西島秀俊が主演を務める刑事ドラマ『警視庁アウトサイダー』(テレビ朝日系)の第5話が2月2日に放送され、ネット上では“小ネタ”の多さに落胆する視聴者が相次いでいる。
同作の主人公は、“血”を見ると白目を剥いて倒れてしまったり、時おり“後ろ歩き”をする元マル暴(警視庁組織犯罪対策部)の刑事・架川英児(西島)。そんな主人公とともに巨悪に立ち向かうのは、秘密を抱えるエース刑事・蓮見光輔(濱田岳)と、すぐに「えっ?」と聞き返す元演劇部の新米刑事・水木直央(上白石萌歌)で、この3人を中心にさまざまな事件が展開される。
「第1話は世帯平均視聴率10.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と2ケタ発進を果たしましたが、第2話は9.1%で1ケタにダウン。第4話で9.9%まで上昇したものの、第5話では自己最低となる8.5%を記録してしまいました。とはいえ、1月にスタートした民放ドラマの中では上位。やはり、『99.9-刑事専門弁護士-』シリーズ(TBS系)などの木村ひさし氏が演出を手掛けていることもあり、注目度は高いようですね」(テレビ誌記者)
劇中にギャグシーンや笑える小ネタが散りばめられていることから、「新感覚の刑事ドラマ」を謳う同作。そんなお笑い要素に対し、視聴者から「面白い」「クスクス笑っちゃう」と賛辞が寄せられる一方で、「スベッてる」「ギャグシーンばかりで鬱陶しい」と不評も買っている。
「初回では、序盤から架川がプロレスの興行に乱入した不審者を取り押さえると、レフェリーがすかさず『ワン・ツー・スリー』とカウントするシーンが描かれたほか、第2話でも殺人現場にごつい靴を履いてきた水木に、架川が『ガンダムの足みたいな靴』と言い放つなど、コミカルなシーンが目立ちます。しかし、第3~4話では明らかにギャグシーンが激減。これを“テコ入れ”を捉える視聴者の中には、『シリアス路線に変わってよくなった』と喜ぶ声も多かったんですが……」(同)
※以下、『警視庁アウトサイダー』第5話のネタバレを含みます
第5話では、雑木林から若い男の白骨死体が見つかり、まもなく遺体の身元が暴力団“仁英組”の構成員・楠本貴喜(横山涼)と判明。架川、光輔、水木が捜査を始めたところ、生前、組織を抜けたいと思っていたはずの楠本が、組長を煽って傷害事件を起こすなど、矛盾する行動を取っていたことが明らかになるとういストーリーだった。
また、第5話では、なにわ男子・道枝駿佑主演『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)ふうのBGMがかかる中、同ドラマに七瀬美雪役で出演していた上白石演じる水木が「謎はすべて解けた」「犯人はこの中にいる!」と主人公・金田一一のように話し始めるパロディシーンが登場。
このほか、架川らが所属する桜町中央署のマスコットキャラクター“ちぇりポくん”と新日本プロレスとのコラボTシャツを手にした架川が「ちぇりポくんじゃないですか! すげえ!」と大興奮するシーンや、清掃会社を営む元暴力団員・小松崎実(デビット伊東)が、架川らから聞き込み捜査を受けている最中に、極太の葉巻を咥えながらフガフガとしゃべる場面など、小ネタのオンパレードであった。
「第5話を見た視聴者からは、『前回はシリアスで面白かったのに、ガッカリ』『ウザいギャグシーンが復活して、また前の感じに戻っちゃった』と落胆する声が続出。なお、ギャグ要素が激減した第3~4話は、木村氏ではない演出家が手掛けていましたが、第5話で再び木村氏が担当。これが理由であるかは不明ですが、放送回によってコミカルさに差が生じているため、視聴者を困惑させているようです」(同)
しかし、同作のギャグシーンを心待ちにしている視聴者も一定数いる模様。今のところ作風が安定しないが、小ネタの復活が視聴者離れにつながらないことを願うばかりだ。