今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
「半グレ捜査本部」発足で別件逮捕が続く?
1月18日に福岡県警が「準暴力団等集中取締本部」発足式を開催したそうですね。
警視庁や大阪府警にも半グレ捜査の担当者はいますが、230人体制で半グレ対策を進めるのは「日本初」の取り組みだそうです。ほんとお役所は「初物」好きだなという感想しかないですが、それはさておき。
ニュースにもあるように、「半グレは暴力団と違って拠点を持たない上、特殊詐欺などで資金を得ているとの見方が強く、実態が把握しづらい」のが現状。しかし、ドヤって報道させるあたり、何かネタがあるんだろうと思ってましたら、20日に北九州・小倉で有名な半グレのボスがパクられ(逮捕され)ましたね。
「あいさつをしなかった」知り合いをシャンパンのボトルで殴ったそうですが、そもそも昨年5月の事件ですし、容疑も傷害ですから、裁判的にもたいしたことないですね。大物逮捕にしてはショボいといえばショボいけど、ネタはなんでもよかったのでしょう。
むしろ狙いは、関係者の「スマホの中身」やお金の流れですね。身柄を拘束しておいて、強盗やオレオレ詐欺、クスリ(違法薬物)の密売などへの関与を調べる目的の、いわば「別件逮捕」だと思います。
実態のわからない半グレを捜査するために、影響力がありそうな人物をとにかく逮捕して調べていく流れが、今後も続くのかなと思います。
プロはお年寄りをボコボコにしない
それにしても、最近は強盗事件が目立ちますね。ヤクザはタタキ(強盗)なんかしない……ということはもちろんなく、今までもヤクザによる強盗殺人や強盗傷害事件は何度も起こっています。
でも、東京・狛江で起こった90歳女性の虐殺はプロじゃないなと思いました。プロはお年寄りをここまでボコボコにするようなことはしません。別にお年寄りがかわいそうなのではなく、プロなら致命傷を与えたら、さっさと去るからです。
実行犯は、今までケンカなんかしたことなかったんじゃないでしょうか? 「ステゴロ」は今や死語となってしまいました。かつてはヤクザに限らずケンカといえば、鈍器や刃物や拳銃を持たずに素手でするケンカ(ステゴロ)が主流でしたが、今はそういうケンカははやりません。「自分より弱いやつをボコれる」ことがうれしかったんですかね。
あるいは闇サイトの「高額ギャラ募集」に釣られただけで、怖くなったのかもしれません。怖くって無我夢中だったのかなとも思います。
イヤな事件ですが、これからも増えそうですよね。
ネットでは「自民党のせいでみんなが貧しくなり、強盗のような凶悪犯罪も増えた」というような意味合いで「#ありがとう自民党政治」というハッシュタグが盛り上がっていると報道されています。
まあヤクザになる理由も貧困と差別が圧倒的に多いので、大間違いともいえないのですが、不況は今に始まったわけではなく、30年も続いてますよね。
最近のハンパない「物価上昇」が引き金になったのかもしれないものの、この原稿を書いている1月26日現在で、自衛官が2人も強盗で逮捕されてることを考えると、問題は貧困だけではなさそうです。ギャンブルの借金は「貧困」とはちょっと違う気もしますしね。
自衛官だけでなく、ネットの募集に応じられる人たちは、スマホを使えるくらいの生活をしてるのですから、それを「貧困」というのかどうか……と、疑問に思います。半グレのボスを取り調べることで、どんな「事実関係」がわかってくるのでしょうか? 今後も注目です。