃もしたらしい。さらに8,000万円もの法外な慰謝料を請求し、金銭の要求を拒まれるたびに篠田のプライバシーを暴露。

 一連の「週女」の篠田擁護に対し、一部メディアでは“AKBグループの圧力”“秋元康周辺への忖度”などという批判も巻き起こっているが、そうだろうか? そもそも今回の騒動、「女性セブン」や「週刊文春」(文藝春秋)、「週刊新潮」(新潮社)は篠田バッシングを展開する一方、篠田擁護はほぼ「週女」のみ。「文春」はさておき、「セブン」や「新潮」だって「週女」以上にAKBや秋元康に“近い”はず。

 面白ければ、そしてネタがあれば擁護でもバッシングでも逆張りでも厭わない。そんな芸能マスコミが篠田騒動で悪ノリしている。そして、夫側も篠田側も双方、マスコミやネットを通して自分に有利になるよう情報戦を展開している。どっちもどっち。そんな騒動だと思うのだが――。

赤川次郎のまっとうな言論

 いつも素敵でまっとうな言論を展開してくれる赤川次郎の「女性自身」不定期連載。今回、岸田政権に関する論考が掲載されているのだが、相変わらず的確で素敵だ。

「ことに今の岸田政権は、『敵基地攻撃能力の保有』『軍事費倍増』『原発の再稼働新設』など、憲法と世論が歯止めをかけてきたことをすべて無視して次々に方針の大転換を打ち出した。これは確実に日本の明日を閉ざす決定だろう」
「今の政権を担う政治家には、子や孫を愛する気持ちがないのだろうか」

 こうしたまっとうな言論を守りたい。

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