• 月. 12月 23rd, 2024

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名古屋刑務所、獄死者の“不可解”な遺体――元女囚が語る「刑務所の怖い話」

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

全身傷だらけ――獄死者の不可解な遺体

 こんにちは。筆名をいきなり変えた瑠壬(るみ)です。まあ、いろいろあってんですけど、それはまたいつか書かせてくださいね。

 少し前ですが、またイヤなニュースがありました。

 メイケイ(名古屋刑務所)で去年獄死した70代の男性のご遺体があざや切り傷だらけで、手首や腰には緊縛痕もあったそうです。遺族側が法務省に死亡の経緯を調査するように申し入れる記者会見をしています。

 ムショから「心筋梗塞による多臓器不全で容体が急変する可能性」と連絡が来て、間もなしに亡くなったそうですが、そんな病気で傷だらけになるわけないですよね。愛知県警が司法解剖を行い、殺人事件として容疑者不詳で書類送検しましたが、不起訴になってます。

 ご遺族は刑務官による体罰を疑っているそうで、「傷を見たら誰もがおかしいと思う。真実を明らかにしてもらわないと、兄が浮かばれない」と会見で話していました。

 法務省はメイケイの調査をしてましたが、サンダルでお尻を叩く、アルコールスプレーを顔にかける、顔や手を殴ったことなどが報告されたそうですが、そんなことでは死にませんよね。

 普通に怖い話ですし、そもそもメイケイは「前科」があります。20年以上前ですが、2001年に消防用ホースで受刑者の下半身に放水して死なせてますし、その後も、拘束用のベルトで締め付けて1人死亡、1人重傷の事件を起こしてました。

 なんでメイケイばっかりで大事件が起こるのでしょうか? 意味がわかりませんが、01年の事件の「犯人」である刑務官たちは、無罪か執行猶予付きの有罪判決でした。去年の殺人も不起訴ですよね。全体的に甘いんやと思います。

 それに、マスコミがいつも注目する東京や現役ヤクザが多い大阪の施設では、刑務官もおとなしいのと違いますかね。

 もともと男子刑務所は、女子刑務所に比べて刑務官や懲役(受刑者)同士のいじめがえぐいです。増えてるわけやなくて、最近は隠さないで出してるだけですね。

 でも、少子高齢化で事件も犯人も減ってますから、瑠壬がいた頃みたいに「6人部屋に8人」とか「独居に2人」とか、めちゃくちゃな収容はないし、少年院もだいぶなくなりました。

 収容者が多いと刑務官も忙しいけど、今はそんなことないでしょう。ヒマやから事件が起こるのかもしれません。例えば高知刑務所は、懲役がトイレに時間がかかってたら、刑務官が別の懲役にのぞきに行かせたそうです。

 いやですよね、そんな羞恥プレイ……。

 あと殴る蹴るだけやなくて、言葉の暴力もあるんですね。千葉刑務所では、一昨年に刑務官が「死ね」とか言って懲役をわざと怒らせ、独居の保護室に入れたそうです。

 まあ、この件はすぐにめくれて(発覚して)て、いじめた本人も認めてたようです。でも、理由が「独り言を言ってうるさいから」って、どうなんですかね。

 独り言なんかみんな言いますし、普通じゃないような大きな声とかの独り言なら、「拘禁ノイローゼ」かもです。いきなり暴れないよう体を拘束する「保護室」に入れる前に、お医者さんに診てもらうとかあるんですが、そうはならないのがムショです。

 最近は「独り言」が多いとか、ムショに入りたくて万引するおじいさんとか、刑罰より医療や介護が必要な懲役も増えてますから、そうゆう「弱い人」に暴行する刑務官は減らないと思います。地獄ですね。

 瑠壬も、よう生還できたなと思います。まあその前に、行くようなことをやってはアカンですね。

 結局、クスリ(違法薬物)も自覚の問題なんですよ。自分でやめようと思わないとやめられません。今は毎日がとても充実してますし、生まれてきてよかったと心から思えます。

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