英王室批判と並行して自分の父親と異母姉が「いかにひどい人間か」を語ってきたメーガン夫人が、異母姉から名誉棄損で訴えられた裁判で、法廷に立つ可能性が高まってきた。ネット上では早くも「昨年行われたジョニー・デップとアンバー・ハードの名誉毀損裁判以上に盛り上がるのではないか」と期待する声が上がっている。
ロイヤルウェディングに出席した親族は母親だけだったことから、親族との縁が薄いとみられていたメーガン夫人。式の直前、パパラッチと組んで、自身が結婚式の準備をする“やらせ写真”を撮らせた父親トーマス・マークルとは絶縁したと明かしており、メディアやタブロイドの取材を受けて暴露本まで出した異母姉のサマンサ・マークルと、犯罪歴のある異母兄のトーマス・マークル・ジュニアを、「ほとんど会ったことがない」と他人扱いしている。
サマンサは、2017年12月に放送された米TLC局の特番で「姉妹として交流していた時期もあったのに、タブロイドのせいで妹との関係が悪化した」と涙し、話題に。その後、Twitterでの夫人に対するヘイト攻撃にサマンサが関わっているとしてアカウントが凍結されたこともあり、次第にサマンサの名を聞くことはなくなった。
そんなサマンサは、昨年3月に夫人を相手取り、名誉毀損訴訟を起こした。20年8月に発売されたヘンリー王子夫妻の非公式伝記本『Finding Freedom』に、夫人がサマンサに関するよくない情報を掲載していたこと、21年3月に王子と受けたオプラ・ウィンフリーの独占インタビューで夫人が、「幼少期から貧しく、大学の学費や生活費は自分で働いて支払った」「私は実質一人っ子」「異母姉とはほとんど面識がない。年が離れすぎてるし。最後に会ったのは18〜19年前」「私の王子との関係が公になり、異母姉は名字をマークルに戻した」ことが、「事実とは異なり」「プライバシーの侵害に当たる」と訴えたのだ。
これに対して夫人は昨年9月、裁判になれば「不必要な証拠開示」が行われ、「それにより損害が出る」と主張。裁判所に対して、証言をしなくて済むよう訴訟そのものを却下してほしいと要求していた。
フロリダ州の裁判所は今週に入り、夫人が主張していることが起きるかどうか十分に示されていないなどとして、証言の中止を求める要求を却下。このままだと、夫人だけでなく王子も裁判所で宣誓証言することになるとメディアが一斉に報じ、「法廷ドラマ『SUITS/スーツ』に出ていた夫人が、法廷で異母姉と争うなんて!」「王子がアメリカの法廷に立つかもしれない」とネット上は大盛り上がりしている。
先月、王子はオプラのインタビューで告発した「王族の人種差別」について、「そんなこと言っていない」と否定。Netflixのドキュメンタリー『ハリー&メーガン』でも矛盾点がいくつか指摘されているほか、王子の自伝本『スペア』でも事実と異なる記述がたくさんあり、王子だけでなく夫人も「どこまで真実を語っているのか疑ってしまう」という目で見られつつある。
一方のサマンサも問題がある人物なことは確かで、夫人は『ハリー&メ―ガン』の中で、サマンサは育児ができなかったため、彼女の娘は祖父母が育てていたこと、姪に当たるサマンサの娘をかわいがっており、結婚式にも呼びたかったが、父やサマンサのせいで呼ぶことができなかったと暴露している。そんな2人の父親であるトーマスは体調を崩しているが、裁判になったら姿を見せるのではないかと推測する声もあり、この上なくドラマチックな展開になるかもしれない。
なお、裁判所は夫人が提出した申し立てのすべてに目を通したわけではなく、今後、夫人の要求が認められる可能性もまだ残っている。しかし、サマンサが求めている損害賠償金は7万5,000ドル(約98万円)と少ないため、訴訟の目的は、夫人からの謝罪であり、なんとしてでも裁判にもっていくだろうと見る向きもある。
この裁判で頭がいっぱいなのか、夫人は最近表舞台に姿を見せる機会が減っているが、王子は現地時間7日、イギリスの慈善団体「ウェルチャイルド」が公開したビデオに登場。重病を抱えるイギリスの子どもたちと家族を支援するこの慈善団体のパトロンを2007年から務めており、今回の動画では団体が主催している、病気に苦しむ子どもたちとそのケアをする人たちを讃える「ウェルチャイルド・アワーズ」をPRした。
久しぶりにパトロンとしての仕事をした王子に対して、ネット上には「イギリスにいた頃のような凛々しさがなくなった」「顔に覇気がない。サイケデリック療法で薬物ばっかりやってるからじゃない?」と心配する声、「イギリスの恥。もう関わらないでほしい」「HRH(殿下)の称号も剥奪してほしい」といった声が続出している。
自由の国アメリカでの生活をスタートさせてから、英王室批判と被害者アピールばかりしている王子夫妻。歴史的な本だと売り出した『スペア』も評判はイマイチで、彼らの本質を見抜いたアメリカの上流階級セレブやハリウッドの重鎮たちからは、距離を置かれ始めているようだとささやかれている。
なんとしてでもロイヤルブランドを立て直し、アメリカでの人気を回復したいであろう王子夫妻だが、裁判になってしまったら再起不能なほどイメージダウンするだろう。チャールズ国王の戴冠式も控えていることから、王室の祝い事にも水を差すことにもなる。今後2人がどう動くのか、引き続き目が離せそうにない。