5月6日に行われるチャールズ国王の戴冠式への参加が注目されているヘンリー王子とメーガン夫人。そんな中、王子の公務復帰を望むファンからの声かけに対する国王の反応が、ネット上で話題になっている。
戴冠式に向けて公式エンブレムや特設サイト、Spotifyでお祝いのプレイリストが公開されるなど、着々と準備が進められている中、粛々と公務をこなしている国王。8日には、イースト・ロンドン大学ストラットフォードキャンパスを訪問し、若者たちと交流。集まった観衆と握手や会話を交わすグリーティングを行ったが、その際、王子のファンと思われる男性から「お願いです! ハリーを復帰させてください!」「どうか!」と声をかけられた。
グリーティングではなるべく多くの人々の声を聞く姿勢をとっている国王は、繰り返し声かけする男性に気がつき、低い声で「誰ですか?」と聞き返した。英紙「ザ・ミラー」によると、現場には一瞬緊張が走ったが、男性が懇願するように「ハリーですよ。あなたの息子の」と返すと、国王は「アッハッハ」と声を上げて笑ったため、名前が聞き取れなかっただけだと判明。すぐ和やかなムードに戻ったという
国王の発言の真意は不明だが、ネット上では「ハリーと言われて、それって誰? とブラックジョークで返したのだろう」と推測する声や、笑ったのは「なにをバカなことを聞くのか」と思ったからで「そんなことありえないだろう」という表情だったと指摘する意見も。国王は男性の声かけに答えなかったが、「スルーして当然」と感じた人が大多数だった。
王子は、昨年12月に配信されたNetflixのドキュメンタリー『ハリー&メーガン』で、王室離脱に関する家族の話し合いの場で、「父がまったく事実でないことを言った」と暴露。1月に出版した自叙伝『スペア』でも、母・ダイアナ元妃が亡くなった時に「父はハグしてくれなかった」と明かすなど、国王に対する不満をぶちまけている。そのため、イギリス国内では「我々の王室、国王を侮辱するなんて許せない」「戴冠式には招かないでほしい」という声も多数上がっているものの、イギリスのメディアの多くが「国王は次男夫婦を招待する」と報じている。
国王は、王子夫妻が欠席するより出席したほうが、悪意ある注目を集めずに済むと考えているようで、出席するにあたり譲歩する構えもあると王子に伝えているとのこと。イギリス国協会のカンタベリー大主教らに、王子夫妻の戴冠式出席を促すよう要請しているとも報じられており、ほかの王族たちも2人が出席するだろうとして心の準備もしているそうだ。
なお、王子夫妻だが、戴冠式に招待されているものの、セレモニーで公式な役割は与えられず、バッキンガム宮殿のバルコニーに立つことも許されないと英紙「デイリー・メール」は伝えている。昨年6月に行われたエリザベス女王のプラチナジュビリーの式典と一緒で、「家族」として立ち会ってもらうだけというスタンスなのだろう。
王子夫妻は、戴冠式に出席する条件として、王室メンバーからの人種差別的発言に関する謝罪を求めているのではないかとみられている。また戴冠式当日は、夫妻の長男アーチーの誕生日でもあるだけに、それを理由に欠席する可能性も考えられる。米ニュースサイト「Radar Online」は、王子が王室から復讐されるのではないかと疑心暗鬼になっており、精神的に不安定であるとも報じた
これまで、王子夫妻による一連の王室批判と暴露に最も怒り悲しんでいるのは、兄・ウィリアム皇太子で、2人の戴冠式への招待に反対していることが明らかになっているだけに、王子夫妻が国王に招待され戴冠式に出席したとしても、現場にはかなりの緊張が走るとみられている。
ネット上では、「我々の王室をけなしたやつらを許さない。戴冠式に出席するなら、覚悟してイギリスに来い」といった怒りの声も多く上がっており、人気が低迷しているヘンリー王子夫妻にとって、イギリスへの訪問自体、かなり厳しいものとなることは間違いなさそうだ。