• 日. 12月 22nd, 2024

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貴乃花と河野景子の娘・白河れいに勧めたい「個性のなさ」が生きるあの仕事

私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。

<今回の有名人>
「お手紙を送りました」白河れい
『踊る!さんま御殿!!』(2月7日、日本テレビ系)

 親が一生涯困らないほどの財産を残してくれるとか、世襲制の仕事で身分が安定しているのならいいが、そこまでではないのなら、有名人の子どもというのは案外生きづらさを背負っているのではないかと思ってしまう。

 例えば、平成の大横綱で、元貴乃花親方の貴乃花光司氏と元フジテレビ女子アナでタレントの河野景子の長男・花田優一。彼は相撲の道を選ばず、靴職人としてメディアに登場したものの、いつしかタレントや歌手、画家としても活動を始め、現在、迷走気味。別の道であれ、偉大すぎる父を追い越そうともがき苦しんでいるように見える。

 では、相撲の道に進んでいればよかったかといえば、そうとも言えないだろう。各界でもまた、偉大な父の存在は、優一を苦しめたはずだ。

 彼は歌舞伎俳優・中村橋之助と幼稚園からの大親友だそう。『歌舞伎 家と血と藝』(中川右介著、講談社現代新書)に詳しいが、歌舞伎俳優にとって大事なのは家柄。市川家など名門の家に生まれた子どもにはいい役がつき、片岡愛之助のように一般家庭出身で歌舞伎界入りした人は、苦労は避けられない世界だという。そう考えると、橋之助は梨園の名門・成駒屋の長男であるため、いい役がつく可能性は高い。

 しかし、優一の父親や叔父、祖父が属した角界はそうはいかない。お父さんがどんなに強くても、子ども自身が土俵の上で結果を残せなければ、上には上がれない。貴乃花氏の残した成績から考えると、仮に優一が角界に入って横綱になれたとしても「だって、あのお父さんの子どもなんだから、当然だよ」「お父さん以上に活躍してほしかった」と言われ、正当な評価は得られないのではないか 。

 そんなわけで、私は優一 にやや同情的なのだが、今度は貴乃花氏と河野の次女で、優一の妹である白河れいが芸能界入りした。

 本人は親に内緒で芸能界入りしたと言っており、2月7日放送の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)でも、「母にも言わない状態で、今の事務所に所属して」「父とも数年会ってなくて、連絡をあまり取っていなかったので(デビューしたことを言わなかった)」「あとでお手紙を送りました」と説明。

 しかし、新人ながら、母親の古巣であるフジテレビの新番組『ぽかぽか』でいきなりレギュラーの座を獲得したことを考えると、いろいろな“お口添え”があったのではないかと想像するほうが自然だろう。

 そんな白河だが、『さんま御殿』を見るに、私には“大物二世”以外の彼女の特徴が見えなかった。 例えば、「コンプレックスに負けるなSP 有名人の密かな弱点とは」というトークテーマのもと、白河は「私は肩幅がすごい広くて、それがコンプレックスです」と告白。「そのおかげで、顔が小さく見えると言われることもあり、コンプレックスは武器になる」とオチをつけたので、うまく自身のアピールにつなげられたとも言えるが、特にインパクトがある話ではないだけに、 視聴者の印象にあまり残らないのではないだろうか。

 デビューしたばかりの新人だから、すべてがぎこちないのは当たり前なのかもしれない。けれど、あまり個性がないというか、フリートークがうまくないように感じるのだ。こう書くと、白河を下げているようだが、私はそこに、彼女が輝ける道を見た。世の中には個性がありすぎては務まらない仕事がある。そう、女子アナだ。

 きらびやかな経歴や見た目で視聴者の興味を引く一方、個性がそれほど強くないので出演者の邪魔をしない存在――そんな白河は、女子アナに向くと思う 。それに、芸能人に二世は多いが、女子アナの世界ではほぼ聞いたことがないため、「日本初の親子女子アナ」として話題を呼ぶのではないか。

 女子アナが書いた本を読むと、彼女たちにはどういうわけか、節目の時に手紙を書く傾向があることに気づく。白河も通信手段が発達した今の時代に、父親にあえて手紙を送るあたり、その女子アナ遺伝子が引き継がれているといえそうだ。

 芸能人のような華やかさがありつつも、会社員としての安定も約束されている職業である点も、世襲ではない二世には魅力的だと思う。白河自身は女優の道に進むと話しているそうだが、まだ20歳と若いのだから 、将来の仕事を一つに決めずに、いろいろなことに挑戦していただきたいものだ。

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