NHK Eテレの人気番組『ねほりんぱほりん』のシーズン7が昨年10月7日よりスタートした。かわいらしいモグラの人形ねほりん(山里亮太)とぱほりん(YOU)が、ブタの人形に扮した“顔出しNG”の訳ありゲストに、聞きにくい話題を“ねほりはほり”聞き出す新感覚トークショーだ。
※本記事は『ねほりんぱほりん』シーズン7「コンカフェのキャストと経営者」のネタバレをみます
『ねほりんぱほりん』コンカフェとは、脱法キャバクラorアイドルごっこできる場?
『ねほりんぱほりん』2月10日放送回のテーマは「コンカフェのキャストと経営者」。ゲストには現役のコンカフェキャストであるマイさん(20代・キャスト歴4年・専業)とヒヨリさん(20代・キャスト歴2年・大学生)、コンカフェを全国で展開する経営者のカズさん(40代・経営歴15年)の3人が登場した。
コンカフェとは、キャストがさまざまなコンセプトの衣装に身を包む「コンセプトカフェ」の通称。カズさんは「妖精カフェ」「和装カフェ」などを経営し、直近では年収3000万円を稼いでいるそうだが、コンセプトは実際には「ないようなもの」と言う。
コンセプトを固めすぎてしまうとマニアから知識を問われてしまい、「それが面倒くさいってキャストさんが思ってしまうんで、求人が集まらなくなるんです」とのこと。力を入れるのは、コンセプトより「かわいい衣装」だそうで、「経営者としては、どれだけかわいい子を集められるかの勝負になってるんで、かわいい衣装を作って求人かける、みたいな。ほとんどの子が衣装で選びましたって(面接に)来る」らしい。
カフェと言いつつ、メニューもお酒がメイン。「シャンパンが多かったり、何百万円のボトルとかもあったりするんですよ。キャストの誕生日とかお祝い事の席に開けにきてくれるお客さんとかいますね」(マイさん)と、かなりキャバクラっぽい印象。
つまりコンカフェとは、イメクラとキャバクラを掛け合わせたようなお店ということかな? ……という疑問が浮かぶ。しかし、コンカフェは隣に座って接待するキャバクラとは違い、「あくまでも飲食を提供する中でのお客さんとのコミュニケーション」(カズさん)のため、キャバクラのような風俗営業法の許可は必要ないそう。そのため営業時間の縛りもなく、稼げるようだ。違法にならないギリギリのゾーンを狙っているようにも見える。
キャバクラとの違いは、キャストに同伴やアフター業務がない点も挙げられる。代わりに、ほとんどのコンカフェには「チェキ」や「ライブ」のサービスがあるそうで、チェキ1枚1,000円、ライブ1曲1,000円ほどで、10~50%のバックがキャストに入る仕組みだそうだ。
もともとアイドル願望があったというヒヨリさんは、「チェキにメッセージ書いているときは、ちょっとしたアイドル気分になれる」「私が歌ったり踊ったりするとお客さんがペンライト振ってくれるので、アイドルになりたい願望をそれで実現できる」「普通の同年代の女の子とは違うんだなって気持ちになれる」と楽しんでいる様子。マイさんも太客を掴み、「高校生で最高月収40万円」を稼ぐなど、地下アイドル以上の収入を得ているようだった。コンカフェとは、客にとっては安く女の子と飲める脱法キャバクラであり、キャストにとっては“なんちゃってアイドルごっこ”ができる場なのかもしれない。
コンカフェの客層で多いのは、マイさんいわく「いにしえのオタク」、ヒヨリさんいわく「オタクのおっさん」。ヒヨリさんは、「コンカフェのお仕事って基本的に介護」と辛口で、「コミュニケーション取るのがすごい苦手で、普段は集団とかコミュニティーの主役になれない人が、お金を払って主役になろうとしに来てる」とブッタ斬った。
『ねほりんぱほりん』は、お客さん側にもインタビュー。そのうちの1人、男性のボンベイさん(30代)は、「コンカフェは、手っ取り早く素人の年下の女の子とコスパよく出会える場所」「正直ヤリ目のところもあるんですけど、最終的にはキャストと結婚したいですね」と語るハンター。「店の外で会ったのは20人くらい。付き合ったってなると8人くらい」と明かした。意外と付き合ってしまうキャストが多いことに驚く。
ヒヨリさんも過去にお客さんと交際したことがあるそう。コミュニケーションベタなオタクのおっさんに囲まれていると、たまに遭遇するハンターに魅力を感じるのだろうか。
『ねほりんぱほりん』コンカフェ、「かわいくなって認められたい」に感じるキャストの心の闇
お客さんにはオタクが多いが、キャストには「“元3軍”の人が多い」というのがヒヨリさんの意見。ヒヨリさんは「1軍は生まれながらにしてかわいいから、女子アナ目指したりとか女優になったりして。2軍は勉強や運動ができて、外見以外に強みがある人たち。3軍は外見とかにコンプレックスがあって、努力してなんとかかわいくなって遅咲きのかわいさを手に入れる、みたいな」と、独断と偏見に満ちたヒヨリさん的スクールカーストを解説。「そのリベンジをしようとするのがコンカフェっていう舞台」と持論を展開した。
ヒヨリさんいわく、「特別じゃない人間ができるのは、外見や若さの切り売りでチヤホヤしてもうらうっていうことだけ」。その考えに則って、ヒヨリさんは「かわいくなって認めてもらおうと思って整形しました」とのこと。かなり偏った考えで、ヒヨリさんの闇を感じるが、「目とか鼻とか口とか、あわせて200万円くらい。変わりましたね、男の子が大学でもチヤホヤしてくれたり」と本人は満足げだった。
だったら大学でリベンジできているのでは? と思いきや、ヒヨリさんは「できない」と断言。「大学っていうのは、サル山でいうなら結構大きな山。サル山の大将になれるのはミスコンだったり飲みサーにいるような人たちで、やっぱそれはムリなので。まぁ、コンカフェっていう小さい山の大将でいようかなって」とのことだった。
コンカフェに来るお客さんやコンカフェ自体を見下しつつも、自分のアイドル願望を簡単に満たせる場所として受け入れているようだ。「そんなに見下しているなら、もっと高い山を目指したらどうだ……?」と思わないでもない。
キャストには30歳を過ぎてもコンカフェでしか働いていない人も多いそう。マイさんは「そういう人たちのことを『コンカフェゾンビ』って呼んでるんですけど。かわいい文化にハマり続けて、抜け出せなくなった悲しき世界のモンスター……」とモンスター扱い。
ヒヨリさんも「1店舗に2人はいますね」と同調し、「(三十路過ぎのキャストは)昔のモデルの、今ははやっていないようなブランドカバンをボロボロになっても大事そうに持ってたり。あと、頬のもたつきとか、明らかに年齢が違うなって」。コンカフェゾンビをかなり見下しているようだった。
「私はフツーに、大学卒業したら就職しようかなって思ってます。でも(キャストを)辞めるつもりはなくて、兼業というか。兼業なら一応メインのお昼のお仕事は持っているので人にも言えるし、ゾンビじゃないなって自分的には思ってて~」と語るヒヨリさん。
しかし、ここまでのヒヨリさんの考え方の偏り具合から判断するに、ヒヨリさんは確実に数年後、後輩キャストから「コンカフェゾンビ」と陰で呼ばれる存在になるであろう……と筆者は予想する。